ようやくBIGLOBEモバイルからMi 11 Lite 5Gが販売されて購入できたので、注目されているこちらのスマホをレビューしていきたいと思います。
そのスペックの高さと価格の安さから発売直後からかなりの話題を振りまいていましたが、
その話題性の高さや評判の良さといったものが実際にどの程度の実力を持っているのか、というのを確認していきたいと思います。
すでに知っている方も多いと思いますが、一部のアプリ、というよりもゲームアプリ中心に動作のおかしさというのが見られるのでその辺りの詳細を確認していこうと思います。
Mi 11 Lite 5Gの良かった・悪かった点

良い所
- 軽くて手触りが良く触っていて気持ちよさが高くストレスが少ない
- ディスプレイも綺麗で90Hzのリフレッシュレート
- カメラも価格を考えれば優秀
- 機能面もしっかりと揃っており利便性も高い
悪い所
- ゲームアプリを中心にアプリ操作が性能の割に動きが大きく落ちる
- 発熱がしやすく、それによってカメラの停止なんかも短い撮影時間で見られる
- おサイフケータイ対応も、VISAタッチ決済とNFC決済が同時に利用できず切り替えなければいけない
発売日と価格
発売日は7月2日。
SIMフリーモデルと共にMVNOセットでの契約といったものが可能です。
MVNOの中でも特にセール価格として魅力的なのがOCNモバイルONEとBIGLOBEモバイルでしょう。
Mi 11 Lite 5G価格 | |
SIMフリーモデル | 43,200円 |
OCNモバイルONE | 20,000円 (期間限定SIM契約セット) |
BIGLOBEモバイル | 41,448円 (SIMセットで20,000Gポイント 実質21,448円) |
特にBIGLOBEモバイルは還元がポイントによって行われます。
こちらはGポイントでの還元となり、一見すると値引きのOCNモバイルONEよりもお得度が少なく感じられますが、2万ポイントをそのまま別のポイントに変えることができるために、うまく使えば投資に回して増やすことができたりポイント交換によって増量させて利用することもできるなど、値引き以上に価値のある契約を行うことができます。
詳しくは以下の記事にまとめてありますが、個人的にはBIGLOBEのセールで契約するのをおすすめしたいです。

SIMフリーモデルでは4万円、MVNOセットでは約2万円かつ音声SIMでも月額770円からと安いため、コストパフォーマンスといったところにおいては群を抜いた存在感を見せるのがこのMi 11 Lite 5Gです。
Mi 11 Lite 5Gのスペック

Mi 11 Lite 5G | |
OS | MIUI12(Android 11) |
SoC | Snapdragon 780G |
ディスプレイ | 6.55インチ/有機EL |
RAM | 6GB |
ROM | 128GB |
アウトカメラ | 6400万+800万+500万 |
インカメラ | 2000万 |
サイズ | 160×75×6.8㎜ |
重量 | 159g |
バッテリー | 4250mAh |
その他 | デュアルSIM |
対応周波数
- 5G NR:n1/n3/n5/n7/n8/n20/n28/n38/n40/n41/n77/n78/n66
- LTE FDD:1/2/3/4/5/7/8/12/13/17/18/19/20/26/28/32/66
- LTE TDD:38/40/41
各種搭載機能
ナビゲーションキー配置 |
左:履歴 中央:ホーム 右:戻る (設定で変更可能:ジェスチャー操作) |
---|---|
SDカード対応 | 最大1TB |
指紋認証・顔認証対応 | ○/〇 |
バッテリーセーバー機能 | 〇(アプリ通知などに影響があるため、購入後自分好みに設定することが望まれる) |
リフレッシュレート変更機能 | 〇(60Hz/90Hz) |
ゲーミングモード | ゲームターボ |
その他 | MIUI独自機能利用可、防水・防塵、おサイフケータイ、デュアルスピーカー |
Snapdragon 780Gを搭載したミドルレンジモデル、とは言えないぐらいにしっかりとしたスペックを持ったスマホです。
Xiaomi機ではRedmi Note 9T以来2台目、SIMフリーモデルとしては初となる防水・防塵におサイフケータイといった日本向け機能を搭載し高性能モデルということで、このスペックだけでも買っていいレベルになっています。
これまでは防水なし・おサイフなしだけど高性能、といったところがXiaomiスマホの特徴となっていましたが、いよいよそうした機能を揃えてきて隙のないスマホへと進化してきています。
その他機能面ではMIUI各種機能が使えるのはもちろん、有機ELで90Hzのリフレッシュレート駆動も可能となっており、同じ2万円ほどの価格で売られる高コスパスマホであるOPPOのReno5 Aよりもさらにスペックにおいては充実させてきているのがわかります。
また単純に薄くて軽いといったところもスペックとしては魅力的な部分です。
6.5インチを超えるモデルとしては驚かされる軽さを実現しており、『羽のように軽いデザイン』と自称するのも納得の出来栄えとなっています。
Mi 11 Lite 5G各種基本性能
Antutu/3DMarkなどのベンチマークスコア
まず性能面をベンチマークアプリで確認をしていきましょう。
性能に関するベンチマークについては最もポピュラーなAntutu Benchmarkアプリを利用し確認していきます。
こちらの数値を他のモデルと比較していくことで、Mi 11 Lite 5Gの実力がどの程度あるかというのを確かめてみます。
基本的に数値としては25万点を超えるようになると普通の使い方なら体感での差は少なくなり、ゲームなど一部の重いアプリの挙動に差が見えるのみになってきます。

