一応日本国内においてauやSoftBankなどからの発売、それにSIMフリーモデルの発売なんかが噂されているXperia 10 Plusについていろいろと紹介していけたらと思います。
2019年のXperiaシリーズは旧来のZシリーズに近いデザインでありながらベゼルレス化や超ワイドディスプレイ化を果たしています。
特に21:9の画面比率を実現したことによって、大画面6.5インチながら比較的スリムな横幅というものを維持した機種になっています。
個人的にはこのスマホ向けのコンテンツに適した縦長で情報量が1画面に多く出てくる画面というのに非常に期待しており、Xperia 1を待ちきれずにXperia 10 Plusの方を購入してみました。
数週間使ってみてのそのレビューというのをしてみたいと思います。
Xperia 10 Plusのデザイン・スペック
OS | Android 9 |
---|---|
SoC | Snapdragon 636 |
RAM | 6GB |
ROM | 64GB |
ディスプレイ | 6.5インチ/ FullHD+ |
サイズ | 167×73×8.3 mm |
重量 | 180g |
バッテリー | 3000mAh |
カメラ | リアカメラ:1200+800万画素 インカメラ:800万画素 |
その他機能 | LTE Band 1/2/3/5/7/8/20/28/38/39/40/41 |
Xperia 10 Plusのスペックはこちらの通り。Xperia 10はSnapdragon 630、RAM4GBに画面サイズが6インチとなっています。
サイズとしては167×73×8.3 mm。注目は横幅が73mmとなっているところです。
横幅が比較的抑えられていることによって大画面モデルである10 Plusでもそこまで持ちにくさはありません。縦に長いために端末の重量バランスといったところで不安定に感じる時はたまにありますが、グリップはしやすい幅を実現しています。
ほぼ画面の縦はXperia Z Ultraと同等、というよりももっと長くなっています。ところが横幅は半分とまではいきませんが非常に狭いものになっているのがわかります。
重量は180g。そこそこ思い上に重心がもう少し下にないと片手持ちでの安定感といったものが足らないため、若干持ち方には工夫がいる重さになっています。
カメラは標準とズームレンズの2つ。意外と出っ張りが強いのと背面の素材的に滑りやすく、少し角度のあるところに置いてしまうとカメラの出っ張り分浮いて摩擦が無くなってしまい滑って落ちてしまいます。
ボタンの類は全て画面右側に集約。片側にボタンが集まっているおかげで横置きしやすいのはGalaxyシリーズなんかと比べて使いやすいです。指紋認証と電源ボタンが今作では分離しています。
指紋認証の精度は十分ではありますが少し汗をかいてたりすると失敗しやすくなるため、アバウトな場面での認証精度は平均よりも若干悪い感じがします。
性能・ベンチマーク
性能面についてはまずベンチマークアプリで確認しておきます。
Antutuでは約11万点という数字。ミドルレンジのスマホとしては平均的な数字かもしれませんが、価格を考えるともう少し数値が高くても良いのではないかと思われます。
ミドルレンジのスマホとの数値比較ではこのような形に。
Antutu | Xperia 10 Plus | nova lite 3 | R17 Neo |
---|---|---|---|
総合 | 116820 | 128709 | 132546 |
CPU | 55810 | 56799 | 61093 |
GPU | 21263 | 27781 | 27556 |
UX | 33269 | 35883 | 35593 |
MEM | 6478 | 8426 | 8304 |
国内で3万円前後で買えるモデルと同等程度のパワーとなるため、コストパフォーマンスを見た時に優秀ではないのは間違いありません。あくまでもディスプレイ周りの特徴込みで評価すべき機種となるでしょう。
nova lite 3はUQモバイルで実質0円!キャッシュバック込みでは一括2万・維持費842円運用も可能な格安スマホ
UQモバイル、R17 Neo実機レビュー/口コミと値段、プラン料金のまとめ【キャッシュバック特典付き】
GeekBenchの数字比較はこちら。
Geekbench | Xperia 10 Plus | nova lite 3 | R17 Neo |
---|---|---|---|
シングルコアスコア | 1333 | 1526 | 1454 |
