久々に物欲を大きく刺激してくれるスマホと出会ったのでそちらのレビューをしていきます。
今回のレビュー機種はGalaxy Z Flip3です。
これまでのFlipシリーズにはあまり興味がなかったのですが、今回のFlip3はめちゃくちゃ「見た目」が可愛くてかつカッコよくなっており、物欲が相当に刺激されてしまい我慢できずに買ってしまいました。
久々に所有欲を満たしてくれるデザイン性を持ったスマホとなっているので、その辺りの感動と共に各種レビューをしていこうと思います。
ドコモオンラインショップ:Galaxy Z Flip3 SC-54B
auオンラインショップ:Galaxy Z Flip3 SCG12
Galaxy Z Flip3の良いところ・悪いところ
良い所
- 折りたたみギミックが楽しく見た目も可愛さとカッコよさを兼ね備えてファッションアイテムの一つとして機能する
- フロントディスプレイに表示できる内容が増え、機能性の向上とデザインをカスタマイズできる楽しさがある
- 22:9の縦長画面は情報収集能力が高い
- 折った状態でも使いやすいアプリ表示は他のスマホにはない便利さ
悪い所
- バッテリー持ちが悪く日常使いにおいて不安が多い
- 発熱はしやすい
- 折り目のシワは気になりやすく、耐久性もまだ触っていて不安
可愛すぎるその「見た目」!これだけでも衝動買いして良し!
まずは自分が一番突き刺さったその見た目、デザイン性といったところを確認してもらおうと思います。
いくつか公式の写真も載せておきますがこちらもオシャレ。
個人的にはこの「カッコ良さも兼ね備えた可愛さ」に惚れました。
ギトギトした甘ったるい可愛さではなく、洗練された・スタイリッシュさ・カッコ良さも持つ可愛さのある見た目というのにヤられて購入を即決断しました。
この見た目の良さ、他のスマホには見られないカッコカワイイデザインを持っているスマホなので、それだけでも買う価値があるかと個人的には思っています。
スマホ全体の傾向の中で性能に頭打ち感が出てきたために、こうした特徴的なデザインを理由に今後はスマホを選んでみてもいいでしょう。そしてこのGalaxy Z Flip3はそうした選び方で買ってもいいだけの価値を持ったスマホだと個人的には思います。
ケースなどのアクセサリー類もカワイイ件
まだ購入にまでは至ってないですが、今後Galaxy Z Flip3を使っていくにあたってケースも色々とこだわってみたいところです。
公式や韓国でのさまざまなブランドとのコラボケースが発売されており、それらがどれもオシャレです。
個人的には公式の白/グリーン、紺/オレンジのFlipカバーがいい感じですし、サムスンライオンズのカバーも白/ブルーの組み合わせで魅力的です。
女性向けにもみてわかるように多くのブランドとのコラボカバーが用意されており、多様な「可愛さ」に対応しています。
こうしたケースでも「可愛さ」を表現することができるため、今後の国内カバーのラインナップもこれぐらい揃ってくれるとより多様な可愛さというのを手に入れることができます。
ただ、より自分に合ったケースを追求していくと海外から輸入が必要になってくるかもしれません。
※追記
実際に米国Amazonで販売されている公式カバーケースを購入してみましたので、そちらの買い方やデザイン面での良さといったところを別記事で紹介をしているので参考にしてみてください。
かなり質感が良い感じなので個人的には輸入してでも買う価値があるケースだと思っています。
Galaxy Z Flip3のスペック
Galaxy Z Flip3 | |
OS |
Android 11 |
SoC | Snapdragon 888 |
ディスプレイ | 6.7インチ/有機EL アスペクト比22:9 |
RAM | 8GB |
ROM | 128GB |
アウトカメラ |
1200万(広角) 1200万(超広角) |
インカメラ | 1000万 |
サイズ |
166×72×6.9㎜(開いた時) 86×72×15.9㎜(閉じた時) |
重量 | 184g |
バッテリー | 3300mAh |
各種機能
ナビゲーションキー配置 |
左:アプリ履歴 中央:ホーム 右:戻る (設定でジェスチャー操作や配置を変更可能) |
---|---|
SDカード対応 | ─ |
指紋認証・顔認証対応 | ○/〇 |
バッテリーセーバー機能 | 省電力モード/バックグラウンド制御 |
リフレッシュレート変更機能 | あり(60Hz/可変1~120Hz) |
ゲーミングモード | Game Booster |
その他 | 防水・防塵、おサイフケータイ |