Ver9.0.10-B | Mi 11 Lite 5G | Reno5 A | Mi 10 Lite 5G | Redmi Note 10 Pro |
---|---|---|---|---|
総合スコア | 512451 | 373541 | 376886 | 290697 |
CPU | 156922 | 109552 | 110782 | 75706 |
GPU | 163568 | 101275 | 100197 | 90178 |
MEM | 81482 | 71235 | 70539 | 46807 |
UX | 110479 | 91479 | 95368 | 78006 |

ベンチスコアは2万円台で買えるスマホとしては驚異の50万点超えに。
このスコアの高さだけでもその性能に対しての安心感といったものは強いはずです。
一応発熱がしやすいということもあり、3回連続でAntutuを回した時にスコアが下がり性能低下は見られるものの、そこまで大きなスコア低下ではないので影響は少ないはずです。
単純なベンチスコアといったところでは褒められるのは確かです。
ただしMIUIの独自バージョンが影響していると言われている、『一部のアプリで動作がおかしくなる』問題というのが発生しており、特にゲームアプリにおいてこのベンチマークスコア通りの実力が出せないものになっています。
この点は非常に注意が必要で、Mi 11 Lite 5Gにおいては今回の高いベンチスコアが参考にならないものになっています。
ゲーミング性能
ベンチマークスコアの高さを見ると期待されるのがゲーミングスマホとしての役割を果たせる、といったポイントになるかと思いますが、ゲーミングスマホとしては全くの不向きなスマホになっています。
その理由は一部アプリにおいて期待される性能と比べて動きが悪すぎるから、です。
Mi 11 Lite 5Gは何が原因かわかりませんが(有力なのはおサイフ搭載の独自のMIUIという説)、一部のゲームアプリにおいて性能の高さとはかけ離れた動きの悪さというものを見せてしまっています。
性能面で劣るはずのSnapdragon 765Gや730GといったSoCを搭載したスマホと比べても、動きの悪さが目立つものになっているゲームが出てきていますし、一部では全く遊べないレベルの動作の悪さというのが見られており、ゲームに遊ぶのに適していないスマホになっています。
具体的な動作に関しては動画の方で撮影してあるので見てもらおうと思いますが、動作のおかしなゲームアプリとしては少ない検証数でも以下のようなゲームが当てはまります。
原神:現状のMIUI 12.5.2ではまともに動作しません。起動直後から相当に重い動作を連発し、酷いときにはほぼフリーズしているような状態になってしまいます。
まるで10年前のスマホで操作をしているような動きの重さ・鈍さで、明らかに不具合といったものが実感できるレベルとなっています。
メニュー画面で設定を変えてみようと思っても、それすらも開くのに10秒近くかかってしまうことがあるなど不安定さが酷いものになっています。
少なくともこのMIUIバージョンのMi 11 Lite 5Gでは原神を快適に遊ぶどころか起動させることすらも困難なものと言えそうです。

