※最新版を公開しました。9月の速度はこちらを確認してください。
MVNO格安SIM,通信速度比較 9月編
格安SIMの速度比較8月版です。
今回から2つのMVNOを追加。U-mobileのMVNEから解放された新生FREETEL、そして制限速度で700kbpsという面白いプランを出してきたパナソニックのWonderlink Fシリーズです。
この両社を今回からの計測で加え入れます。
合計で14のSIMプランを計測しており、そろそろ不人気SIMのリストラをしておきたいところですが、情勢をもうちょっと見てからということで。
今回からは3つのキャリア回線も参考記録として計測しています。
またこれまでと表記を変更し、計測結果は時間帯別で表示、まとめて気になったMVNOについては個別で触れていく形にしてみます。
そして数ヶ月分の計測結果が手元にあるため、これを使ってこの数ヶ月速度が良い格安SIMについてをまとめてみました。そちらも選択の参考にして頂ければと思います。
計測時間については変更なしです。全て混雑している時間帯で測定しているため、結果としては全体的に厳しめのものになっています。
過去の速度比較は以下より MVNO格安SIM速度比較 7月編 MVNO格安SIM,実効速度比較 6月編 NifMoが品質の高さを示し始める MVNO格安SIM速度比較 5月編 IIJmio含むdocomo系回線の速度低下著しく MVNO格安SIM,12社の実効速度状況 4月編 OCNモバイルONEの回線品質が急変 |
計測環境
計測環境はこれまでと同じです。接続サーバーについては計測の内1回を別のところに切り替えています。これによる違いはほぼ見られませんでした。計14社のMVNOから15種類の格安SIMと主要3キャリアを計測しています。
計測スマートフォン | docomo:Galaxy J×2、 au:HTL22 SoftBank:Xperia Z3 |
---|---|
計測アプリ | Ookla Speedtest Ishikari×2、sumida×1の計3回 |
計測日時/場所 | 8月3日/東京都日野市 |
計測時間 | 12時25分〜、18時〜、22時〜の混雑時中心 |
計測SIM | IIJmio/DMM mobile/OCNモバイルONE/NifMo/BIGLOBE LTE・3G/ Play SIM/楽天モバイル/ FREETEL/WonderLink U-mobile/ぷららモバイルLTE/b-mobile/ UQ mobile/mineo docomo/au/SoftBank |
計測方法 | 同じ時間で3度速度計測後、次のSIMカードへ交換。 そのため正確に同時間で計測した結果ではなく、数分から数十分時間差のある計測結果になります。 同時間ではなく同時間帯での計測なので、比較という点では同条件ではありませんがご容赦下さい。 |
何度も書いていますが、計測する時間帯は輻輳しやすい混雑時を選んでいます。そのため特にお昼すぎや午前中の実際の速度よりも低い数字が出ているのでその点は注意して読み取って下さい。
実用性という点では問題ない参考数値になると思いますが、MVNOによっては見栄えの悪い速度が連発されています。
表が縦長になっているので数値は最後のまとめだけ見てもらえれば全比較が可能になっているので、面倒な方はそちらを。今回は最後にここ数ヶ月の速度結果を比較した上でのおすすめなMVNOについて触れています。
3つの時間帯別評価
12:25~
12:25~ | 平均ダウンロード速度 | DL | ping |
---|---|---|---|
IIJmio | 0.42Mbps | 0.44Mbps | 242 |
0.41Mbps | 299 | ||
0.42Mbps | 284 | ||
NifMo | 4.78Mbps | 7.20Mbps | 60 |
3.29Mbps | 274 | ||
3.87Mbps | 97 | ||
UQ mobile | 14.52Mbps | 15.50Mbps | 46 |
13.26Mbps | 62 | ||
14.82bps | 55 | ||
mineo | 1.52Mbps | 0.93Mbps | 158 |
1.49Mbps | 116 | ||
2.15Mbps | 118 | ||
DMM mobile | 0.71Mbps | 0.86Mbps | 127 |
0.59Mbps | 135 | ||
0.68Mbps | 136 | ||
