ZenFone 3の国内発表・販売が間もなくということで話題になっていますが、今回はいち早く販売された海外モデルを購入したのでそちらのレビューを行いたいと思います。
購入から約3週間ほど経ちましたが、結論から言ってしまえばかなり満足度の高いスマホになっています。支払った価格以上に心地よいスマホ利用の体験が出来ているので、特にコストパフォーマンスの良さを求める方には必見のスマホとなっています。
以下気になった点を各所レビューしていくので、購入前の参考にしてもらえればと思います。
スペック
ZenFone 3は複数の種類がありますが、その内の最も安いRAM3GB/5.2インチモデルを購入したのでそちらのスペックをベースに解説していきます。
Android Ver | 6.0 |
---|---|
CPU | Snapdragon 625 |
RAM | 3GB/(4GBモデルあり) |
ROM | 32GB/(64GBモデルあり) |
ディスプレイサイズ | 5.2インチ(5.5モデルあり) 1920×1080フルHD |
重量 | 144g |
バッテリー | 2650mAh |
リアカメラ | 1300万画素 |
フロントカメラ | 800万画素 |
LTE Band | 1/2/3/5/7/8/18/19/26/28/38/39/40/41 |
SIM | micro-SIM+nano-SIM 3G+4G同時待ち受け |
センサー類 | 加速度/環境光/デジタルコンパス/指紋/ジャイロスコープ/ホールセンサ/赤外線/近接/RGBセンサー |
GPS | GPS/A-GPS/GLONASS/BeiDou |
micro SD | 最大200GBまで認識 |
ミドルハイレンジのスマホに使われるSnapdragon 625を使用。
RAMは3GBモデルと4GBモデルがあります。
フルHDで表示してくれるために特に画像や動画、それに文字が多めのコンテンツが綺麗で読みやすくなっています。
ディスプレイサイズも2種類のモデルがあります。
USBタイプCでの充電に対応。これまでのmicro USB(タイプB)では充電できません。
重量はあまりなく、持った時の軽さはかなりポジティブな印象をうけます。
外観・見た目
これまでのプラスチッキーな印象から前面にラウンド加工された2.5Dのガラスを使い、背面にもガラスを採用をして非常に高級感の感じる作りになっています。
個人的にこれまで発売されてきたZenFoneシリーズはそのプラスチッキーな背面の作りやフラットすぎる前面のパネルに対してかなり安っぽい印象を受けていて、デザイン面ではかなり嫌いなスマホになっていたのですが、ZenFone 3ではGalaxyとiPhoneのハイブリット感をうまく吸収しており、見た目的にもかなり高級感が増して今まで嫌っていたZenFoneシリーズに対して高い好印象を抱いています。
本体側にナビゲーションキーが配置されているために、ディスプレイ画面全体で情報を確認できるところも好印象です。この表示領域の広さがあるため、5.2インチモデルでも大画面でネットをすることができます。5.5インチモデルなら更に大画面ですが、個人的には5.2インチモデルが持ち易さと画面表示のバランスがかなり取れていると感じられるのでオススメです。
ナビキーについては全体が刻印されているので、一枚板のスマートさという点ではデザイン的にちょっと疑問がわくかもしれません。
でっぱたカメラはそのデザインよりも隙間が各所広いという点でちょっと問題です。カメラ回りは頻繁に見ておかないと繊維質の毛などがしょっちゅう詰まっています。詰まりやすい隙間が僅かとはいえ空いているので、定期的にみてゴミがないかを確認したほうが良いでしょう。
これまでの安っぽさが見事になくなっており、使っていても恥ずかしさのない大人びたスマートフォンに大きく進化していると言えるでしょう。
レビュー
動作について
具体的な使用感や性能面についてのレビューをしていきましょう。
まず基本的な動作の各種ですが、ほぼカクつくことなく利用できるために不満を感じることは少ないはずです。このレベルの基本動作にケチ付けている人がいたら相当ひねくれていると思います。