フォートナイト:こちらは原神よりもしっかりと動き、異常なほどに重たいということもないのですが、Snapdragon 765Gと比べてもカクつきが増えるという本来の性能を考えればありえないであろう動作というのが見られます。
Snapdragon 765Gだとこのフォートナイトでもカクつきはあるものの結構耐えてくれるのですが、Snapdragon 780G搭載のMi 11 Lite 5Gでは本来の性能差を考えるとそれが感じられないレベルでカクつきが頻発している状態です。
原神のようにもはや遊べないレベルではありませんが、カクつきが多くストレスの少ない快適さといったところとは無縁なものになっています。
パズドラ:パズドラのような軽いゲームアプリであっても、現状のMi 11 Lite 5Gでは動きのなめらかさといったものが感じられないものになっています。
ここまでの性能がなくてもサクサク度が高くなりやすいパズドラレベルでも、結構な引っ掛かりを見せてしまっておりゲーム周りのチューニングがしっかりなされていないのを感じます。
ハイスコアやシビアな操作が必要な場面ではこの操作性の快適度の低さはMi 11 Lite 5Gの弱い部分と言えるのは間違いないです。

プロジェクト・セカイ/D4DJ:どちらも音ゲーなわけですが、高難易度でプレイした時に急激にライブ中の動作がガクガクになってしまいまともに動かなくなってしまいます。
シビアなタイミングが要求されるゲームかつ同ジャンルのゲームで同じような問題が発生しているため、音ゲーをプレイするスマホとしては不適格と言えそうです。
文章では伝わりにくいので実際の動画を見てもらった方がわかりやすいでしょう。
そこまで多くのゲームを調べていないものの、それでもこれだけのタイトルがベンチスコアの高さを考えると納得することのできない動作の重さ、というのを見せており、正直なところ期待外れ感というのは非常に強いです。
2万円台でゲームもかなり余裕で扱えるスマホ、といったところをスペック面だけを見れば考えられたのですが、実際の動作といったところはそれを満たしてくれない残念なものになっています。
現状この動作の問題点というのは解消法が見つかっていないために、根本的なアップデートでの対応で改善されることを願うしかありません。
ゲーミング設定
一応ゲーミング設定では『ゲームターボ』といったXiaomiスマホ独自のゲーミングモードを利用できます。
機能としては以下のようなものがあります。

- パフォーマンスモード
- メモリ開放
- 明るさ自動変更やジェスチャー操作の制御
- タッチレスポンスの精度調整
- 連続タップの感度調整
- 手のひらが当たりやすい箇所のタッチ耐性エリアの調整
- コントラスト調整による暗部表現の調整
- 通知の制御
- 画面録画機能
ただこのような機能があると言ってもゲームで不具合が出るものが多いため、この設定モードを活用していく使い方というのはできないでしょう。
今後ゲーム動作が改善すれば機能としての魅力は上がるかもしれませんが、現状では機能を活用する前の段階で不具合があるために意味のないものになっています。
バッテリー性能
テスト内容 | バッテリー状況 |
---|---|
AOD・アンビエント表示オン:スタンバイ状態で10時間 | ━ |
AOD表示オフ:スタンバイ状態で10時間 | 100%⇒92% |
明るさオートでYoutubeスポーツ2時間(720p) | 100%⇒90% |
フォートナイト、パーティーロイヤル1時間エモート |
100%⇒83% |
YouTube推移
(同時記録ではなくそれぞれ購入直後の推移。気温差などで同条件ではないものの、バッテリー劣化する前の結果として比較の参考にしてください。)
1時間 | 2時間 | 3時間 | 4時間 | 5時間 | |
Mi 11 Lite 5G | 95% | 90% | 85% | 80% | 75% |
OPPO Reno5 A | 94% | 89% | 83% | 78% | 72% |
Rakuten Hand | 92% | 84% | 79% | 74% | 68% |
Redmi Note 9T | 96% | 91% | 85% | 80% | 74% |
iPhone SE | 89% | 76% | 63% | 50% | 26% |
AQUOS sense4 lite | 98% | 95% | 92% | 89% | 85% |
Redmi Note 9S | 96% | 92% | 88% | 82% | 76% |
Pixel 4a | 92% | 82% | 76% | 71% | 62% |
Mi 10 Lite 5G | 96% | 92% | 87% | 83% | 78% |
バッテリー性能はそこまで高くはありません。
後述する発熱のしやすさ、そしてそもそもSoCがあまり省電力なモデルでないこともあってか、目を見張るようなものではありません。
バッテリー容量から期待される電池持ち、といったところは実現できてはいないでしょうか。
特に待機状態で減りやすいのはこれまでのXiaomi機と比較して見劣りする部分でしょうか。待機状態での減り方が早めなので毎日の充電は必須です。
ただし159gのスマホとしてみた時には日常使いにおいては十分なバッテリー性能であると評価することもできます。
同価格帯のスマホ全体と比較するとそこまで電池持ちは期待ほどではないものの、軽量スマホとして単体で見ると平均以上は用意されていると言えるでしょう。
性質的にゲームで電池を消費することが少なくなるため、このバッテリー性能であれば1日耐えられるので普段使いにはそこまで問題はないはずです。
発熱
Antutu連続起動 | バッテリー温度 | CPU温度 |
---|---|---|
1回目 | 38℃ | 49.9℃ |
2回目 | 41℃ | 53.5℃ |
3回目 | 44℃ | 56.9℃ |
(同じ環境下:7月の気温(32℃ぐらい、エアコンありでの設定)で比較)
比較機種/同一環境下 | 1回目 | 2回目 | 3回目 |
---|---|---|---|
Mi 11 Lite 5G | 38℃/49.9℃ | 41℃/53.5℃ | 44℃/56.9℃ |
Mi 10 Lite 5G |
38.2℃/41℃ | 40.9℃/46℃ | 42.7℃/45℃ |
OPPO Reno5 A | 36.7℃/39.8℃ | 39.6℃/43.7℃ | 42℃/43.4℃ |
発熱は高めです。
薄くて放熱性が高くなく、そもそも発熱しやすいSoCを搭載しているということもあり、他のスマホと比べても1段熱を高く持ちやすくなっています。
これによって性能が多少は落ちますが、普段の操作でそこまで目立って動作が落ちることはないために性能面に関しての悪影響といったところは限定的です。
まともに動いているゲームの場合でも、この発熱で動作が落ちることがあるのでそちらにおいては注意が必要ではありますが、そもそもゲーム向けではない状態のためにそこまで気にするところでもないでしょうか。
ただ電池持ちは若干影響を受けている印象があるため、やはり発熱はなるべく起こさずに使いたいところです。
Mi 11 Lite 5Gのカメラ性能