WonderLink | 15.74Mbps | 15.14Mbps | 42 |
16.96Mbps | 68 | ||
15.13Mbps | 70 | ||
FREETEL | 7.12Mbps | 7.09Mbps | 118 |
10.39Mbps | 158 | ||
3.90Mbps | 148 | ||
楽天モバイル | 0.74Mbps | 0.47Mbps | 142 |
0.89Mbps | 35 | ||
0.88Mbps | 47 | ||
OCNモバイルOne | 0.56Mbps | 0.62Mbps | 78 |
0.59Mbps | 119 | ||
0.49Mbps | 90 | ||
Play SIM | 0.51Mbps | 0.53Mbps | 97 |
0.50Mbps | 115 | ||
0.50Mbps | 130 | ||
BIGLOBE | 0.26Mbps | 0.26Mbps | 132 |
0.26Mbps | 166 | ||
0.26Mbps | 143 | ||
b-mobile | 0.51Mbps | 0.51Mbps | 166 |
0.46Mbps | 184 | ||
0.56Mbps | 88 | ||
U-mobile | 1.58Mbps | 1.48Mbps | 117 |
1.84Mbps | 161 | ||
1.43Mbps | 139 | ||
ぷららモバイルLTE | 0.35Mbps | 0.58Mbps | 117 |
0.27Mbps | 161 | ||
0.21Mbps | 139 | ||
UQ 無制限 | 0.79Mbps | 0.84Mbps | 39 |
0.75Mbps | 59 | ||
0.79Mbps | 61 | ||
docomo | 22.03Mbps | 22.99Mbps | 78 |
16.54Mbps | 117 | ||
26.56Mbps | 132 | ||
au | 11.18Mbps | 10.75Mbps | 46 |
14.254Mbps | 350 | ||
8.54Mbps | 58 | ||
SoftBank | 23.88Mbps | 22.48Mbps | 58 |
23.97Mbps | 76 | ||
25.19Mbps | 68 |
12時20分以降は調度お昼休みの中でも落ち着く時間帯ということでWeb全体のアクセスが増えて帯域が輻輳しがちです。MVNOのように帯域に十分な余裕のない回線だと、この時間帯はトラフィックの増加に対応できずに速度低下が目立ってしまいます。
現状ではお昼の時間帯に速度が出ないということはMVNOを選ぶ際には織り込み済みでないと不満の溜まってしまう使い勝手となる問題です。
ただMVNOはお昼の速度に期待が出来ない、という共通認識がされている中においても、一部のMVNOではかなり健闘しているSIMがあります。
この数ヵ月間常にこの時間帯ではポジティブな評価がされるNifMoやUQ mobileは8月も良い結果が出ています。特にUQ mobileはauの本家回線よりも結果では勝っています。
またmineoもUQ mobileと比較しては部が悪すぎますが、時間帯を考えれば実用には十分なレベルでしょう。
今回の結果ではFREETELとPanasonicのWonderlinkといった新顔がお昼に好調な結果を示しています。特にWonderlinkはdocomo系では珍しく平均で10Mbpsを超える結果となりました。ただしこれらのSIMについてはこの結果で評価を与えるのは時期尚早のように感じます。Wonderlinkはこれまで数ヶ月ほどサービスを続けていますが、注目が集まったのは先月受付が開始された低速700kbpsプランが出来てから、FREETELに至っては自社で管理するL2接続サービスが始まって1ヶ月にも満たないということで、まだまだ混雑時に実力が試される状況にはなっていません。
この2つに関してはもう少し長い目で見てから良し悪しを考えていくのが正しい姿勢のように思います。
その他MVNOに関しては楽天モバイル、DMM mobileが若干マシになったのが気になり、来月以降継続したり改善しているかが見ものです。
18:00~
18時MVNO速度 | 平均 |
IIJmio | 3.14Mbps |
NifMo | 12.12Mbps |
UQ mobile | 10.67Mbps |