今回のGalaxy Z Flip3の国内モデルではZシリーズにこれまで無かった「防水」と「おサイフケータイ」が用意されている点が機能面での大きな変更点となるでしょう。
どちらも日本で使うことを想定した場合に安心感と利便性を与えてくれ、人によっては必須な機能だっただけにこれらが用意された点は非常に助かるポイントとなるでしょう。
後述するレビューでも検証していますがスペック面ではバッテリー容量は心許ないものになっているのは確かです。大画面なモデルでありながら3,300mAhはここ最近見られないレベルのスペックの低さです。
ディスプレイはかなり縦長の比率になっているのでここもちょっと人によっては気になるポイントかもしれません。
Galaxy Z Flip3の価格と発売日
Galaxy Z Flip3の発売日は10月6日。
販売キャリアはドコモとauからとなります。その他にもイオシスなどでは海外版も売られています。
それぞれのキャリアの価格は以下の通りです。
販売価格 | 2年後返却プログラム | |
ドコモ | 148,896円 (6,204円×24回) | 88,176円 (3,833円×23回) いつでもカエどきプログラム |
au | 148,925円 (4,315円×23回+49,680円) | 99,245円 (4,315円×23回) スマホトクするプログラム |
初代のFlipはauで18万円ほどしたわけですが、それと比べると大分安くなっているのがわかります。各種残価設定型のおかえし系のプログラムを使えるのも良い点です。
最近のハイエンドスマホは高額化が目立つわけですが、折りたたみスマホに関しては登場時からむしろ値下げが見られるものになっています。
この価格であればハイエンドかつフォルダブルということを考えれば順当、あるいは安めの価格と言えるでしょう。・・・言えない?
とにかく今回のGalaxy Z Flip3は従来のモデルやフォルダブルスマホ、ハイエンドスマホとしても決して高くはない価格設定になっているので、これまで以上に買いやすく、iPhoneの高額モデルを買うのとそんなに変わらないレベルで買えるので「iPhoneからののりかえ先」としても選択肢として入るかと思います。
ドコモオンラインショップ:Galaxy Z Flip3 SC-54B
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Galaxy Z Flip3の基本性能
Antutu/3Dmarkのベンチスコア
まず性能面をベンチマークアプリで確認をしていきましょう。
性能に関するベンチマークについては最もポピュラーなAntutu Benchmarkアプリを利用し確認していきます。
こちらの数値を他のモデルと比較していくことで、Galaxy Z Flip3の実力がどの程度あるかというのを確かめてみます。
基本的に数値としては25万点を超えるようになると普通の使い方なら体感での差は少なくなり、ゲームなど一部の重いアプリの挙動に差が見えるのみになってきます。
Ver9.1.6 | Galaxy Z Flip3 | Galaxy Z Fold2 | AQUOS R6 | iPhone 11 Pro |
---|---|---|---|---|
総合スコア | 722686 | 605985 | 619572 | 539249 |
CPU | 204930 | 170618 |
129991 |
162700 |
GPU | 262037 | 237722 | 259455 | 229733 |
MEM | 139316 | 103761 | 117986 | 63037 |
UX | 116403 | 93884 | 112140 | 83779 |
あまり性能面を重視するようなスマホではないものの、Snapdragon 888という現行機では最上級のSoCを載せており、使っていて性能で困る場面というのは見られません。
スコアを見ても全く性能不足というところはありませんし、実際の使用感といったところも問題がありません。
同じSoCであるAQUOS R6とはスコアが10万点ほど離れていますが、これはR6が熱の影響でスコア低下した影響かと思われます。
熱であまり性能が低下しないのはGalaxy Z Flip3の特徴と言えるでしょう。
とにかく価格相応の性能が手に入ります。
ゲーミング性能
SoC性能の高さを考えると、ゲームに向いているスマホであるのは間違いないです。
ベンチマークスコアの高さはもちろん、実際の動作を見てもゲームが快適に動いており遊びやすいスマホです。