マルチコアスコア | 4742 | 5528 | 5581 |
価格の割に数値は伸びていませんが、実際に操作をしてみて動きが悪いと感じるようなところはほとんどありません。
動きが鈍くなるのはアプリから別アプリへの変遷時に起きるものの、ストレスを感じる程度ではないために全体としてはそこまでのモッサリ感もなく操作することができます。この辺りはRAM6GBといったスペックが良いところを見せているでしょうか。
ゲームでは「デレステ」「Fate GO」で実力を検証してみましたが、ある程度は動くもののメニュー画面ですら重くなりタッチ後のレスポンスもモサっとしてしまっています。
また頻繁にロードのあるような場面で読み込みが遅く、次のステージやイベントに進むのに時間がかかってしまいストレスがたまります。
ベンチスコアからもわかるようにそもそも重たいゲームをやるのには適していないでしょう。表示のされ方の問題もあるため、適当に軽いゲームを息抜きに遊ぶ程度でないとストレスの元になってしまいます。
バッテリー性能・発熱の確認
バッテリー持ちについては色々と検証しているので確認してもらえれば。
テスト内容 | バッテリー状況 |
---|---|
スタンバイ状態で10時間 | 100%⇒86% |
明るさ50%でYoutube映画2時間 | 100%⇒80% |
動画2時間で20%の減少は電池消費量としては少し多めでしょうか。スリープ含めてこれといってバッテリー性能での優秀さというのは感じにくい環境にあります。
異常消費ですぐなくなるというようなことはありませんが、普通にメイン機種として利用していくと夜頃には残り20%前後になり充電を1日の終わりにしておかないとダメな状態になってしまいます。
発熱については負荷の高いAntutuベンチマークアプリを複数回連続で実行した際の状況をモニターしています。そうすると以下のような結果に。
バッテリー温度 | CPU温度 | |
1回目 | 31.2℃ | 36.7℃ |
2回目 | 32.7℃ | 40.2℃ |
3回目 | 33.2℃ | 41.3℃ |
発熱状況としては若干CPU温度の上がり方が気になるでしょうか。
実際に負荷がかかってくると端末上部のカメラ下辺りがほんのりと温かくなってくるのを感じます。
ただし通常の利用では緩やかに温度が上がっていくため、発熱については神経質になる必要のないものとなっています。
良いところ・悪いところ
上記のスペックの他にも実際に利用してみて感じた良いところ悪いところについてもまとめてみたいと思います。
良い所
- ディスプレイが長くてスマホ向けコンテンツにピッタリ
- 大画面なのに横幅が狭くて持ちやすさもある程度備えている
悪い点
- 性能は控えめ
- 21:9非対応アプリは見た目が悪い
- 重量バランスがあまり良くなく片手持ちは危うい
- カメラは他と比較しても良くない
良い点悪い点についてはこのようになります。すでに触れているポイントもいくつかありますが、基本は画面サイズ・画面比率にその魅力が詰まっている機種となっています。
個人的には大好きな21:9の超縦長画面はXperia 10 Plusの大きな長所
今回Xperia 10 Plusを購入した理由のほぼ9割の部分は「21:9比率のディスプレイ」を搭載しているという特徴を持っている、といった理由からです。
普段からスマホでTwitterやWebサイトを見ているため、1画面中に多くの情報量を表示できる大画面スマホをメインに利用していることが多いのですが、このXperia 10 Plusは大画面でありながら特にスマホ向けコンテンツの閲覧に便利な21:9という画面比率を持っているということでリーク中から気になっていたモデルのため購入しました。
そしてこの21:9のディスプレイというのはかなり満足度が高いです。
スマホ向けコンテンツに対しての情報量の多さが期待していたレベルを実現しています。さすがに横にも広くてさらに情報量を得られたXperia Z Ultraなんかと比較すると負けてしまいますが、Xperia 10 Plusは縦長で6.5インチでありながら普通の6インチスマホ並みに横幅が狭いため、片手で無理なく持ち歩けるサイズ感のスマホとしては十分すぎる1画面中の情報量の多さを実現しています。
Galaxy Note9やGalaxy S10+と比較しても1画面中の情報量が多いのがわかります。
ニュースがGalaxyの場合はどちらも6つしか表示されていないのに対して、Xperia 10 Plusは7つ表示されています。