mineo | 4.77Mbps |
DMM mobile | 1.76Mbps |
WonderLink | 11.03Mbps |
FREETEL | 9.23Mbps |
楽天モバイル | 0.89Mbps |
OCNモバイルOne | 2.36Mbps |
Play SIM | 0.53Mbps |
BIGLOBE LTE・3G | 0.67Mbps |
b-mobile | 4.58Mbps |
U-mobile | 2.42Mbps |
ぷららモバイルLTE | 1.36Mbps |
UQ 無制限 | 0.77Mbps |
docomo | 25.09Mbps |
au | 12.80Mbps |
SoftBank | 35.99Mbps |
次は18時台の計測結果です。IIJmioの公開した資料ではここから数時間ほどは準ピーク時として帯域全体が圧迫されやすくなる時間帯が長時間続くようです。帰宅中の電車内や帰宅直後にゆっくりしているタイミングと重なるでしょうか。
今月の結果だと18時台はお昼に結果を出したMVNOがそのままこの時間帯でも実力を見せて、お昼がダメだったMVNOは同様にこの時間も厳しい結果にほぼなっています。
NifMo、UQ mobile、Wonderlinkの結果には目がいきます。この時間帯でも帯域には余裕があるのがわかります。FREETELも問題ありませんがまだ開始直後でのために評価はハッキリとは出来ません。
楽天モバイルは昼時にマシになっていたため、もう少しこの時間帯は回復するかと思ったものの、残念すぎる結果に。IIJ系のSIMもIIJミーティングで示された資料よりも状況は悪いと感じさせるものになっています。
22:00~
22時MVNO速度 | 平均 |
IIJmio | 1.84Mbps |
NifMo | 11.69Mbps |
UQ mobile | 11.15Mbps |
mineo | 8.04Mbps |
DMM mobile | 1.98Mbps |
WonderLink | 17.62Mbps |
FREETEL | 9.85Mbps |
楽天モバイル | 3.25Mbps |
OCNモバイルOne | 1.13Mbps |
Play SIM | 0.36Mbps |
BIGLOBE LTE・3G | 0.51Mbps |
b-mobile | 0.46Mbps |
U-mobile | 0.57Mbps |
ぷららモバイルLTE | 0.71Mbps |
UQ 無制限 | 0.82Mbps |
docomo | 13.82Mbps |
au | 10.71Mbps |
SoftBank | 17.96Mbps |
こちらも状況としては前2つの時間帯の速度状況とそう変わりはありません。むしろキャリアの低さのほうが気になるでしょうか。
BIGLOBEやSo-netのPlay SIMは結局一度も1Mbpsを超えることのない結果になりました。
MVNO格安SIM、8月の速度比較まとめ
ということでそれぞれの時間帯の平均速度をまとめてみました。
上位3つに入るMVNOは太字表記にして、赤・青・黒という色付けをしています。キャリアはノータッチです。
平均 ダウンロード速度 |
12時台 | 18時台 | 22時台 |
---|---|---|---|
容量制限SIM | |||
IIJmio | 0.42Mbps | 3.14Mbps | 1.84Mbps |
NifMo | 4.78Mbps | 12.12Mbps | 11.69Mbps |
DMM mobile | 0.71Mbps | 1.76Mbps | 1.98Mbps |
OCN モバイルONE |
0.56Mbps | 2.36Mbps | 1.13Mbps |
楽天モバイル | 0.74Mbps | 0.89Mbps | 3.25Mbps |
FREETEL | 7.12Mbps | 9.32Mbps | 9.85Mbps |
WonderLink | 15.74Mbps | 11.03Mbps | 17.62Mbps |
BIGLOBE LTE・3G |
0.26Mbps | 0.67Mbps | 0.51Mbps |
Play SIM | 0.51Mbps | 0.53Mbps | 0.36Mbps |
au MVNO | |||
mineo | 1.52Mbps | 4.77Mbps | 8.04Mbps |
UQ mobile | 14.52Mbps | 10.67Mbps | 11.15Mbps |