ただ画面中央の折りたたみ部分の強度といったところを考えると、画面中央をタッチする機会が多いゲームを遊ぶのは不安があるのは確かなため、正直ゲームをガッツリ遊ぶのには適していないのを感じます。
その点については前提としてある程度踏まえてもらった上でゲームスマホとしての実力を確認していこうと思います。
フォートナイト:カクつきは多くなく、画面も22:9のアス比でも全画面表示されるために見た目の良さというのは非常に良いです。ただ折りめの中心にレティクルがあるために光の当たり方によっては画面が見にくくなって大事なチャンスというのを逃してしまいがちです。あまり画面の中央付近をタッチすることがないために、ヒンジ部にダメージを与えることのないゲームですが、大事な部分が見にくいというのは本気で遊ぶときに困ります。
原神:表示も綺麗で動作もしっかりしていてこのレベルのゲームでもガッツリ動かせるパワーは凄いです。シワ付近の表示はフォートナイト同様に気になるものの、それでもシビアなタイミングが必要なFPS、TPSシューティングのようなゲーム性ではないのでそこまでは気になりません。
ツムツム:画面中央には折りたたみのギミックがあり、画面が少しデコボコしてしまっています。ツムツムのような画面中央付近を高い頻度で触るゲームは、かなりこの画面のデコボコといったものが気になるものになっており、滑らかに指を滑らすことができないですし力を入れることも若干怖く感じます。結構画面の段差は気になって操作自体もスコアを追求していこうとすると気になってくるかと思うので、性能自体に問題ないものの決して快適とは言えないものになっているのは間違いありません。
ざっとゲームをした感じだと、
- 動きが激しく、瞬時の攻撃などが必要な対戦系のゲーム
- 画面中央付近をタッチする必要があるゲーム
とは相性が悪いです。
中央の折り目の耐久性への不安、そしてシワになった部分がちょっと視線がズレたり光源の具合によって光の反射が激しくなるため、集中して遊ぶのには決して適していないものになっています。
RPG系やシミュレーション系のような画面の反射がそこまで影響せず、中央付近のタッチに力を入れなくてもいいゲームであればその性能の高さを活かして快適に遊べるでしょうか。
ただ後述するようにバッテリー持ちといったものが悪く、ゲームを長時間遊ぶと結構支障が出てくるためにそもそもがゲーム向けのデバイスではないのを感じます。
一応ゲーミング機能なんかは揃っているのですが・・・。
ゲーミング機能に「Game Booster」について
Galaxy向けのゲーミング機能には「Game Booster」といったものがあるため、こちらの機能も一応は確認をしておきましょう。
以下のような機能がゲーム向けとして用意されています。
- 予想バッテリー駆動時間
- 温度・メモリ管理機能
- ゲーム優先モードやパフォーマンス(ゲーム・省電力優先・バランス)設定
- ナビゲーションキーロック
- 誤操作防止機能
- 画面キャプチャー・録画機能
- フローティング・ポップアップアプリの設定
個人的にはバッテリー持ちを理由にゲーム向けのスマホとしてはおすすめしませんが、このようなゲーム向けの機能が用意されているため、若干ではあるもののゲームに集中しやすい環境が作られています。
バッテリー性能
テスト内容 | バッテリー状況 |
---|---|
AOD表示オン(フロント):スタンバイ状態で10時間 | 100%⇒89% |
AOD表示オフ:スタンバイ状態で10時間 | 100%⇒93% |
明るさオートでYoutubeスポーツ2時間(720p) | 100%⇒78% |
フォートナイト、パーティーロイヤル1時間エモート |
100%⇒79% |
YouTube推移
(同時記録ではなくそれぞれ購入直後の推移。気温差などで同条件ではないものの、バッテリー劣化する前の結果として比較の参考にしてください。)
1時間 | 2時間 | 3時間 | 4時間 | 5時間 | |
Galaxy Z Flip3 | 87% | 78% | 70% | 60% | 51% |
AQUOS R6 | 92% | 84% | 78% | 72% | 64% |
Xperia 5Ⅱ | 95% | 89% | 83% | 78% | 72% |
iPhone 11 Pro | 99% | 91% | 86% | 79% | 71% |
iPhone SE | 89% | 76% | 63% | 50% | 26% |
Xperia 1Ⅱ | 93% | 80% | 76% | 71% | 62% |