Mi 11 Lite 5G | |
広角/超広角/マクロ |
6400万画素 800万画素 500万画素 |
インカメラ | 2000万画素 |
8K動画撮影対応 | ─ |
4K動画撮影対応 | 30fps |
フルHD(1080p)撮影モード対応 | 30fps/60fps |
夜景モード | ○ | 長時間露光 | 〇 |
ポートレート | ○ | デュアルビデオ | 〇 |
プロモード | 〇 | Googleレンズ | ○ |
AI撮影切り替え | 自動 | ドキュメントスキャン | 〇 |
マクロモード | 〇 | タイムラプス | 〇 |
AR対応 | × | 連写対応 | ○ |
カメラ性能についても見ていきます。
それぞれの写真はサイトの容量の都合上、ファイルを圧縮しているため雰囲気を感じてもらえればと思います。
発色は結構はっきりとしたものに。
白飛び耐性も強く、見た目の良さといったところは4万円または2万円のスマホのカメラとして考えたらかなり満足度は高め。
ズーム性能も解像度は高めではあるため、低価格ながら色々な場面での撮影に対応できます。
暗所性能は特に超広角側が弱いものになっており、夜景モードでの撮影によってようやく見られるレベルになるでしょうか。
夜景モードではある程度の光源が用意されていれば結構しっかりと撮影されています。これなら価格帯を考えれば優秀と言えます。
標準レンズの暗所性能は比較的良いために、超広角で暗い場面を映すことがなければ結構満足度の高い仕上がりになっています。
Mi 11 Lite 5Gレビュー
ゲームアプリを中心に不具合レベルの挙動。最適化問題とは異なる独自の問題が発生