Snapdragon 625というミドルハイなCPUを利用していることで、高画質な動画、高負荷な3Dゲームで遊んでいても動きが悪くなることがまずありません。RAMも3GBのモデルを使っていますが、そちらのモデルで全く困らないほどに負荷に強いスマホという印象です。具体的なゲームとしてはゲーム界のベンチマークアプリことアイドルマスター シンデレラガールズを使っての確認です。
重くなる場面というのがほとんどみられないため、むしろ情報が欲しいぐらいです。それだけ高性能で安定した快適な動作が可能なスマホです。
タッチパネルの精度なども問題なく、タッチポイントとずれたり認識をしなくなるというような問題はありません。ただ本体側のナビキーの両サイドのタッチ判定が広めなため、時々持っている手の腹あたりで触れてしまい、意図しない動作がおこることがあります。
あまり気にしなくて良い内容ですが、手の大きさや形によっては使い方に注意が必要になるかもしれません。
指紋認証は爆速の反応。ただ背面なのでわざわざ手に持って使わないといけない点は面倒です。机の上で軽く情報を見たい時にも持ったりロック解除コードを入力しないといけないのはネガティブなポイントです。
文字入力のレスポンスも良好です。比較的廉価スマホだと重くなりがちなATOKを使っていてもフリック入力時や変換候補を探る時でもスムーズにヌルヌルとスクロールや入力が可能です。基本動作には本当に困ることの無い機種だと言えます。
発熱はあるか・バッテリー持ちは
発熱問題も気になる点かと思いますが、Snapdragon 625自体のチューニングが相当良いみたいで発熱は普段の操作ではほとんど感じられません。
アプリダウンロードの連続などによって発熱自体は発生しますが、それが危険に感じるレベルにはなりませんし(Snapdragon 810搭載の一部機種では危険を感じるレベルの発熱がありました)、遭遇する頻度としては高くないでしょう。
最新のSnapdragon 820端末やSIMフリースマホの対抗になりそうなFREETEL REIなどが高い発熱問題に悩まされている中では非常に安心して使えるスマホです。
ベンチマーク
ベンチマークは同価格帯の3機種で比較してみました。
Huawei P9 LiteとFREETEL REI、そしてZenFone 3です。
ZenFone 3のベンチマークスコアは62043。
意外とそこまでベンチマークスコアでは大きく差は広がっていません。1万ポイント差はHuawei P9 Liteとはあるものの、それがどの程度ユーザーが実感できる点になるのかというと難しいところになるでしょう。
輸入価格の33,000円前後という値段は相応というベンチマークスコアになるでしょう。
DSDS機能
このモデルは海外モデルであるため、4G+3GのDSDS(デュアルSIM デュアルスタンバイ)に対応しています。国内モデル版はこのDSDSに対応しているかは不明ですが、Moto 4G Plusが問題なく対応して販売されていることを考えると、海外モデルと同様にDSDSに対応しての販売になるでしょう。
DSDS機能はSIMスロットに2種類のSIMカードを一緒に入れられるだけでなく、その両方を待ち受け状態にすることが出来るというものです。片方を音声の待ち受けに設定して、もう片方を別のSIMのデータ通信で利用するという使い方が出来ます。
具体的な事業者名を出してその運用例を挙げると、通話定額でポイントも溜まって便利な楽天モバイルを音声側に待ち受けしながら、通信速度の高速さを得たいためにデータ通信側は別に契約したY!mobileのデータSIMプランを利用するといった運用や、片方を159円の通話定額プランのSoftBankの回線を利用しながら、もう片方をMVNOの中でも高品質な回線を提供してくれるmineoのデータ回線を契約するというやり方が可能な機能です。
関連記事はこちらから。
https://smaho-dictionary.net/2016/07/dual-stanby/
ZenFone 3ではそうした複数の事業者のSIM・契約を同時に使えるようになっているため、1台持ちでの運用がこれまで以上にしやすくなっています。