Redmi Note 9S | 96% | 92% | 88% | 82% | 76% |
Pixel 4a | 92% | 82% | 76% | 71% | 62% |
Mi 10 Lite 5G | 96% | 92% | 87% | 83% | 78% |
テストはすべて画面のリフレッシュレートが60Hzの状態で行っています。
スタンバイ状態でも結構しっかり減っているのは問題ですし、AODをオンにしておくと小さめなフロントディスプレイでも電力消費はしてしまうため、長時間放置しておくと思わぬバッテリーの減り方といったものに直面するかもしれません。
YouTubeでの消費具合も最近のスマホの中では激しいものに。ここ最近ミドルレンジの中華スマホの電池持ちの良さというのに慣れてしまった身には、かなり消費スピードが早く感じますし実際に他のスマホと比べても1段落ちるバッテリー性能ではあります。
一応ディスプレイの性質上ヘビーゲーマー向けのスマホではないために、電池消費の激しい利用の仕方をする人は多くないと思いますが、コンテンツ受容中心の使い方だと毎日の充電というのは必須となってくるでしょう。
このバッテリー性能といったところはGalaxy Z Flip3のデメリットと言える最たる部分となるはずです。
発熱
Antutu連続起動 | バッテリー温度 | CPU温度 |
---|---|---|
1回目 | 31℃ | 44.1℃ |
2回目 | 34.5℃ | 46.9℃ |
3回目 | 36.4℃ | 48.5℃ |
(同じ環境下:9月の気温(26℃ぐらい、エアコンなしでの設定)で比較)
比較機種/同一環境下 | 1回目 | 2回目 | 3回目 |
---|---|---|---|
Galaxy Z Flip3 | 31℃/44.1℃ | 34.5℃/46.9℃ | 36.4℃/48.5℃ |
AQUOS R6 |
29℃/56.4℃ | 41℃/56.4℃ | 41℃/57.8℃ |
Galaxy Z Fold2 | 30.1℃/42.5℃ | 33℃/46.6℃ | 34.1℃/50.1℃ |
Snapdragon 888を搭載しているということもあり、発熱は高くなりがちです。
ただ他のスマホと異なる点としては、発熱が画面上部のみに集中して画面下部にはいかないという点です。
折りたたみ部を境に上下に分かれているのがGalaxy Z Flip3となっており、その影響によってSoCの熱が画面上部の範囲でしか広がりません。
これによって画面下部の範囲を触っていれば熱が気になりませんし、発熱によるバッテリーへの影響といったところも画面下部側は大きな問題になりにくいことが予想されます。
スマホ全体が熱くならないために、そこまでストレスを感じることが少なく、バッテリーへの負荷も画面下部側は心配がいりません。ただ排熱・放熱性能といったところは高くなく、発熱を起こしている作業を中断しない限りは熱を持ち続けてしまう弱さがあるのは確かです。
カメラ性能
Galaxy Z Flip3 | |
広角 | 1200万画素 |
超広角 | 1200万画素 |
インカメラ | 1000万画素 |
8K動画撮影対応 | ─ |
4K動画撮影対応 | 30fps/60fps |
フルHD(1080p)撮影モード対応 | 30fps/60fps |
ナイトモード | ○ | スローモーション | 〇 |
背景ぼかし | ○ | パノラマ | 〇 |
プロモード | 〇 | Googleレンズ | ○ |
AI撮影切り替え | 〇 | ドキュメントスキャン | 〇 |
マクロモード | × | タイムラプス | 〇 |
AR対応 | 〇 | 連写対応 | ○ |
サイトのファイル容量の関係上、写真については圧縮したファイルを載せています。
その影響で場合によっては細かいディテールが潰れてしまっている可能性もありますが、全体的な雰囲気や発色具合の参考にはなるかと思うのでご了承ください。
明るい場面での撮影に関してはGalaxyらしく彩度が強め。
高額なスマホのカメラとしてはちょっと発色がキツすぎる印象があり、色鮮やかすぎる印象はあります。
もう少し落ち着いた色の方が自然なものになり、同程度の金額のハイエンドモデルが自然さをカメラにおいて重視してきた中では、ちょっと「格安機」っぽい色付けになっていて好みは分かれそうです。
広角と超広角で色合いや明るさが変わらない点は評価できるでしょうか。
超広角レンズだと暗くなってしまう写真が撮れてしまうスマホも多いですが、この辺りはレンズを切り替えても同じような発色を維持しています。