無制限プラン | |||
b-mobile | 0.51Mbps | 4.58Mbps | 0.46Mbps |
U-mobile | 1.58Mbps | 2.42Mbps | 0.57Mbps |
ぷらら モバイルLTE |
0.35Mbps | 1.36Mbps | 0.71Mbps |
UQ mobile | 0.79Mbps | 0.77Mbps | 0.82Mbps |
MNO | |||
docomo | 22.038Mbps | 25.09Mbps | 13.82Mbps |
au | 11.08Mbps | 12.80Mbps | 10.71Mbps |
SoftBank | 23.88Mbps | 35.99Mbps | 17.96Mbps |
※今回の計測は個人レベルでの調査になります。なので参考値程度に捉えておいてください。
IIJ系やOCN、それに楽天といった人気の高い格安SIMは軒並み混雑時に速度が低い結果になってしまいました。人気が出ると今の格安SIMブームの流れでは設備増強に対応出来ないレベルのユーザーが集まってしまうということで、好ましい結果は出ないのかもしれません。
今月の結果からおすすめ出来るのは、WonderLinkとUQ mobileがそれぞれの接続元からは筆頭になるでしょうか。WonderLinkについては今後どれだけ継続出来るのかは未知数な所はありますが、安いプランはデータプランでも1年縛り、縛りのないプランでは7GB/2480円と若干の割高感と契約のハードルがあるため、急激なユーザー増加は抑えられ速度低下がすぐに起きることはないでしょう。
UQ mobileについては毎月勧めている通りです。ほぼauの本回線と変わらない速度となりました。
後はNifMoが今月も好評であるため、docomo系の安定したMVNOとしては相変わらずな存在です。3日間の通信量制限があるため、一度に大量の通信は出来ませんが、それが功を奏してか毎月の速度が安定している結果になっています。
FREETELはちょっとおすすめするには早いでしょう。短期的には充分な結果ですが、数ヶ月後が未知数過ぎます。無制限はdocomo系MVNOがもう無理な感じでしょうか。最も使いやすいとされていたぷららモバイルLTEが大分落ちました。
個別評価と5ヶ月分の速度結果まとめ
IIJmio・DMM mobile
IIJmioとそこをMVNE元にしているDMM mobileについてはほぼ同じ回線なので一緒に。
ここ最近混雑する時間帯に速度の低下が見られるIIJ系回線ですが、今月も特に回復することはなかったようです。ここ最近は毎月設備増強を繰り返して回線品質の向上に勤めているようですが、ピーク・準ピーク時のトラフィックには対応が間に合わないレベルでユーザーも毎月増えているようです。
一応フォローしておくと、この設備増強自体はかなり効果があるようで、混雑していない午前中の大体の時間帯や14時前後の時間帯ならば、20Mbps以上を記録したりするため、こうした時間帯においては帯域は十分すぎるほど空いています。ただ夕方以降は増えすぎたユーザーの同時接続に耐えられずにあっという間に数Mbpsほどの速度へ落ちていきます。
(IIJmio meeting 8資料公開より現在のIIJmioの帯域状況に関する資料)
IIJmioおよびDMM mobile共に人気が高いため、今後もユーザー数は増えていく一方と思われるため、まだ暫くはこの回線速度で使う日々は続くことでしょう。
改善の結果は出ていませんが、それでもミーティングを開催しユーザーに向けた品質改善への取り組みなどを報告しているのは人気が落ちない理由でしょうか。実力はここ数ヵ月落ちていますが、信頼できるMVNOではあるでしょう。
どうしてもIIJ系を使いたい場合は、どちらも使っている回線はほぼ一緒と考えていいので、格安SIMでは最安値となるDMM mobileのほうを選ぶといいでしょう。
NifMo
今回12時台の計測時間がギリギリになってしまったため、実際の数値としてはもう1,2Mbpsほど低めの通信速度になるかと思いますが、全体を通して流石な速度を維持しています。混雑時でもYouTubeを中画質でスムーズに見ることが出来るのはdocomo系MVNOとして希少性が高いでしょう。
継続して「快適」だと感じられるスピードを記録しているのは、今後長期間利用していく上では安心して契約できるMVNOと捉えることが出来るはずです。
