※後継機であるAQUOS Zero2のレビューも行ったのでそちらもどうぞ。
AQUOS Zero2(SH-01M/SHV47/906SH) 実機レビュー 141gの軽さに特化したハイスペックスマホ | スマホ辞典
SoftBank専売の新型AQUOSスマートフォン『AQUOS Zero 801SH』についてレビューをしたいと思います。
※2019年4月9日からAQUOS ZeroがSIMフリースマホとして販売を開始しされました。SoftBank版とは特に変更点はないようなので今回のレビュー記事を購入の参考にしてもらえれば。
6インチ台のスマホでは世界最軽量、シャープ初の国産有機ELディスプレイ採用というこれまでよりも心を揺さぶられる特徴を持ったスマホという事で月月割の上書きも兼ねて契約を行ってみました。
スペック周りだけを見れば充実したスマホとなっているので、かなりの期待値をもっての購入となったわけですが・・・。
主な特長|AQUOS zero|製品ラインアップ|AQUOS:シャープ
AQUOS Zeroのスペック・性能・デザイン
OS | Android 9 |
---|---|
SoC | Snapdragon 845 |
RAM | 6GB |
ROM | 128GB |
ディスプレイ | 6.2インチ/有機EL WQHD+(1440×2992) |
サイズ | 154×73×8.8 mm |
重量 | 146g |
バッテリー | 3130mAh |
カメラ | リアカメラ:2260万画素 インカメラ:800万画素 |
その他機能 | 最大受信速度774Mbps 防水・防塵 おサイフケータイ対応 ハイレゾ対応 顔認証・指紋認証 インテリジェントチャージ エモパー かんたんホーム 自動画面点灯 ワンセグフルセグ未対応 |
SoCにはSnapdragon 845を搭載、RAMは6GBです。
2018年12月時点では最高峰のスペックではあるものの、2019年序盤にはSDM855搭載の新型モデルが控えていることを考えると、スペック面での感動というのは少ないでしょうか。もう少し早く発売されていればインパクトも違ったのですが。
ただ発売がSDM845モデルとしてはラストに近い時期ということもあってか、このスペックでも価格は一括で10万円を超えないレベルになっています。パッと見高いもののスペックを考慮すればその他の機種よりも価格は努力している印象があります。
ベンチマークスコアについてはこちら。
Antutu | AQUOS Zero | iPhone XS Max |
---|---|---|
総合スコア | 275688 | 330309 |
CPU | 82732 | 125444 |
GPU | 124083 | 134722 |
UX | 60220 | 60658 |
MEM | 8653 | 9485 |
Antutuでは27万点ほど。ただ他のスマホの場合だと何度もベンチマークアプリを繰り返し回しても同じような数値が続くのに対して、AQUOS Zeroの場合には2回目は25万点台、3回目は23万点台といった形で、負荷や処理が重なるとどんどん数値が落ちるという挙動を見せています。
操作に関してはサクサクでヌルヌルと動くために不満は全くないものの、似たような価格のハイエンドモデルと比較してもベンチマーク周りの挙動を見る限りは強い負荷への耐性というのは低めの印象があります。
重量はこの後も褒めますが146gという驚異的な軽さ。最近の大画面スマホが180g以上、一部のハイエンドモデルなんかでは200g超えも出てきた中では持っている時の負担感が全然違います。AQUOS Zeroの持つ個性の一つとなる要素です。
ディスプレイには国産の有機ELを使用し、これまでのIGZOパネルの利用はされていません。従来機の省電力さよりも映像美の方を重視したハイエンドモデルという位置づけになっているようです。
背面は手触りの良いアラミド繊維、端末形状も持ちやすさを意識してデザインされているのが使っていてわかります。
防水・防塵、おサイフケータイといった対応は従来のAQUOSスマホ通りで、日本向けの機能はしっかりと揃っています。生体認証には指紋と顔がありますが、どちらも精度が高いために使いやすさを感じられる品質です。
充電しながらゲームをしても端末が熱くなりにくいパラレル充電なんかも用意しており、基本だけではない機能面での充実が図られています。
AQUOS Zeroの良い所・悪い所
AQUOS Zeroの具体的なレビューに入る前にまとめとして簡単に良いところ・悪いところといった点を挙げていこうと思います。
レビューに関してはこれらの点について触れていく予定です。
良い所・メリット
- 6インチ超えスマホの中で最軽量
- 横持ちのグリップ感、背面のべたつかなさは良い
- 機能面での充実さは便利
悪い所・デメリット
- ディスプレイの明るさ自動調節がイマイチ、最大に明るくても他機種に劣る