DSDS機能の存在は格安SIMの運用をより広く多彩なものにしてくれるものです。MVNO格安SIMでの運用を前提にSIMフリースマホを探している方にもメリットの高い機能を備えているため、ZenFone 3はかなり隙のないスマホになっています。
独自機能で便利だったもの
ZenFone 3には各種独自機能が搭載されています。
正直なところこの各種機能はどれも無駄に多すぎるものになっているために、実際自分でも使いこなせてはいないのですが、一応使っていて便利だった機能を紹介しておきましょう。
タブ展開のナビキー長押しでスクリーンショット撮影
タブ展開のナビキー(下段のホームキーの右にあるナビキー)を長押しすると、シャッター音がならない(少なくとも海外モデルでは)スクリーンショットを簡単に撮れるようになっています。
普通だと電源ボタンと音量キーなどを同時押ししないと撮れないスクリーンショットですが、ZenFone 3ならばもっと簡単な方法でそれを実行できます。
ホーム画面上で上下になぞると検索画面や設定画面に
地味に面白いと感じたのはホーム画面上で上下に軽く画面をなぞると、検索画面や各種設定画面へ飛べるというものです。
上になぞるとリアルタイムで増えている検索ワードを複数表示させ、アプリの履歴も出してくれる情報量多めの検索画面が。
下になぞると各種の設定画面をすぐに呼び出せます。
地味ながらも使いどころは多そうな独自機能です。
良いところ
この他個人的に特に良いと思ったところや悪いと思ったところを軽くまとめてみます。
デザインと軽さ
一番の良いところは最初の外観の所でも触れましたが、デザイン性がかなり向上した点です。
これまでのZenFone 2シリーズは本当に見た目がダサく、まるでバッテリーが膨らんでしまったかのような小太りな見た目で、触っていても背面と前面のプラスチックが安っぽい触り心地で使っていく上での満足度というものが低い、高級感とはかけ離れた存在でした。プラスチックボディ全体も傷付きやすく、使えば使うほど味の出るアルミボディ系のスマホとは異なり、使うほどに安っぽくボロくなってしまうという不満点がありました。
今回のZenFone 3は両面がガラスです。しかもただのガラスではなくiPhone 6以降爆発的に広がった2.5D or 3D加工されたゴリラガラスとなっており、触り心地はもちろんのこと見た目でも高級感を実現しています。側面回りも過去のZenFone 2シリーズにはない今どきの美しさとなっており、使っていても安っぽさを感じさせません。
このデザインの進化は個人的にZenFone 3の最大の良さかと感じます。これまで使う気が起きなかった野暮ったいデザインから今どきの形に進化したことで使う気にさせられます。
もう一つ良いところを挙げると軽さも馬鹿にできないメリットの一つかと思います。
同じ5インチ以上のスマホを複数持っていますが、その中でもZenFone 3は特段軽いです。
かなり取り回しはしやすく、持っていて手首への負担などを感じにくい素晴らしい軽さとなっています。
フォルムも背面サイド共に丸みがあるので持ちやすいため、その軽さをより活かしてくれています。
悪いところ
悪いところはベゼルが太すぎるところです。
上下は問題ないのですが左右はかなりベゼル幅があります。最近のスマホだとこの辺りなるべく薄くしてくるのがトレンドでしたが、ZenFone 3は結構余裕のあるベゼルとなっています。
誤タップが無いという意味ではこのベゼル幅の広さも悪くはないのですが、広い分だけスマホの幅も広がって持ちにくくなってしまいますから、もうちょっとこだわってほしかったポイントになります。
極端に悪いところということはないのですが、最近のスマホに慣れている方は違和感を感じると思います。
他に操作面で悪いところや特段良いところというのは正直目立たず、一般的な操作に十分に耐えうる性能とチューニングがなされているしっかりしたスマホとなっています。
ちょっとでも気になっているという方には普通にオススメ出来るスマホなのは間違いありません。
価格情報
以上がレビュー内容になります。次はこのZenFone 3の価格情報についてをまとめてみましょう。