昼に突出した結果は得られなくはなっていますが、安定して速い格安SIMとして高い評価を与えられるのはこれまでの結果から間違いないです。
詳しいプランの内容については
NifMoの評判・通信速度レビュー キャッシュバックキャンペーンの詳細
UQ mobile
ド安定なMVNOであることを今月も示しました。流石KDDIの息がかかったMVNOです。
au系MVNOであること、プランが少ないこと、機能が少ないことはネックではありますが、そこが気にならなければ現時点でのベストに近いMVNOではないでしょうか。
そこまでスマホの利用が激しくない家族の回線なんかには、音声プランを付けて契約させると簡単に携帯料金を節約できて品質も下げることなくキャリア回線から移行出来ます。
オプションのメールアドレスはdocomoではキャリアメール扱いがされるため、PCメール拒否をしていてメールアドレスの変更を伝えられない方々へもメールを送ることが出来る格安SIMです。
詳しいプランの内容については
UQ mobileの評判・通信速度レビュー おすすめ度やデメリットの詳細
mineo
速度ではUQ mobileに全体的に負けてしまっているものの、それでも最低限の快適さを担保したスピードはあると思うため、料金プランや補助機能の充実度を重視するならmineoとの契約は十分考えて良い結果ではないでしょうか。
iOS8端末をau系MVNOがCellular ペイロードの設定で使えるようになったのが発覚してから迅速に公式ブログ上で反応し、テスト用のAPN構成プロファイルをすぐさま用意するなど行動の早さが目立ちます。ブログ内ではユーザーによる情報提供も盛んに行われており、iOS8以降のiPhone 5s/5cで安定しなかった新APN構成プロファイルでの通信を、iOS9 Betaのプロファイル入れて安定させる方法などが、有益な情報が出てきたりしています。
未だテストの範疇を抜け出せていないものの、今後iOS端末でau系MVNOを使おうと考えている方にとっては、しっかりした情報提供をしてくれるMVNOとしてある程度安心して使える組み合わせになるのではないでしょうか。UQ mobileはこのiOS対応に反応していないため、現状はmineoだけがまともにiPhoneでの利用に関する情報を提供しています。
楽天モバイル
実店舗やCMに本田圭佑を使うなど、MVNO事業に結構お金をかけている楽天モバイルですが、速度については7月と同じようなパッとしない印象になってしまいました。
お昼時は許容範囲内ですが、18時台の速度は気になってしまいます。DMM mobileに次ぐ最安SIMという位置づけになるため、現状は値段相応な品質ということになるでしょう。
FREETEL
FREETELは7月中旬からサービスを新調したばかり。U-mobileをMVNE元とした「フリモバ」から自社でのL2接続サービスへと切り替えました。帯域の混雑具合として今あるMVNOの中でもかなり空いている状態なのではないでしょうか。
サービスとしてこの時期はスピードが出て当然というか出てないと困るレベルですので、とりあえずスタートは躓かずに始められたようです。
freetelのサービス当初のU-mobile回線の品質や数多くの低価格スマホの不具合、肝入りのZTEスマホがOCNの手で投げ売られて社長の掲示板での毒舌発覚・・・と、災難に近い出来事に見舞われ続けても、今回ついにL2接続サービスの開始までたどり着いたやる気は並大抵のバイタリティではないと思われるため、長期的に見てある程度の対応は期待できると勝手に感じていますがどうなるでしょうか。
ユーザー数が少ないため今回の結果でおすすめかどうかまでの結論は出せないでしょう。もう数ヶ月は様子見したほうが無難です。
Wonderlink
今回かなり良い結果を出したのがWonderlinkです。FREETELと比べるとサービス期間自体は長いため、この結果はより好意的に受けとることができるのではないでしょうか。IIJがMVNEのIシリーズと、富士通がMVNEとされるFシリーズ(参照:BLOGRAMさん)の2種類あり、今回は1年縛りで1480円のデータプラン、規制後の速度が700kbpsという特殊なプランのFシリーズを使っています。
700kbpsの実測値はこの後規制後に試してみたいですが、高速データ容量の側で快適な通信が出来る点は今後に大きな期待を持たせませす。まだ初回の計測ではありますが、これが3ヶ月後ぐらいまで継続してくれれば本格的におすすめできる格安SIMになるのではないかと感じます。
