10月14日よりSIMフリースマホとしてBlackberry passportとBlackberry classicの販売が国内代理店株式会社FOXより始まり、ビックカメラなどの家電量販店でも取り扱いが始まりました。
NTTドコモが取り扱いを終了してから国内では正規販売はなかったのですが、この2015年になってからもしもシークスや今回のFOXの取り扱いで日本市場で再び正規に購入出来る環境が整い始めました。
特に個人的にも愛用しているBlackberry passportの日本発売、そして代理店経由による故障時のサポートが提供され、今まで以上に買いやすく・おすすめをしやすくなったということで、今回はレビュー的に愛用しているpassportがどんな端末かをお伝えしていこうと思います。
文字入力の機会が多いほど愛着の湧く端末

まず最初にこの端末は万人向けではありません。ある程度文字を入力する機会がないと使いづらくて飽きると思います。
文字入力の機会がなく使おうとすると、画面の縦の幅がないことや本体の重さ、使えるアプリの少なさに不満を感じる事が多くなり、次第に触る機会が減ってきてしまうことでしょう。
実際このpassport、販売開始当初は海外でも人気が高く在庫切れが目立つ期間があり、国内へ輸入しようとすると時間がかかる上に10万円を超えるプレミア価格状態になっていたのですが、そんなプレミア価格かつ時間をかけて輸入した端末にも関わらず、肌に合わなかったのか入手早々ヤフオクで少し使っただけのものを売り出すユーザーが目立ちました。
目を引く端末ではあるものの、使い方が合わないと価格ほどの価値は全く感じられない端末なのは使っていて感じます。
更にAndroidアプリと互換性はあるものの、正規の方法ではプレイストアは利用できませんし、Google関連のアプリも開発者サービスが動かないので使えません。
アプリストアはAmazonストアで、そこにないAndroidアプリを使うにはAPKインストールをする必要があり、使えるアプリや出来ることは限られてきます。
こんな感じの使いにくさもある端末なので、キーボードを触る機会が少ないと小さい画面でスクロールも多くしなきゃいけない・アプリも少なく取り回しのしづらいスマホになると思います。
逆に文字入力をする機会が仕事・プライベートで多く、キーボードを活用するシーンが確実にあるという方なら、長時間触ることでpassportの便利さを感じられますしそれ故に愛着も湧きやすいスマホになってくれるはずです。
このため文字入力をする方にはおすすめ出来ますが、変なスマホが欲しい程度の方には遊べる範囲が狭いため、おすすめすることはできません。
スピードはフリック入力のほうが上だけど打鍵感でリズムに乗れる

またpassport最大の特徴であるqwertyキーボードを使うことで文字入力の効率性等が上がるかといえばそうでもありません。これは人によると思いますが、フリック入力に慣れてるとpassportのキーボード入力よりもそこらの持ちやすいスマホのフリック入力のほうが、変換機能の優秀さも相まって文字入力は早くなります。
じゃあなんでわざわざBlackberry passportを文章入力している方にすすめているのかというと、打鍵感が気持ち良いからです。
「ポテポテポテポテ…」という感じの打鍵感が心地よく、フリック入力よりもリズムに乗れて集中して作業が出来る・・・ように感じます。
箇条書き程度ならフリック入力で十分ですが、まとまった文字量・文章を書くとなると個人的にはpassportのqwertyキーボードを使ったほうが集中して書けています。
サイズがちょうどXperia Z Ultraと同じ横幅となるため、必然的に両手持ちでの入力になりますが、それもいい感じで集中を促進させてくれます。
完全に個人の感覚を元にしてますが、フリック入力だと集中が続かず飽きてしまうという方は代替としてちょっと試してみて貰いたいスマホです。変換候補の精度はあまり良くありませんが、常用には耐えます。打鍵音もそれほどカチカチ響かないため、電車の中なんかでも使いやすいキーボード付き端末です。
効率性を求めるなら4~5インチクラスのスマホでフリック入力のほうが良いですが、何となく気持ちよく・何となく集中できるという体感重視の文章入力にはBlackberry passportは向いています。なんのこっちゃかもしれませんが。
他の良い点
あと何かおすすめ出来るポイントというのは正直それほどないのですが、見た目が結構かっこいいのも気に入っています。正方形ディスプレイにキーボードが付いている姿は無駄に人目のある場所で取り出したくなります。
Snapdragon 801にRAM:3GBで動作はサクサク、バッテリー持ちもかなり良いので充電不要で丸1日使えるでしょう。一度OSアップデートでバッテリー消費は酷くなりましたがダウングレードしたおかげでなんとか良い状態を維持しています。
そしてこれが使っていて楽しかったのですが、キーボード自体にタッチセンサーが仕組まれており、キーボードの表面をなぞることで画面上をスクロールしたり文字入力位置のカーソル移動をさせたりすることが出来ます。これのおかげで画面にタッチする必要性が少なくなっており、スムーズな操作性を与えてくれています。
ただ自分のBlackberry passportは数ヶ月間の酷使の影響か、タッチセンサーの反応が悪くなってしまい、現在誤作動がひどくなったためにタッチ機能を切っています。ちゃんと機能している時は使っていて本当に楽しい体験が出来てたのですが。
こうした修理が必要な問題が出て来たときに、輸入購入だととてつもなく面倒だったわけですが、今回日本で代理店による正規販売が始まったことで、時間はかかるものの修理対応が比較的スムーズに出来る窓口が設けられました。このメーカー保証の修理申請を代理でやってくれるという点はセンサーが狂ってしまった身にはうらやましい限りです。今回の正規販売の大きな魅力の一つといえるでしょう。
万人向けではないけれど、ハマる人はハマる
というわけで、それほど出来ることは多くなく、見た目のインパクトほど実用性が高いものではないものの、文章作成・文字入力を頻繁にする方であれば、もしかしたらハマる可能性の高い端末がBlackberry passportです。見た目の奇抜さだけで選ぶと価格も高いですし遊べる要素が少なく後悔する可能性も強いですが、利用目的と合致しスマホの操作性は体感重視だ、という方にはおすすめは一応できるスマホです。
国内販売ではBlackberry classicがブラックカラー、Blackberry passportがブラックと限定色としてホワイトを用意してあります。価格はclassicが49,800円(税込み53,784円)、passportが64,800円(税込み69,984円)です。エクスパンシスでは別色のビビットなカラーを販売していますが、保証やサポートを考えると国内代理店から購入したほうが良いでしょう。
ちなみに一部を除いて今回の約2500文字の文章をBlackberry passportで入力して55分ほどの時間がかかりました。通常のPCでキーボードを使った入力としては遅いですが、スマホでの入力としてはまぁ許容できる時間ではないでしょうか。