既にゲーミング性能のところでも触れた通り、Mi 11 Lite 5Gは当初期待されていたゲーム向けのスマホとしては深刻なレベルで不向きなものになっています。
2021年7月時点のバージョンでは、パズドラや原神といったゲームアプリの中でも主要なアプリや、フォートナイトなんかがカクついてしまったりそもそもまともな挙動ができなかったりと、問題が非常に大きくてゲームを遊ぶのに安心感が全くありません。
スペックやベンチスコアは非常によく、その数値に見合う動作を通常の操作では見せてくれているものの、ゲームアプリでは一部、とは言えないぐらいにメジャーなゲームアプリにおいて不具合級の動作の重さといったものが見られており、使いにくいを通り越して「遊べない」ものになっています。
普段使いにおける快適さ、といったところは最近のミドルレンジスマホは結構満足度の高い動作を見せるものが増えたため、今後はゲーム操作においてもより快適な動きを見せるスマホの登場というのが望まれ、このMi 11 Lite 5Gはその期待を一身に背負う存在だったはずですが、残念ながらそのゲーム向けにも余裕を持ったミドルレンジスマホ、としての役割は現状果たせそうにありません。
この問題の原因は不明です。
ゲームアプリ側のSoC最適化問題、といったものがRedmi Note 9Tではありましたが、今回はSnapdragonということとデレステのような最適化問題が発生するとすぐに画質が悪くなるようなゲームでその問題も発生していないため、アプリがSoCに対応していないということでもなさそうです。
海外モデルのMi 11 Lite 5Gだと問題なくゲームも動くという報告もされており、現状ではこの動作周りの問題はFelica・おサイフケータイ対応の独自のMIUIが影響しているという説が有力です。
一部では音声を消したり、ゲームターボモードを切ると安定感が増すといった報告もありますが、根本的な解決策にはなっていません。
販売後一度アップデートされたものの、そこでの改善は見られず今後のアップデートで良くなるのかどうか、といった不安もあります。
現状ではこのゲームの不具合級の動作の不安定さは本体側のアプデによる解決を待つしかなく、そのアプデが行われるのかといったところは不透明なものになっています。
今後改善がされない限りはゲーム目的での購入は全く勧められないスマホ、というのがMi 11 Lite 5Gへの評価になります。
発熱のしやすさやバッテリー消費量といったところもネガティブなポイントになりやすい
ゲーム以外でネガティブな要素としては発熱と電池持ちといったところが挙げられます。
薄さは凄いのですがそれによって熱が篭りやすく放熱性も高いものにならず、発熱しにくかったこれまでのXiaomiスマホと比べるとダントツで熱を感じやすいものになっています。
ゲームでも耐え、普段の利用用途においてはほぼ発熱しなかったこれまでのXiaomi機とは異なり、結構日常で使うアプリでもほんのりと熱を持つのは気になるところです。
発熱による性能低下も見られますし、カメラも4K撮影では発熱によるカメラ停止で10分続かないものになってしまうため、その辺りでの使いにくさを感じさせる影響というのも褒められません。
そしてバッテリー性能もこの軽さのスマホとしては優秀ではある一方で、同程度の画面サイズを持つXiaomiスマホやOPPOスマホと比べてしまうと電池持ちは良い方ではありません。
ゲームの不具合や発熱の問題と違ってこちらは90Hz駆動を切れば多少電池持ちが改善するために対処方法はあるのですが、それでも丸一日放置するのが厳しいスタンバイ時の放電具合ではあるため、毎日の充電は欠かせないものになっています。
この2つのポイントはこれまでのミドルレンジモデル、特にXiaomiスマホにおいては強みだっただけに期待とは異なるものになっています。
おサイフケータイ搭載も・・・使い勝手は悪い