国内価格
国内での公式販売はまだ実施されていません。予想としてはiPhone 7の少し前に日本販売が発表されるのではないかと呼ばれています。
海外版国内価格
海外版を国内への輸入という形で現在日本でもZenFone 3を購入できます。
これまで輸入スマホというとEXPANSYS(エクスパンシス)や1shopmobileが一般的でしたが、最近はAmazonのマーケットプレイスの業者も海外輸入転売事業の一つとしてスマートフォンを扱い始めており、非常に購入しやすい環境になってきました。
現在は円高ということもあって、ZenFone 3のRAM3GBモデルで31,000~35,000円での販売がされています。RAM4GBでも37,000円前後という販売価格で売られています。
為替相場によって価格は今後上がってしまう可能性もありますが、かなり購入しやすい価格になっているのは間違いないでしょう。
なおAmazonやEXPANSYSからの購入は最初から封が開けられている場合が多くなっています。理由としては初期不良における返品を避けるために、あらかじめ販売元のほうで動作確認をするためです。場合によっては言語設定してホーム画面まで進んでいる場合もあるため、気になる方はまずは初期化してからの再設定を行ったほうが良いでしょう。
コストパフォーマンスの良さ
ずばりこの価格はコストパフォーマンスが良いと言えるでしょう。
SIMフリースマホではもう少しスペックの落ちたHuawei P9 LiteやFREETEL REIといったスマホが27,000~29,000円ほどで売られているのを考えると、そこに1万円とまでもいかない数千円予算を足すだけでCPU性能もRAMの容量もディスプレイ解像度もグレードアップするZenFone 3を手に入れられるというのは、かなりのコストパフォーマンスの良さを感じさせます。
海外モデルといってもDSDSにも対応していますし周波数もdocomo系やY!mobile回線でも使えるようになっているので、使用において国内版と比べてもそん色のないものになるでしょう。国内版の販売価格がここまでの安さにはさすがにならないことが予想されるため、コストパフォーマンスが良いといえるのは恐らく海外モデルの輸入がベストになるでしょう。
安さを求めるなら海外版です。
まとめと運用の組み合わせ
現状海外モデルの輸入価格が3万円台前半という安さになっており、レビューで示したような非常に高性能かつ高い安定感をもったスマホであるため、SIMフリースマホとして扱うならば現状最もコストパフォーマンスが良いスマホになるでしょう。
これだけの性能、安定感、DSDSという機能性が含まれて3万円台前半は素直に買っておくべきです。これ以上の価格になるarrows M03と比べても性能面では上のZenFone 3ですから、多くの最新のアプリを使いがちなスマホユーザーにとってはこのスマホのほうが国内の知名度の高いSIMフリースマホよりも使い勝手は良いでしょう。
価格面で手に入りやすいにも関わらず、この高いスペックと実際の操作性の良さは本当に魅力的になっています。
運用の組み合わせとして望まれるのは高品質な回線でしょう。せっかくこれだけの性能がしっかりしたスマートフォンですから、高速な回線で使わないと勿体ないところがあります。
適した運用回線としては品質が高いY!mobileの回線が音声契約ではベストでしょう。今ならワンキュッパ割の影響で毎月2,000円ほどで利用できてしまいます。詳しいメリットは以下の記事で。
https://smaho-dictionary.net/2016/08/ymobile-sim-only/
データ回線だとこの後大幅な増強が見込まれるmineoのような回線を扱うと良いでしょう。普段からユーザー目線を持っているMVNOとしても信用が置けるため、あまり後悔をすることなく使える回線です。
この辺りの高品質な回線を使うことで、高性能なZenFone 3をより活かせると思うのでぜひ利用してみて下さい。
正直サイドのベゼル幅以外はかなり満足度の高いスマートフォンと感じるため、興味を少しでも持っていて予算の都合があうようならば購入を推奨したいスマートフォンです。