上の暗い中での写真はどれも「ナイトモード」での撮影。
2秒~7秒ほど撮影時間はかかりますが、空の色といったところも出せた上、かなりはっきりと暗い部分も描写しています。
ダイナミックレンジが広く、尚且つ発色もおかしくないため、カメラモジュールの小ささといったところを考えると非常に優秀な写真が撮れているかと思います。
明るすぎる感じは多少ありますが、以下の通常撮影時と比べるとナイトモードでの写真の方が美しさは間違いなくあるため、こちらはかなり良いカメラ性能と言えそうです。
こちらを見るとナイトモードの方の見た目の良さがあり、多少の明るすぎる点や色が濃いというところも気になっては来ないでしょう。
Galaxy Z Flip3レビュー
カッコよさを兼ね備えた可愛さはGalaxy Z Flip3の特権
繰り返しの話題になってしまいますが、Galaxy Z Flip3の最大の特徴はその見た目。
スマホとしてだけでなくちょっとした「小物」として見たときも折りたたんだ時のサイズ感やデザインといったところがカワイイものになっており、なおかつカッコよさといったところも兼ね備えており性別を問わず所有欲を満たしてくれる特徴的なデザインがあります。
折りたたみというギミック、そしてフロントディスプレイのカスタイマイズ性といったところもカッコよさ・可愛さといったところを押し上げてくれる要素になっており、過去モデルと比較してもデザインの洗練のされ方が大きく向上しています。
またケース類もまだ種類は豊富とまではいかないものの、それでもオシャレなものが用意されておりこちらを使ってまた「個性的な見た目のスマホ」といったものを作り出せるのも魅力の一つです。
スマホをスマホとしてだけでなく、個性を出すアイテムの一つとして考えていくのであれば、このGalaxy Z Flip3は目を惹く存在になっているのは確かです。
フロントディスプレイの使い方が面白く、ここの表示でさらにオシャレで可愛さが増す
スマホとしての見た目だけでもカッコよくて可愛いものに仕上がっていますが、それをさらに押し上げてくれるのがフロントディスプレイの存在です。
こちらは実用性・機能性を高くしてくれる上に表示する画像でもオシャレなワンポイントとしても機能するものになっています。
利用できる機能としては
- AOD(Always On Display)の表示
- プリセットの画像表示や任意の画像表示を最大15セット
- 5秒前後のgif動画の表示
- タイマーやスケジュール、天気予報に音楽プレイヤーなどの確認
- LINEやメールなどのアプリ通知の確認
- 自撮り向けのカメラ操作(写真・動画、広角・超広角が設定可能)
というものです。
数インチのフロントディスプレイ内において、結構な便利機能を利用できるようになっているため、こちらはかなり利便性が高いものになっておりGalaxy Z Flip3の使い勝手を良くしてくれます。
メイン画面を開かずにLINEやメールのタイトルや送り主をチェックでき、時間や天気なんかもスマホを小さく畳んだまま確認ができるために本当に便利なものになっています。
また自分の選んだ画像の表示もできるため個性を表現できるポイントにもなっていて、よりGalaxy Z Flip3をオシャレに可愛く着飾ることが可能な機能にもなっています。
gif画像も設定できるため、短い動画の表示も可能になっているのは面白くて色々といじりたくなります。
ギャラリー系のアプリには動画から5秒、10秒のgif画像切り出しが可能なアプリもあるため、そちらを使って自分だけの画像・動画をGalaxy Z Flip3のフロントディスプレイに映し出す、という使い方が出来ます。
他にもYouTube Premiumに加入していれば音楽プレイヤー表示をYouTubeのバックグラウンド再生でも出せますし、Galaxy Budsの接続状況なんかも表示させることが出来ます。
画面を開かずにスマホ全般の操作をする、といったところまでの万能感はないものの、LINEの通知や音楽プレイヤーの簡単な操作などは折りたたんだままに行えるため、実用的な利用が可能となっています。
こうした実用性とオシャレな表示が可能な遊び心もたっぷりと用意されているのがこのGalaxy Z Flip3のフロントディスプレイとなっているため、この小さな表示領域を色々と触っているだけでも所有欲といったところが満たされます。
アスペクト比22:9の比率はXperiaを超える縦長画面
実用性といったところに目を向けるとGalaxy Z Flip3はアスペクト比が縦長になっている点がポイントとなるでしょう。