Mi 11 Lite 5GはXiaomiスマホとしては2台目となるおサイフケータイ搭載スマホですが、このおサイフケータイの仕様が他のスマホと異なるために使い方によっては利便性といったものが損なわれてしまっています。
Mi 11 Lite 5GはNFC決済とFelliCaの併用ができない仕様になっているため、Suicaのような一般的に普及している電子マネーを使う時と、VISAタッチのようなNFC決済を使う時とで設定を変更しなければなりません。
設定変更は毎回「設定」画面に潜って手動で行う必要があります。
「接続と共有」から「セキュアエレメントの位置」といった項目を選択し、
埋め込みセキュアエレメント→SuicaなどのFelliCa決済
HCEウォレット→VISAタッチのようなNFC決済
という形で使う決済方法に合わせて毎回設定を買えないといけません。
他のおサイフケータイには見られない仕様になっており、早急にアップデートで対応を・・・といったところを期待したいところでしたが、こちらはなんとメーカー的には「仕様」ということで問題はないようです。
現状VISAタッチ関連のキャンペーンなどがされていないため、あまり大々的にこの問題が問題として認識されることはありませんが、今後VISAタッチの広がりといったところが起こるとこの「仕様」はかなり使いにくいものとなるのは間違い無いでしょう。
相変わらずMIUIのタスクキル問題は強めなので、バッテリーセーバーの調整や定期的な手動でのチェックは必須
そしてもう一つデメリットとして挙げられるのはXiaomiスマホ共通の問題であるMIUIのタスクキルの強さです。
MIUIはバッテリーセーブを高める目的で裏に回ったアプリを強めにスリープさせ、再度起動させたときにアプリ内再起動が起こることが良くあります。
これによって使っていないアプリによる電池消費を抑えられて電池持ちは向上するものの、メッセージアプリなどを中心に通知が来ないことが起こります。またダウンロードやアップロードといったものが途中で止まってしまう、なんていう問題も起きやすいです。
久しぶりにLINEを立ち上げてみたら数時間前にメッセージが実は着いていた、外部クラウドにファイルをアップロードしてたのに全く進んでない、なんていうことがあるわけです。
こうした通知の遅れといったものはいわゆる中華スマホといったものを使ったことがこれまで無いようだと、結構戸惑うものになっているので初めてXiaomiスマホを使うようならメインスマホとしてはしばらく様子見で使ってみてからをおすすめします。
この強烈なタスクキルは一応和らげることはできるものの、完全に他のメーカーのスマホと同じようにはできません。
それでも少しでもタスクキルの影響を下げたい場合は、
- バッテリー設定のアプリバッテリーセーバーから個別のアプリを「制限なし」に設定する
- アプリの履歴画面から通知をしっかり得たいアプリをロックする
- MIUIの最適化を解除する
といった設定変更をすることで多少は改善されます。
完全に通知周りやクラウドアプリのバックグラウンド処理がされやすくなるわけではないものの、LINEやDropboxといったバックグラウンドでもしっかりと動かしておきたいアプリはこちらの設定を実施しておいた方がいいでしょう。
このMIUIのタスクキルの強さ、バックグラウンド処理の制御の強さといったところは慣れないと使いにくく感じるのは間違いないため、メインスマホとしての利用はしばらく使ってみてからにした方が良いでしょう。
ゲーム以外のアプリは非常に快適、そこまで大きくSnapdragon 765Gとの差は感じないけど・・・

ここからはポジティブな部分を紹介していきます。
まずゲーム以外の動作というのはやはりAntutu50万点ということもありストレスの少ない快適さを見せます。
正常に動くアプリであればしっかりとサクサク動かせることができるため、この点ではその性能の高さというのをしっかりと感じられることができます。
この点は評価することができるでしょう。
ただやはりゲームというわかりやすく性能の差を感じられるアプリでの利用に不向きということで、日常使いのアプリの使用感といったところではSnapdragon 765Gあたりとそこまで差は感じられないものになっています。
ゲームが現状まともに遊べない中では、発熱やバッテリー持ちがあまりポジティブではないSnapdragon 780Gを搭載したMi 11 Lite 5Gよりも、Snapdragon 765Gを搭載したMi 10 Lite 5GやOPPO Reno5 Aあたりの方が使い方によっては合っている人というのも多いはずです。
この辺り性能の良さは褒められるものの、それを最大限活かせない現状というのは残念なところではあるので、そこは素直に褒めることができない部分ではあります。
軽さと薄さは圧倒的正義。ゲームができなくても普段使いとしての使いやすさは過去にないレベルの快適さ

性能面に関しては結構厳しい評価が続いていますが、それでも個人的にはこのMi 11 Lite 5Gは今後継続して利用していきたいと思っているスマホです。
その理由は他のスマホにはない薄さと軽さがこのサイズ感で実現されているからです。
とにかくMi 11 Lite 5Gは持った時の感動が凄いです。
幅が広いために「持ちやすさ」といったものはないのですが、その軽さと薄さといったところは他のスマホでは見られないレベルのものを実現しており、長時間スマホに触れる機会が多い人ほどストレスの少ない快適な使い心地を得られるものになっています。
159g、6.8㎜といったそのサイズ感は6.5インチを超えるスマホとしては異質で、これまでにない体感を得ることができます。
従来のXiaomiスマホ含む格安系の機種が大画面かつ重量級の機種が多い中で、この軽量モデルの存在は本当に他にない存在感を示してくれています。
Mi 11 Lite 5G | Mi 10 Lite 5G | OPPO Reno5 A | |
画面サイズ | 6.55インチ | 6.6インチ | 6.5インチ |
重量 | 159g | 193g | 182g |
厚み | 6.8㎜ | 8.7㎜ | 8.2㎜ |
近い価格帯の高性能モデルと比較しても、あまりにも軽さが目立つものになっており、比較のために触っているとどんどんMi 11 Lite 5Gへの愛着が湧くようになります。
この軽さと薄さは大げさでなく「感動」レベルなので、これで性能面もゲーム操作が良ければ本当に文句なしの2021年最強のミドルレンジモデルとして評価することができたはずです。
90Hz駆動かつ有機ELのディスプレイは美しく見やすい。電池消費は激しめかもしれないがこの価格帯にしては満足度は非常に高い
ディスプレイもポジティブなポイントでしょう。
90Hzのリフレッシュレートで残像感の少ないものになっていて、有機ELで明るく鮮やかな発色を実現した画面というのは、セールで2万円前後の価格設定のスマホとしてはお買い得さを感じるスペックです。
同じく定価4万円ほど、セール価格2万円前後でスペックも高く防水・防塵、おサイフケータイを搭載させた高コスパスマホでるOPPO Reno5 Aとは、このディスプレイの美しさといったところで明確にMi 11 Lite 5Gが勝っています。