- タッチ精度は良いがディスプレイ形状的に手の一部が画面に触れやすい
- 発熱は同SoCのスマホに比べて標準より少し上か
- カメラ性能が最近のハイエンドモデルにしては高くない
期待値が大きかった分、どちらかというと不満点や作りの荒さというものが感じられてしまっています。
軽さという強烈なインパクトがある一方で、残念な部分も目立つスマホとなってしまっています。
146gの軽さは気持ちいい
まずはAQUOS Zeroの良い所からレビューしていきましょう。
AQUOS Zeroのレビューにおいてまず触れるべきところはやはりその軽さでしょう。
6.2インチの大画面ディスプレイを保有しながら、その重量はなんと146gという軽さを実現しています。
薄くて軽い有機EL、背面パネルはアラミド繊維のテクノーラ、側面はマグネシウム合金ということで強度や耐性を損なうことなく軽量化を果たした個性的なモデルです。
個人的に大画面スマホを持ち歩くことが多いため、必然的にスマホは大きくて重いものを持ち歩くことが多く、特にここ最近はiPhone XS MaxやGalaxy Note9などの200g前後の重さを持つ重量級のスマホを触る機会が多くありました。
そうしたスマホから比べるとAQUOS Zeroの軽さは体感できる差としてはかなり大きく、AQUOS Zeroを持ち歩き端末に加えてからGalaxy Note9を触る機会が実際減ってしまいました。
手首への負担がAQUOS Zeroを触った後だとNote9のような200g前後のスマホでは強く感じられてしまい、メインで使用しているスマホなのに避けるようになってしまうという弊害まで引き起こすほどに軽さは強烈です。
表現は悪いですが安物のスマホを触っている感覚の軽さになっていて、長時間触っていても気にならない快適さを持っています。
まず真っ先にAQUOS Zeroの広告内で訴求するポイントだけある魅力なのはまちがいないでしょう。
手触りの良い背面・カメラ撮影時のグリップ感が強まる側面デザイン
ボディ構造・素材も側面と背面に関しては高く評価できます(ディスプレイ面に関してはデメリットの方で)。
まず背面のアラミド繊維素材のパネルは手脂もつかずサラサラな手触りで常に快適な気持ちで使うことができます。しかも滑りやすいというような加工でもないために多少斜めの場所においても落ちていくという心配は少なめです。
軽さと快適さを両立させたこの背面パネルは気に入っているポイントです。
そして側面のフレーム構造も扱いやすいデザインになっています。
フレームの真ん中がへこんでいる独自のデザイン形状になっており、弱い力でも指のひっかかりを確かに感じることができるために持ちやすさが向上しています。
特に横持ちをしてゲームやカメラ撮影をするときなんかは、へこみに指がグッと収まるために他のスマホと比べてもグリップ感というのが段違いに良いものになっています。
この横持ち時の安定感はこれまでのスマホではなかなか感じられなかった部分なので、より安定感を持ってゲームをしたりブレない写真撮影というものが可能になってくるかと思います。
指紋認証良し、顔認証も画面自動点灯機能のお陰でスムーズに
生体認証は2種類用意されていますがどちらも良好です。
指紋認証は端末背面の高い位置にあり、Xperia XZ2シリーズのように触れにくいという心配もありません。精度も高いためにすんなりとロック解除をすることができます。
もう一つは顔認証が採用されています。AQUOS Zeroを利用する場合にはこの顔認証を利用するのが最も快適な方法になるでしょう。
というのもAQUOS Zeroの補助機能の一つに、端末を持った時に画面が自動で点灯する機能が用意されています。これと顔認証を組み合わせることができるために、端末側の操作など特にすることなくスマホを目の前に持ってきただけでロック解除を行うことができます。
この気軽さ、素早さというのは結構快適です。これまで指紋認証や顔認証でのロック解除で失敗してイライラした経験もあるなかで、持ちあげるだけでロック解除まで行くのは快適で便利なポイントです。
明るさ調節は微妙、音量調節も微妙で「ちょうどいい」が目指せない
ただ目立って良い点と感じたのは上記の点ぐらいで、ここから先はネガティブなポイントについてのレビューが続いてしまいます。
使っていくと結構微妙なところが目立ってしまっているのを感じます。
まず明るさ調節とスピーカーの音量調節がAQUOS Zeroではどちらも微妙な調整加減になっていて満足度が低いです。
明るさ調節については室内において他のスマホと比べると暗めの自動調節となってしまうため、若干見にくいディスプレイ輝度になっています。他のスマホではこういった不満を持たなかった中で明らかに暗めで見にくいため、明るさ自動調節機能は評価できません。
今のところ解決策もこれといって見つからないのも残念なポイントです。
