Xperia 1Ⅱ(マークツー)の発表があったことで早速そちらへの買い替えを検討している方も多いと思いますが、今回はそのXperia 1Ⅱにも搭載(?)されている「21:9以上のアスペクト比を持つディスプレイの魅力・問題点」というものを語っていこうかなと思います。
Xperia 1Ⅱとその1世代前のXperiaのディスプレイは他のスマホにはない特徴として「縦長」という大きな特徴があります。
他のメーカーのスマホの多くが18:9前後または16:9のアスペクト比のディスプレイとなっているところ、Xperia 1Ⅱを中心とする最近のXperiaは21:9というアスペクト比の縦長ディスプレイを持っています。
この「縦長」のディスプレイについてまだ利用していない方だと、その比率にメリットがあるのかどうかや、使いづらいのではないかといった疑問があるかと思うので、その辺り自分が使ってみて感じた21:9以上の比率のディスプレイが持つメリットやデメリットといったところを今回はまとめてみようと思います。
個人的にはこの21:9比率の縦長ディスプレイは凄く使いやすく、Xperia 1Ⅱが気になっている人なんかにはこのディスプレイ比率を理由におすすめしたいぐらいにスマホが「縦長」であることが気に入っています。
一方で使い方によってはデメリットやクセが強いため、Xperia 1Ⅱあるいは21:9比率以上のディスプレイを搭載したスマホの購入を考える前に色々と問題になりそうなところを今回の記事で確認していければと思っています。
なお動画版も出しているのでこちらもよろしくお願いします!
21:9スマホと他のスマホの違い
まずは実際に21:9比率のスマホがどれほど縦長なのか、というところを他のスマホと比較してみることで感じ取ってみてもらえればと思います。
6.5インチ(Xperia 1やXperia 1Ⅱ)前後の比較
6.1インチ(Xperia 5)前後の比較
見るからに縦長になっているのがわかると思います。ほぼ同じインチ数でも21:9スマホの方が縦長で、横幅が狭くなっており違いがかなり強いです。
見た目からもわかるこのディスプレイ比率の違いによって、同じインチ数のスマホでも使っている感覚は大きく異なってきます。
その21:9比率のディスプレイの使い勝手の違いからくるメリット・デメリットをこれからまとめてそれぞれ説明していくつもりですが、まずはその概要がこちらです。
メリット
- インチ数では大きく感じるのに、実際には持ちやすい幅になっている
- 意外にポケットにすんなり入る細身なボディ
- 他の比率のスマホよりも1画面中の情報量が多い
デメリット
- 動画が画面の大きさの割に小さく表示されがち
- ゲームも同様
- 縦に長いため浅いポケットだとはみ出す
- 横幅は狭いが縦に長いので持ち方によっては上部に指が届かない
21:9比率のディスプレイのスマホには簡単にまとめてもこうしたかなり明確なメリット・デメリットが用意されています。
以下ではこれらのメリット・デメリットについて詳細な内容を説明していこうと思います。
21:9画面のメリット
まずは縦長ディスプレイの持つメリットから確認をしていきましょう。
画面の大きさの割に幅が狭くて持ちやすい
21:9ディスプレイのスマホは縦長のために、スペック上のディスプレイインチ数から受ける大きさのイメージよりも、持った時の体感はコンパクトさを感じます。
同じ画面インチ数でも縦にその割合が割かれているため、他の16:9や18:9といったアスペクト比のスマホと比べて「横幅が狭い」という特徴が生まれています。
大きめの印象の画面インチ数でも横幅が狭いために、使おうと持った時のグリップ感というのが他のスマホよりもしっかりしており、持ちやすさというのを本当に感じやすいものになっています。
大体70mmといった横幅が持ちやすさのベンチマークになるかと思いますが、21:9比のスマホは大画面でもこの持ちやすい横幅というのに近いサイズ感を実現しています。
端末 | 画面サイズ | 横幅 | |
---|---|---|---|
21:9以上 | Qin2 (22.5:9比) |
5.05インチ | 55.4mm |
Xperia 5 | 6.1インチ | 68mm | |
Xperia 1 | 6.5インチ | 72mm | |
その他 (18~:9) |
iPhone 11 | 6.1インチ | 75.7mm |
Galaxy S10+ | 6.4インチ | 74mm | |
iPhone XS Max | 6.5インチ | 77.4mm |