Mi 11 Lite 5G | Reno5 A | |
サイズ | 6.55インチ | 6.5インチ |
ディスプレイ | 有機EL | 液晶 |
リフレッシュレート | 選択式90Hz | 可変90Hz |
スペックがかなり充実してMi 11 Lite 5G同様に2021年のスマホの中ではお買い得な存在感を見せているOPPO Reno5 Aですが、そのデメリットの一つが液晶ディスプレイの暗さと見た目の悪さです。
画面が綺麗でなく、外で使った時の明るさも不自由はしないものの快適なほどは明るくなく、この点だけはスマホとして安っぽさを感じてしまいました。
Mi 11 Lite 5Gではこうした部分もスペックとしては良いものになっており、画面は発色が良くて見た目も美しく映りますし、屋外で使っても画面が見えにくいということのない明るさを見せてくれます。
屋外でのカメラ撮影なんかの時に被写体がハッキリ見えますし、Youtubeの視聴なんかも美しくて黒つぶれもしにくい映像を楽しむことができており、この点は価格を考えるとかなり充実したスペックとなっています。
しかもリフレッシュレートが最大90Hzまで上がるため、スクロールを多用するブラウジングやTwitterなんかで、そのスクロール中に何が書いてあるかなんかが把握しやすいものになっています。
これらの点はライバルであろうOPPO Reno5 Aよりも優れたポイントとなっています。
格安系のスマホとしては、画面の美しさまでこだわれる数少ない機種となっているのがこのMi 11 Lite 5Gです。
MIUIの独自機能が相変わらず便利
こちらのメリットは過去のXiaomiスマホでも触れていますが、このMi 11 Lite 5Gでも継続されていたので紹介をしておきます。
XiaomiはMIUIという独自UIを採用しており、そこに多くの独自機能を用意しています。
この独自機能はどれも便利なものになっており、他のスマホでは利用できないような機能がXiaomi機では使えるようになっているため、一つの魅力としてこのポイントは挙げることができます。
目ぼしい機能についてまとめると以下のような機能があります。
- デュアルアプリ
- セカンドスペース
- クイックボール
- バッテリーセーバー・アプリセーバー
- ゲームターボ
- ワイヤレスディスプレイ
- アプリロック
- フローティングウィンドウ
この他にも色々と通常のAndroidスマホには搭載されていないような細かい設定項目なんかも用意され、便利に使える点はMIUIを採用しているメリットと言えます。
これらの機能の内、特に使い勝手が面白い機能を以下で紹介しています。

デュアルアプリ:アプリの複製機能。通常だと1つのスマホにアプリは一つしかインストールできないものの、MIUIではこれを複製して同じアプリを2つ持てるようにしています。
LINEやその他アカウントと連携するアプリなんかを複数持てるため、1台のスマホで複垢運用というのがしやすくなります。
同等の機能は他のスマホでも見られるものの、どのスマホも複製できるアプリはかなり限られたものになる(主にメッセンジャー系やSNSアプリ)中で、MIUIの複製機能はゲームアプリなども複製することができて、Google謹製アプリ以外ならば大体2つ持てるものになっています。
1つのアプリを2つ持てるというのは使い方によってはかなり便利な運用へとつなげることができるはずなので、この機能の存在はMIUIの利便性といったものを確かに向上させてくれます。