もう一つ音量調節もあまりうまくいきません。最小の音量を選択しても結構大きな音が流れます。ちょっとこれでは周りの人や隣の部屋のことなんかを気にしながら使わないといけない音量の大きさです。
音量の方は大音量で聴くのならば端末側に振動もきて臨場感があってよいのですが、明るさの方は最大の輝度でも他のスマホと比べると暗いレベルなので不満足さを強く感じてしまいます。
有機ELディスプレイは美しいが品質自体はハイエンドモデルよりも劣る
従来のシャープのIGZOパネルではなく国産有機ELディスプレイを搭載しているAQUOS Zero。
有機ELディスプレイの品質について個人的に不安があったのですが、こちらは普通に正面から見た時の美しさといったところでは良好なので満足度は高いです。
正面から見る分には黒色もしっかりと黒いままにでて、品質の悪い有機ELのようにディスプレイに色が乗ってしまうというようなこともありません。
ただ他のハイエンド機種の有機ELと比べると角度をつけてみた時の光の反射やディスプレイのくすみ方というのが気になるものになっており、品質自体はそこそこ良いものの最高峰のものでは決してないというのは感じます。
同じ黒い壁紙を使って並べてみると、Mate20ProやGalaxy Note9はしっかりとした黒色なのに、AQUOS Zeroは青みがかった色合いというものを感じます。
正面から見ると問題はなく美しいのですが、角度をつけた時に同価格以上の機種の有機ELディスプレイとはやはり違いがあるのは感じられます。
角度を付けたところの寒色さが目立つのとくすみが感じられる点、それに光が当たっている時の反射のギラつき方というのは他のハイエンドモデルの有機ELパネルにはないネガティブなポイントです。
エッジカーブが緩やかすぎて手の腹が触れてタッチしづらくなる
AQUOS Zeroで操作を続けていると時々タッチパネルの反応が極端に鈍くなる時があります。この原因については、操作中に手の腹の部分でAQUOS Zeroのタッチパネルを触れてしまっているために後からタッチしている判定となる通常の操作が受け付けられなくなっている、というものが引き起こしています。
こうした手の腹がディスプレイに触れるがゆえに操作できなくなるという事象は他のスマホではまず見られなかったものですが、AQUOS Zeroで割と頻発してしまっています。
ベゼルが細いのか、タッチ精度が高すぎるのか、ディスプレイのエッジカーブが緩すぎるのか、個人的にはエッジの緩さと側面がへこんでいることが影響していると感じますが、普通の持ち方でこうしたことが今までなかったために若干扱いに気を使う面倒くささというのを感じます。
かなり個人的な使用感というのが含まれていますが、もしも購入に迷っているなら実機やモックを握ってみてタッチパネルに手が触れてしまわないかというのは確認したほうが良いかと思います。
意識せずに使っていると結構な頻度でこの問題は発生してしまうので、若干使いにくさを感じるところでもあります。
発熱はSoC周りでしやすいか、電池持ちも良いとは言えない体感
Snapdragon 845を搭載したスマホとしては後半に出てきたスマホということもあり、発熱に対してのチューニングなどがしっかり行われているものと期待していましたが、特にCPU周りの発熱に関しては抑えられていないという印象です。
バッテリーに関しては放熱性の高さなどもあって熱はほとんど感じない安定感なのですが、CPU周り=本体のカメラ周辺が熱くなりやすいのを感じます。
発熱の検証とバッテリー周りの検証をしてみたため参考にしてみてください。
- 発熱の検証(antutu3回まわし)
antutuベンチ | バッテリー温度 | CPU温度 |
---|---|---|
1回目 | 35.5℃ | 40.2℃ |
2回目 | 37℃ | 44.6℃ |
3回目 | 40℃ | 46.9℃ |
- バッテリー持ち検証
テスト内容 | バッテリー状況 |
---|---|
スタンバイ状態で12時間 | 100%⇒83% |
明るさ50%でYoutube映画2時間 | 100%⇒80% |
発熱はしやすく、バッテリー持ちも2時間の動画視聴で20%も減ってしまうのはちょっと多い印象でしょう。最近のスマホだと15%も減らないぐらいなので、それと比較すると消費量は多めです。
3130mAhのバッテリー容量ということを考えると、この減り方は決して良いとは言えない内容になります。
カメラは暗所でライブビューが重い、白飛びもしやすくハイエンドモデルの品質としては・・・
カメラについては厳しい評価をせざるを得ません。
10万円を超えないといっても9万円台後半の高額なスマホのため、ある程度カメラ性能については期待していましたが、使ってみると結構残念なところが目立ちました。
まず気になったのが夜景・暗所での撮影において、ディスプレイに映っているライブビュー画面が重い点です。