画面が縦長のスマホと言えばXperiaシリーズが挙げられますが、こちらが21:9というアスペクト比なのに対してGalaxy Z Flip3は22:9というさらに縦長なディスプレイを実現しています。
最近のXperiaユーザーを中心に「縦長画面」の方がスマホ向けサイトが使いやすい、と感じる人も多いかと思いますが、このGalaxy Z Flip3はその縦長感をさらに強めた特徴的な機種になっています。
縦長画面のメリットとしては以下の使い方が当てはまります。
- ニュースサイトやTwitterなんかの情報量が1画面により多く表示され、どのようなことが書いてあるかを一目で掴みやすい
- 2画面表示した時に縦の表示に余裕があり見やすい
といったメリットがあり、特にスマホ向けの縦スクロールのサイトが閲覧しやすくなって情報収集がしやすくなるのが一番の利点でしょうか。
スマホをインプット向けの機器として活用しているユーザーほど、利点を得られるものになっています。
Xperiaの縦長画面によってこれらのメリットを実感した人にとって、今回のGalaxy Z Flip3はさらに縦長のアスペクト比を見せるということで魅力的に感じられるかと思います。
デメリットとしては動画のアスペクト比からは離れるために、黒帯が出て若干小さく動画が表示されてしまうという問題がありますが、Galaxy Z Flip3は6.7インチの大画面となっているので多少表示が小さくなっても問題ないレベルです。
むしろ最近のYouTubeのアプデによってコメント欄が画面横に配置されるようになったため、こちらの表示との相性が良く、動画を大画面で見ながらチャット欄やコメント欄を確認することができるようになり、この表示は普通に快適でメリットにもなっています。
その他の音響面の性能も良いため、黒帯こそ出てしまいますが動画視聴には結構優れたスマホでもあります。
「折って使う」ことを想定したオリジナルなアプリモードが便利、スマホスタンドと組み合わせるとこれまでと違った見やすさも
Galaxy Z Flip3はその特質上、折った状態をキープしてスマホを操作することができ、少し画面に角度をつけて見る・使うことが可能です。
そしてGalaxy Z Flip3ではこうした使い方がされることを想定して、一部のアプリが「折りたたんだ状態に適した表示」になってより見やすくて扱いやすいものになります。
YouTubeは折った時に動画とコメント欄・関連動画表示がセパレートされますし、
ギャラリーアプリでは画像表示とタッチパネルを分割させて画像側の画面を触らずにズームや移動ができます。
カメラではシャッターボタンを中心に各種機能・ボタンとライブビュー画面が別れます。
どれも折った状態での利用に適したものになっており、これまでのスマホの使い方とはまた異なる「折りたたみスマホ」の良さを活かしたチューニングがされています。
またスマホスタンドと組み合わせて折ることによって、今までのスマホにはなかった見やすさを実現することができます。
絶妙な角度で操作することができ、画面も反射のない角度に調整することができて机の上での操作や仕事中のキーボード脇に置いておくのに最適な形状にすることができます。
地味にこの状態は視認性の良さや顔認証の速さなどが快適さを見せてくれ、Galaxy Z Flip3を使っていく上で満足度の高い使い方の一つになるかと思います。
バッテリー性能の低さは致命的になり得る
Galaxy Z Flip3のデメリット、その中でも最も影響が大きいのはバッテリー性能でしょう。
極端に悪いわけではなく、使い方次第では1日余裕を持って使えるものの、
動画コンテンツやゲームなど割とヘビーユーザー気味にスマホを使う場合には正直心許ないバッテリー容量かつ実際の消費量となってしまっています。
検証結果は先ほどの部分に記載していますが、5時間の動画視聴でバッテリー容量がほぼ半分になってしまうのはまず他のスマホには見られないレベルで、このバッテリー性能で14万円前後というのはちょっと見合ってないと感じるところでもあります。
今回の検証・レビューは60Hzで行っているわけですが、それでもこの電力消費というのは厳しさを感じてしまいます。
120Hz駆動も設定から行えるものの、正直そちらでの通常運用は行わない方がいいでしょうか。あるいは数ヶ月使ってみて自分の使い方でバッテリーがしっかり持つようなら、120Hz駆動に切り替えるという形が一つ安心できる運用方法でしょう。
ただどのような運用にしてもヘビーユーザーにはバッテリー性能は低いものと感じられてしまうので、この点はGalaxy Z Flip3の間違いなく弱点となります。