セカンドスペース:こちらはホーム画面の複製機能。通常のホーム画面とはまた別にホーム画面を作ることができ、人に見られたくないアプリなんかをダウンロードしたい場合にはこちらが便利です。
Googleアカウントもメインのホーム画面とは別に設定できるため、1つのスマホの中に2つのスマホの中身を持ち歩ける機能となっています。
使い方によっては「浮気用」の機能としても利用できるので、悪用厳禁ではあるものの面白い機能です。
こちらの詳しい解説はこちらの記事に用意してあります。
Xiaomiスマホ・MIUIの機能「セカンド・スペース」は浮気にも使えてしまう、特定の層には面白い独自機能
このような機能が使えるため、Mi 11 Lite 5Gはスペック面だけでなく機能面でも使い勝手の良さというのを見せてくれます。
定価4万円、セール価格2万円のスマホとして考えると、その機能性の充実っぷりは他のスマホでも中々見られないレベルを実現しており、こうした独自機能プラス防水・防塵、おサイフケータイが利用できるというのは利便性といったところで格安系の価格帯のスマホとは思えないものになっています。
ゲーム向けにはアプデ改善されるまでは買ってはいけないが、ゲームをしないならば最強クラスの快適さ

Mi 11 Lite 5Gは本当に惜しいスマホです。
おそらく多くのユーザーが期待したであろう「格安モデルでも快適にゲームができるスマホ」としての役割といったものが、詳しい原因が不明なものの正常に動作しないレベルの不具合の存在により一部のアプリ、それも人気アプリなんかで期待できないものになっており、ゲーム向けのスマホとしての役割を任せることができません。
正常に動くゲームはあるにはあるものの、遊びたいゲームが正常に動くかどうかはネットの評判なんかを探ってみても正しい情報に当たるのが難しいため、目当てのゲーム含めて万遍なくいろいろなゲームで遊ぶという使い方というのは、現状このMi 11 Lite 5Gの状態とは全く合わない使い方になるでしょう。
アップデートで改善するようであればほぼ最強の万能型低価格スマホにはなるものの、そのアップデートも発売から1ヶ月近く経っても用意されていないのでちょっと確実視できるものではなくなっています。
ゲーム用途でスマホを使う予定であれば、このMi 11 Lite 5Gは買うべきではありません。
ただその他の日常使いのアプリを中心とした使い方となると、大多数のアプリが正常に起動する上にかなりサクサク動かせるため、ゲーム以外の使い方でヘビーユーザー的にスマホを扱うということであれば非常に優れたスマホであるのは間違いありません。
性能の高さはもちろんですが、その性能の良さを体感としてさらに拡大してくれる本体の軽さや薄さといったストレスの少ないボディ構造は、長時間スマホを触るユーザーほど気持ちよさといったものを得ることができるかと思います。
本当にこの性能の高さとこの軽さといったバランスがこれまでに見られないものです。
ゲームこそ安定してできないものの、そこさえ問題なければ性能の高さも十分以上でストレスや負担の非常に少ない端末の軽さといったところで使っていてとても満足度の高いスマホであることは間違いありません。
発熱によるカメラが落ちてしまったり、バッテリーも基本は毎日充電が必要、おサイフケータイを全力で活用したいなら面倒なポイントがある、といったゲーム以外にも細かいところでのデメリットはあるものの、
それでも個人的にはこの性能とその軽さといったところは他のスマホにはない大きなアドバンテージとして評価でき、今後似たような後継機種がでるまではがっつり使っていこうと思わさせられます。
自分の場合そこまでスマホゲームをやらずツイッターや各種情報サイトのブラウジング中心のため、このサクサク動作と本体の軽さ(それに90Hzディスプレイ)といったところには非常に満足しています。
少しでもゲームをやるという方や決済方法を色々使っているという方には不向きではあるものの、自分と同じような使い方をする人には個人的にはおすすめしたい軽量高性能スマホとなっています。
購入の際にはSIMフリーモデルもいいですが、MVNOセットの方にも注目を。
特に個人的には値下げタイプよりもポイントが貰えた上に別のポイントに交換できるBIGLOBEモバイルでの契約をおすすめしています。
dポイントやLINEポイント、そこからPayPayボーナスなんかに交換して投資に回すことができますし、タイミングによっては交換時にポイントを増やすことができて2万円分のGポイントが2.5万円や3万円相当のポイントになってくれるかもしれません。
ちょっと面倒に感じるところもあるかもしれませんが、ポイントを活用しているユーザーには非常に魅力的な存在なのがGポイントなのでそちら目的でBIGLOBEモバイルで購入するのもありでしょう。