一応そこそこの数のハイエンドモデルをレビューしてきましたが、その中でもAQUOS Zeroは暗い時のカメラライブビューの動きの悪さは際立っています。結構モッサリしてしまいますので、夜景や暗所の撮影時にはスマホを取り出してすぐに撮影、という風な使い方はできず少し落ち着かせる必要があります。
またレンズの画角は広めなのですが、ダイナミックレンジの狭さというのを他のモデルと比べた時に感じてしまいます。日中は逆光の時を中心に空が白飛びしてしまったり、夜景・暗いところでも光源周りが白飛びしたり暗いところのディティールが潰れてしまったりしてしまいます。
単体の写真として見た時はそこまで大きな不満もありませんが、カメラに力を入れている昨今のスマホと比較をするとAQUOS Zeroの価格でこのカメラ性能というのは物足りなさを強く感じます。
Mate 20 Proや3万円台のR17 Neoなんかの比較も含めた写真を見てもらうとその物足りなさというのを感じてもらえるかと思います。
3万円台のR17 Neoと比較してもちょっと諧調が少ない印象を受けます。同じ撮影位置なので画角はAQUOS Zeroのほうが広いものの、空や道が黒く潰れてしまっているのを感じます。比較をしなければそこまで悪いとは言えませんが比較をしてしまうと各シーンへの対応力が甘いカメラ性能というのを感じてしまいます。
ほぼ10万円のスマホでこれは品質としてそこまで満足度は高くない出来です。もう少し頑張って貰わないとせっかくこの価格を出したのに・・・と感じてしまいます。
その軽さは魅力で所有感を満たしてくれる、だが全体的な満足度は少なめ
AQUOS Zeroについては意外と不満を感じてしまう部分が多くありました。
カメラを中心に細かい不満点というものが触っていく内に感じられてしまいます。基本操作自体に不満などはないために別にちょっと我慢すれば済むポイントばかりではあるのですが、結構気になるところが見つかるスマホです。
その軽さや通常の動作のストレスの無さというところは高く評価できますし、特に軽さは今までのスマホにはない特徴ゆえに所有感を満たしてくれるものになっています。
そうした点での満足度や安心して使える点は評価できるものの、カメラを筆頭にそこまで良くない点というのも同じような価格帯のスマホに比べても多くなっているため、ほぼ10万円に近いスマホということを考えると完成度は物足りなさを感じます。
軽さという点で負担やストレスがないという点では高く評価できますが、それだけではカバーできない点というのも多くみられるのがAQUOS Zeroとなっています。
SoftBank専売でドコモとauが扱わなかったというのも少し頷ける物足りなさというのがあるでしょうか。
明確な強みがあるのに惜しいところが多すぎるスマホと評価になってしまう機種です。
価格などを考えると気軽にはおすすめしにくいのは確かです。ある程度ネガティブなポイントが多いことを確認してもらってから実際に契約するかどうかを決めてもらいたいスマホだと感じました。
AQUOS Zeroの契約はこちら。
SIMフリー版はAmazonや楽天モバイルで販売が行われています。
※SoftBankでAQUOS Zeroの値下げが実施されました。
これによってSoftBank版のAQUOS Zeroに関しては、多少機種に対する不満はあるにしてもその性能と価格のバランスが結構良いものになっており、コスパの良いスマホというものになっています。
価格は64,800円で半額サポート適用で32,400円で利用できるようになっています。これはSnapdragon 845スマホの中でもかなり安い部類の価格です。
この価格であればカメラの弱さ、発熱のしやすさといったところもある程度妥協できるかと思うため、おすすめ度としては高くなっています。
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シャープさんの努力には頭が下がりますが、所有欲がわかないんですよね。
廉価端末を持ってるような感覚ですよ。多少重くていいくらい。
ハードが良ければいいという感覚はちょっとね。バランスですよバランス。
はじめまして、機種変するのにこちらのレビューを参考にさせていただいています。
学生でそこまで高額なモデルは買えないので、格安simでAQUOSR2かZeroが候補なのですが悩ましいです……いつもやってる音ゲーの演出がが3Dになるらしいのでソシャゲのレスポンスが気になるところです…
白ロムで、と考えている感じでしょうか。
正直Zeroはタッチレスポンスがそこまで良くないので音ゲーには向いていないかなと・・・。R2も倍速表示が出来ますが、ノッチ部分の表示とか重さの割に画面が大きくないとか不満なところを感じられてしまうかもしれません。
具体的にゲーム向けのスマホで買いやすい機種、というのを今思いつかないのですが、もう少し対象のスマホというのを広げてみてもいいかもしれません。
ZeroもR2も候補としては最有力ではないのかな・・・と感じます。