6.5インチのXperia 1でも72mmという十分許容範囲の横幅です。近いサイズ感のiPhone XS Maxと比べても幅は狭く実際に持ちやすいです。
6.1インチのXperia 5や5.05インチのQin2なんかになると70mmを下回る横幅となり、単純なグリップ感や持ちやすさといったところが気持ちの良いものになります。
大画面でも持ちやすいというのは21:9比ディスプレイにおいて確かなメリットと言えます。
幅が狭いのでポケットにも入りやすい
また持ちやすいだけじゃなく幅が狭いのでその大きさの割に意外と洋服やズボンのポケットにすぽっと入りやすいのも地味な特徴です。
ポケットの中でもギチギチになりにくいため、取り出しもしやすいのはこれまでの大画面スマホとは違うところです。
といってもこれはメリットでもある一方でデメリットもある特徴なのでその辺りは後述する内容と共に見てもらえればと思います。
表示される内容がとにかく多くなって1画面の情報量が増える
21:9比ディスプレイの素晴らしい所、使っていて本当に良さというのを実感するのは間違いなくこのポイントでしょう。
「何も難しい設定をしなくても1画面に表示される情報量が多い」
これは自分が21:9比のディスプレイを好んで使う理由の一つです。
こちらの画像を見てもらえればわかるように、21:9ディスプレイのスマホは同じWebサイトを見ていても表示される情報量というのが段違いに多いです。
どちらもデフォルトの設定(表示サイズ:中)でこの差が生まれており、最小表示にするとさらに情報量が多くなります。
この情報量の多さは普段毎日使っていく上で本当に便利で、何度もスクロールせずにパッと見で何が書かれているのか大体のことを把握することができるため、情報収集の効率が大きく上がります。
指を何度も動かさずに1画面をパッと見した時に大体の情報を把握しやすくなる、というのは本当に快適な体験です。
スマホ操作において情報収集や作業効率といったものを高めたい場合に、この表示範囲の広さといったところは21:9ディスプレイの実用的な部分であり大きなメリットになります。
一応この表示範囲についてはdpiの値を変えることで16:9や18:9のスマホでも情報量を増やすことが可能ではあるものの、開発者向けオプションを操作することになりますし表示にバグが発生してしまったりと正攻法にはなりません。
正攻法で情報量が多く表示されるという点においては21:9比のディスプレイの方が18:9や16:9のディスプレイよりも明らかに優れています。
このように21:9のアスペクト比を持つディスプレイのスマホは、
- グリップ感が強くて握りやすくて持ちやすい
- 1画面の表示範囲が広いため情報量が多くて情報収集や作業効率が上がる
というメリットを持っています。
「大画面なのに持ちやすくて情報収集がはかどる表示の多さ」というこれまでのスマホでは感じられなかった便利さというのが得られます。
特にTwitterなどのSNS、スマホ向けに最適化された縦スクロールのサイトやページを見る際に、従来のスマホでは体験できなかった情報の効率的な取得ができます。
21:9画面のデメリット
明確なメリットがある一方、21:9比率のディスプレイには同じく明確なデメリットも用意されてしまっているため、そちらについても確認が必要です。
特にゲームや動画で遊ぶというユーザーにはデメリットと感じられる部分があるため、そちらもここで触れていこうと思います。
数字上の画面の大きさはあるが、動画などアスペクト比が固定されているコンテンツは小さくなる
21:9ディスプレイの最大のデメリットが動画や電子書籍、それに一部のゲームアプリを中心とした「アスペクト比が決まっているコンテンツ」が画面のインチ数の割に小さく表示されてしまう、という問題があります。
これに関しては画像を見て貰えればと思います。
Xperia 5は6.1インチのスマホですが、動画やゲームといったところは同じサイズのiPhone 11よりも小さめに表示されてしまいます。
これは動画やゲームが16:9や18:9に近い比率で撮影・デザインされているためで、21:9の比率だと余白(黒いですけど)が出てしまうからです。
一応ここ最近はゲームでも正式に21:9の比率でも対応しているものがありますが、対応していると言っても上下を切って拡大しているだけのゲームアプリなんかもあるために、対応次第では他のスマホより表示される範囲が減ってしまう可能性もあります。
この辺りは個々のゲームによるのですが、予め確認をしておかないと結構後悔してしまうポイントになりかねません。