出先で動画を結構見る、暇な時にはスマホを触って色々と検索してる、という使い方だと寝る前に15%以下のバッテリーになってしまっている可能性が高いです。
画面中央の折り目は暗い場面でよく目立ち、大分気にならなくなったFoldとは対照的
Galaxy Z Fold2のような他の折りたたみスマホでは折りたたみ部分のシワというのがあまり気にならず、今回のGalaxy Z Flip3でも大して目立たないであろうと思って買ったのですが、
これがGalaxy Z Flip3だと予想以上にシワの存在が目についた上に、操作をしていてもそのデコボコさというのが感じられてしまいます。
開いた時に触ってると段差がはっきりとわかりますし、暗めの画面描写の時や光の当たる角度によってはシワの存在がはっきりと認識できてしまいます。
特に段差があるという点、それから折り目の強度への不安感といったところから、正直ゲームなどの画面タッチを頻繁に行うアプリを利用するのには向いていないと感じられます。
違和感は間違いなくありますし、ちょっと力を入れてタップしてしまった時に内部のヒンジなどにダメージを与えかねないため、激しいタッチが必要とされる用途には利用しないでおきたいところです。
フォルダブルスマホのこの折り目、というのはGalaxy Z Foldシリーズであまり気にならなかったためにネガティブなポイントには考えていなかったのですが、Galaxy Z Flipシリーズだとまだこの部分は気になってくるポイントになってしまっています。
所有欲を満たしてくれるデザインとギミックを持ち、フロントディスプレイの着せ替えも楽しいスマホ。ただしバッテリーに関しては使いにくさが間違いなくある
Galaxy Z Flip3は所有欲を存分に満たしてくれるその個性が楽しく、買ってよかったと思っているスマホです。
折りたたみというギミックだけでも楽しいですし、その見た目の可愛さ・カッコ良さといったところは他のスマホにはまず見られない要素なので「特別感」といったものが強いです。
また公式中心にケース類でまた違った個性を表現できますし、フロントディスプレイが巨大化したことによって通知や時間の確認だけでなく、画像やGIF動画といったところも表示できるのも楽しさを増してくれます。
最大で15枚を設定して置けるので、気分に合わせて画像を選ぶ楽しさやそれを表示させる楽しさといったところはやはり他のスマホにはない魅力です。
「可愛さ・カッコ良さ」といった部分においてこれだけでも他のスマホでは実現し得ない要素を持っており、一つのファッションアイテム的にも活かせるスマホです。
持っているだけで結構ポジティブで楽しい気持ちにさせられるスマホなので、折りたたみスマホだからと言って買って後悔することはないでしょう。
性能も高く、機能面ではついに防水対応で安心感が増した上に日本版はおサイフケータイにも対応することによって利便性も大きく増して「これ1台」で快適な運用を行えるようになっているのも「普段使いのスマホ」としては非常に優秀なものになっています。
ただしデメリットはかなりはっきりしており、ヘビーユーザー的に利用した場合の電池持ちの悪さは5インチ前後のコンパクトスマホ並のものになっており、動画などをバリバリ楽しむ人にとっては不便さを感じてしまうレベルです。
特に今回のGalaxy Z Flip3は動画視聴がしやすいギミックを持っているため、視聴前後に充電が必要になってくるこの電池持ちの悪さといったところは普段使いを行う上で不安要素ではあります。
また折り目を触った時に感じるでこぼこ感、それに光の反射具合ではしっかり目立つシワといったところもデメリット的な要素となるため、この辺りをどれだけ許容できるか・可愛さで許せるか、といったところがGalaxy Z Flip3を購入して使っていく上での大事なポイントになってくるでしょうか。
圧倒的な個性を持ったスマホではあるものの、その個性によって犠牲になっている点としてバッテリーや画面のシワといったものがあり、ここをどれだけ気にしない運用ができるかによってこのGalaxy Z Flip3の満足度は大きく変わってきてしまいます。
個人的にはおすすめしたいし他のスマホにはない満足度を得られたスマホとして評価しているのですが、1日の内に1台で色々と作業にスマホを活用する、という使い方だと不満が出てしまうのは確かなので、どれだけそこを許せるかというのはデザイン性と天秤にかけてよく考えてみてもらえればと思います。
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