またGalaxyの2つは設定できる最小表示を使っていますが、Xperia 10 Plusはもう一段階表示を小さくして情報量を増やすことができます。
そうするとXperia 10 Plusが表示できるのは8つと少しといった形で1画面中の表示が多くなっています。
流石にここまで行くと表示としては小さすぎると感じられてしまうところが多々ありますが、用意されている設定項目を見てもスマホ向きの縦長コンテンツをより情報量多く表示させようとしているのが伝わります。
横幅が狭い分改行されやすい表示にはなりますが、普通のスマホと同じように使えるサイズ感でありながら情報量はかなり多く1画面に入ってきます。
個人的にこの比率、そしてディスプレイサイズというのは満足感が強いです。
Xperia 1も同じ比率、同じ画面サイズで狭ベゼル化とスペックアップが図られているということで、そちらにも期待したい情報取得向け端末となっています。
使いやすくなったサイドセンスのおかげで通知バーの表示も片手で可能
この画面比率および画面サイズでは操作をしている時に、普通に利用している状態だと特に画面の上の方を操作するのが難しくなっています。
そのため場面によっては片手ではなく両手で操作した方が良い場面というのも出てきます。
片手で使いたいという場合にはこの画面の特徴というのが良くない方に作用することもあるのですが、ただこの問題についてはそこまで心配はいらず、2つの機能を使えば片手でも十分に扱いやすい状態というのも作れます。
画面の縮小化については他の大画面スマホでも一般的となっているので問題はないかと思いますが、今回のXperia 10 PlusではXperia XZ3で搭載されている新機能であるサイドセンスを利用できるようになっており、こちらを使うことでステータスバーを降ろしてのトグル周りの操作を代替することができます。
Xperia XZ3ではサイドセンスの呼び出しタップの仕方に少し難がある操作が必要でしたが、今回のXperia 10 Plusではサイドセンスが反応するエリアの画面端をダブルタッチするだけでポップアップしてくるので使いやすくなっています。
通常の操作では上部のナビゲーションバーまでの位置が遠いですが、それを補うサイドセンスなどの機能がしっかりと用意されているので特徴的な画面の大きさというものがネガティブなものになりにくくなっています。
21:9非対応のアプリや動画は黒帯の主張が激しい
ただこの21:9の画面の大きさは対応アプリでの情報量の多さというのを得れる反面、非対応のアプリでは見た目のバランスの悪さというのを強く感じるものになっています。
画面比率に対応していないアプリは、以下のような形で画面下部やサイドに黒い帯がかなり広い範囲で出てきてしまいます。
最近ではこうした黒帯がでるアプリというのは18:9比率のスマホが出始めてからはなくなってきているのですが、まだ縦長の比率に対応していないアプリなんかもあり、扱いが難しいものになっています。
またこの比率に対応した動画というのも少ないため、動画視聴の際には両端に黒帯がかなりの主張をしてしまっています。
ゲームについてはフル表示できるものも「フォートナイト」「黒い砂漠モバイル」といった感じで用意されているため、時間が経てばその他アプリもしっかりと21:9の比率に対応してくれるものかと思いますが、動画のようなすでに比率が決まって作成されたものはこの比率感だと使いにくく感じられてしまう部分があるでしょうか。
カメラはあまり良くないか モード選択が面倒で画面の明るさも足らない
カメラについても確認してみたいと思います。
カメラはデュアルレンズで標準レンズとズームレンズを装備しています。
いくつか実際に撮影してみましたので参考になれば。
ダイナミックレンジの広さはそこまでありません。どちらも雲が白飛びしてしまっています。黒く潰れるのを耐えていてそちらは強いですが、白飛びしやすいのは弱点といえます。光の少ない環境だと実際の見た目より全体的に暗い印象の写真が撮れてしまいがちです。
食事も光源にかなり左右されるようになっておりオート撮影では煌びやかな艶感などもなくそこまでおいしそうには撮れません。
またAIでシーン判別するカメラが増えてきている中で、そうした機能がなく自分で設定などを変えながら撮影しないと画にならないというのは昨今のスマホカメラに慣れると面倒な仕様と言えます。
人物に関してもISOが低い状態ならそこそこですが、ISOが高くなると一気にベタ塗り感というものが感じられてしまうようになっており、肌の質感なんかは結構よろしくないものになっています。