また電子書籍なんかだと6.1インチでも表示が結構小さくなってしまうので、そうしたコンテンツを中心に利用するユーザーにとっては強くデメリットを体感させられてしまうのが21:9比率の縦長ディスプレイの特徴です。
家ではタブレットで動画とかを見るよ、ということなら問題は少ないですが、スマホ1台で動画やゲームもするということであればこの仕様は本当に注意してもらいたいところです。
長く使うものになってくるために、この動画やゲームの表示が小さくなってしまうデメリットは21:9比率のスマホを選ぶ際にしっかりと考えて貰いたいものになっています。
ポケットには入りやすいが、頭が飛び出したり、曲げにくくなる
先ほどのメリットと一対になっている内容ですが、横幅狭いためにポケットにはすんなりと入れることができる一方で、縦幅が長いゆえのデメリットも生じます。
主な問題点としては、
- ポケットが浅いと頭が飛び出して不格好になる
- 出し入れしやすい分ちょっとポケットの向きを変えただけで落ちやすくもなる
- ズボンに入れると足を曲げるさいにぶつかって自転車などが漕ぎにくくなる
ポケットには入れやすいものの、縦長のため浅いポケットだと変に出っ張ってくるし重心も不安定になって落としてしすい、というデメリットもあります。
さらにズボンなんかにいれるとちょうど関節の辺りまでスマホが届いてしまい足を曲げにくくなるため、自転車を漕いだりとか正座とかがしにくくなります。
特に大画面のXperia 1でこのデメリットは生じやすく、今度のXperia 1Ⅱでも同様の問題があるものかと思われます。
縦長なので画面上部が操作しにくい
21:9比率のディスプレイは横幅が狭いのでグリップ感は強く、文字入力なんかもしやすいのですが、縦長となるために画面上部に指が届きにくいというデメリットがあります。
片手操作だとナビゲーションバーを下すのに結構指を伸ばす必要があり、なんならバランスの悪い持ち方をする必要があるために時に落としてしまいそうになります。
端末上部に操作項目が多いアプリやWebサイトなんかでは操作がし辛いだけでなく、落下についての注意が必要になってきます。
手の小さい方だと、持ちやすくはあるものの操作はし辛いという問題をはらみそうです。
まとめ:動画やゲームのデメリットには注意したいところだけど、SNSの見やすさを中心に情報収集には最適な比率
21:9のアスペクト比を持つディスプレイのスマホは、そのメリット・デメリットがはっきりしています。
まずデメリットとしては動画やゲーム、電子書籍などが小さく表示されてしまう、あるいは上下が切れた表示になってしまうという問題があります。
これらのコンテンツを利用しない、というユーザーの方が少数派となってくるかと思われるため、この表示が小さくて迫力不足になってしまうというデメリットは21:9ディスプレイのスマホを購入する際にはよく考える必要があります。
この比率は購入後には変えられないため本当によく考えて欲しいポイントです。YouTubeばかり見るという人だと、これまでよりも迫力の欠けた画面になってしまうかもしれません。
こうした明確なデメリットがある一方で、メリットも結構強烈なものが得られます。
21:9の比率だと縦長ゆえにSNSやスマホ向けに最適化されたサイトなどで、1画面中の情報量が増えること情報収集の効率化が図れます。
スマホで仕事なり趣味なりの情報を追う機会が多い方には、日々の情報収集というのが通常のスマホと比べても格段に快適な形で行えることになります。
個人的にこのメリットは本当に便利に使える部分となっていて、他のデメリットが霞むぐらいに21:9比率のディスプレイを気に入っているポイントです。
ただ動画の迫力不足なんかは結構影響が強いために、手放しでおすすめすることができるものではないのもまた確かです。自分的には本当は強くおすすめしたいのですが、個人個人の使い方によってかなり体感できる便利さや満足感というのが変わってくるのが21:9ディスプレイの特徴となっています。
Xperia 1ⅡやXperia 5の購入を検討している方も多いと思いますが、今回の21:9ディスプレイのメリット・デメリットといったところは、購入前にしっかりと確認をしてもらえればと思います。
似たようなことの繰り返しがありますが、関連する21:9ディスプレイスマホのレビュー記事はこちらです。
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なお『Qin 2』の紹介・ちょっとしたレビューとしてはYouTubeの方にあげてあるのでそちらも見て下さい。