無制限SIM3社
通信量無制限のプランは今回はどれも良くない結果です。ぷららモバイルLTEの落ち込みが激しすぎて非常に残念なレベルです。b-mobileの高速定額プランは若干良い結果が出ていますが、実際に使う場面になると、動画で300kbps制限などの特定の通信に独自の規制がかかっているのをTCP monitorで確認でき、体感レベルではこの計測結果は参考になりません。U-mobileも無制限と名乗っていますが3日2~3GB前後で速度規制が発動する仕様になっているため、無制限とは言い難い存在です。
UQ mobileの500kbpsの制限無制限プランが結局今回も500kbpsを超える安定した速度で使えているという結果になりました。ただし今後検証予定のWonderlinkの700kbps回線の実測次第では、若干コスパが見劣りしてしまうかもしれません。
とにかく無制限SIMについては速度が満足に出せない状況となっており、サービス当初の期待感というのも今では非常に薄れてしまっています。
5回分の速度結果から見える安定したMVNO
最後に今回は2015年2月から3月を抜かした毎月数ヵ月間に渡って速度計測してきた内容を一旦まとめてみたいと思います。
4月から8月までの計5回の計測状況を比較し、安定して通信速度を出しているMVNO格安SIMはどこかということを探ってみます。
格安SIMの利用は、これまでの結果からわかるように安定しない速度との付き合いになってきます。そのため基本はデータ(+SMS)プランでの運用を行い、2台持ちすることで速度低下時にすぐに別のMVNOを契約し直せる環境で使うことが望ましいのですが、音声通話の付帯したプランも契約できるため、こちらの音声+データの1台持ち用のプランへと切り替えようと考えている方も多いことでしょう。
ただ音声付帯のプランは6ヶ月~1年ほどは契約解除料が発生する仕組みになっていますから、「ちゃんとした」MVNOを選ばないと長期間に渡って安いけれども品質が最低な回線を使い続ける羽目になります。
今回のまとめはその品質の部分を判断する一つの指標になるかと思います。これからのことを確証する内容では決してないですが、これまでのMVNOとして格安SIMに対する品質面の維持にどれだけ力を入れているのか、という点を判断する材料にはなるはずです。
というわけでこの数ヵ月「ちゃんとしていた」MVNOを確かめてみましょう。
今回は主要なMVNOが混雑していた時間帯(12時半前後、22時)に、毎月どのような結果を出していたかをグラフ化し、一定以上の品質を維持させていたMVNOを選んでみたいと思います。
抽出したMVNOは人気のあるもので、容量制限プランで使えるものです。
時間帯として12時台と22時台の結果を比較対象にしました。
利用した計測結果については以下のカテゴリーから
この比較のグラフだとUQ mobileが抜け出た結果を示してしまったことで、その他のSIMが目立ちませんが、NifMoや後はmineoが比較的継続して良い結果を示しているのがわかります。
結局今月の結果ともリンクしますが、この3社(NifMo/UQ mobile/mineo)のMVNOならば継続して「ちゃんとした」回線を維持していたために、今後も数ヶ月間は他のMVNOよりも安心して使える可能性が高い格安SIMと位置づけられるかもしれません。他は安定して遅いか好調不調の波が激しすぎる状態になっています。
今月の結果だけ見ればFREETELやWonderLinkが状態の良い格安SIMにはなりますが、長期間使っていくことを考えると一定以上の速度を継続しているこの3社のほうが不安は少ないかと思います。特に音声プランで格安SIMを利用する場合には、キャリアに比べれば短いとは言え縛り期間もありますから、継続してよい結果を出している格安SIMを選ぶという選択の仕方は考えておいたほうが良いでしょう。
この他にはorefolderさんが定点観測をしているので継続して安定した回線を提供しているMVNOを判断するための参考になるかと思います。
UQ Mobileはやはり安定してますね
自分は今月からUQ Mobileの高速通信プランを契約してiPhone6で使用しているのですが1度も10Mbpsを切ることなく快適でした。
特に驚いたのは昼前の渋谷(11時50分頃)に速度を計測した結果DL68.93Mbps・AL9.54Mbpsの速度を出して来て
ビックリでした。