夜景は計算されてライトアップされているような被写体なら何とかみられるものは維持していますが、光源が無いところだとやはりISOが高くなってベタ塗り感が出てきます。
こうした写真の出来の他にも、画面の最大輝度が強くないためにカメラのライブビューが特に太陽光の下で見にくくなっており、写真のディティールをその場で確認しづらいというカメラとしての使いにくさというのも感じられてしまいました。
しっかりとピントが当たっているのかどうか、逆光の中で白く飛んだ箇所や黒く潰れた箇所がないかをライブビューで判別するのが難しくなっていて、いちいち写真を展開しないと確認が難しくなっています。
3万円台でカメラに力を入れたR17 Neoやnova lite 3といった機種がある中、近い価格帯のミドルレンジスマホでありながらXperia 10 Plusのカメラはあまり褒めるところがない品質になってしまっています。
写真自体はもちろん、撮影時の細かい設定や明るさ不足といったところは他のスマホと比べても手が行き届いてないかと思います。
これならばわざわざデュアルレンズにしなくてもシングルレンズで軽くて薄いカメラを目指してもらえればよかった、と思わざるを得ません。
その他写真については全然フォロワーのいないインスタグラム垢でたまに流すかもしれないので暇な方は見といてもらえればと思います。
https://www.instagram.com/smadictio/
スリープ復帰時に画面が暗いままな時がある
アップデートで修正されるかもしれませんが不具合的なポイントを一つ注意点として紹介しておきましょう。
たまにスリープから復帰する際、明るさがかなり低い状態になってしまっており復帰後すぐはスマホの画面が見づらくなってしまうことがあります。
数秒経てばすぐに通常の明るさに戻りますが、すぐ使う気でロック解除した時にこれが起きると少しストレスを感じてしまいます。
コスパは悪いがそれが気にならない特異なディスプレイが使える魅力
Xperia 10 Plusについては決してコスパの良い機種ではありません。
単純な性能やカメラ性能といったところでは、Xperia 10 Plusよりも1万円以上安い機種といったものが見られるため、それらと比較してしまうと見劣りを感じてしまうものになります。
ただこのXperia 10 Plusに関してはそうしたコスパとかの普通のスマホの評価軸では価値は見いだせないでしょう。
Xperia 10 Plusは現状スマホ界において唯一無二の21:9比率の大画面ディスプレイを搭載しているという一点において、コスパなどはどうでもよくなるぐらいの魅力を備えています。
21:9で6インチを超える大画面ディスプレイはその1度に視認できる情報量の多さ、特にスマホ向けのコンテンツの表示領域の広さというところで他のスマホにはない特徴といったものを持っています。それでいながら大きさの割に片手でもしっかりグリップできる幅の狭さといったものも実現していてスマホとしての使いやすさというのも維持しています。
この特異なディスプレイ比率を持っているというだけで、コスパやカメラだのはどうでもいいでしょう。性能やカメラといったものを求めたいのであればXperia 1という上位互換も今後発売されてくるため、そういった点も求めたいのであればこちらにも期待したいところでしょう。個人的にも今回のXperia 10 Plusのディスプレイ比率やアプリの表示のされ方が気に入っているので、フラグシップモデルとして登場予定のXperia 1も購入予定です。
コスパだとかカメラだとかの最近のトレンドとは無縁ですが、他社が用意していない縦長コンテンツ向けのディスプレイという個性的な機能を使えるスマホがXperia 10 Plusです。
ディスプレイの比率やサイズが気になっているというユーザーであれば結構な満足度と共に利用できるスマホとなっていますので、興味のある方は購入してみてください。
購入に関しては未開封ではなくなるものの起動チェックなどをしており、初期不良などがあった場合に交換もしやすいイオシスあたりから。楽天ポイントも貯まるので金額やポイント倍率によっては海外ショップで購入するのと変わらないレベルになります。発想も早くて土日に着く点も良い所です。
単純な見た目の価格ではイートレンやエクスパンシスが安いのでそちらもありです。ただし購入タイミングによっては土日祝日を挟んでくるのが大分遅れてしまいます。また初期不良時の対応が面倒なのでその辺りもご注意を。
Etoren.com