先日UQ mobileを速度比較の中で勧めてた流れでこの報告は申し訳ないのですが、UQ mobileの通信速度がちょっと気になる動きをし始めました。
これまでほぼ無敵状態であり、低速化とは無縁だったUQ mobileですが、11月11日前後を境に特に昼時の速度低下を確認できるようになりました。
現状でも他社と比べてそこまで酷いものでもないため真っ先に選ぶべきMVNOには変わりはないのですが、MVNOの中でも絶対的な位置付けを誇っていた10月までと比べると、11月からのUQ mobileはその立ち位置が揺らぎ始めたと言えるでしょう。
これが一時的であることを望みたいですが、どうも11月からのUQ mobileの変更点を考えると、もしかしたらこのピーク時に速度低下を起こすという「普通のMVNO」化は恒常的に今後影響していきそうな可能性があります。そこを今回の記事でも確認しておきましょう。
UQ mobile回線がLTE NETから切り離される?
UQ mobileがこれまで時間帯関係なく常に高速通信を維持していたのは、MNOであるauの回線とほぼ同じものを使っていたことが一つ理由として考えられます。
UQ mobileはこの10月までauのLTE NETとほぼ同等の回線で接続していたようです。UQ mobileの接続IPアドレスとLTE NETの接続IPアドレスが一部一致(182.250.xx.xx)しており、その影響でauの回線とリンクした通信速度を記録していました。
更にはMVNOのメールアドレスの中で唯一キャリアメール扱いされる特殊なバックボーンを示唆する仕様や、通信経路の詳細も大体がau本回線と同じということで、ほぼau回線として見て良い状況証拠が揃っていました。
UQmobileとauiPhone6(本家)のトレースルートをとってみた。 本家とほぼ一緒な結果に。 pic.twitter.com/X3oJltkDqA
— Naoki Mukai (@jinguji1) 2015, 9月 23
LTE NETを間借り(?)していたということで、速度も時間帯にほぼ左右されず、MVNOなのに回線品質はほぼMNOに近いという、他社MVNO泣かせな反則最強MVNO格安SIMがUQ mobileの最大の特徴でした。
この状況であったお陰で10月まではUQ mobileはMVNOなのにMNO並みに使えて、速度低下が激しく安定しづらいMVNOの中で安心して使えるベストな選択肢であったわけですが、11月からは事情が変わっています。
11月からUQ mobileはデータ繰り越しやチャージ、高速通信のON/OFF機能を提供し始めましたが、これに伴って接続IPアドレスが変更となりました(27.93.xx.xx)。ドメインホスト名はまだau-net.ne.jpのままではありますが、これによってLTE NETと共通の回線である、という一致性が失われています。
これが速度低下の直接の原因かどうかは判断として難しいですが、au本回線とほぼ同じ回線を提供していたMVNO回線という認識はちょっと改める必要があるかもしれません。
速度低下の兆候が出始めたUQ mobileの速度
では実際に現在の速度状況についてを確認してみましょう。直近の速度低下が見られた11月12日と13日のお昼を観測してみました。
ピーク時以外はほぼ10Mbps前後の速度を見せていますが、お昼のピーク時には1~3Mbpsという遅い速度に落ちてしまっています。
これだけ見ればMVNOとしては合格点でしょう。この速度結果の端にもひっかからないMVNOが多い中で、速度低下の兆しが見えるなんて言っていたら贅沢言うなと怒られてしまいます。
ただ今までのUQ mobileの速度と比べてしまうともの足りません。お昼だろうと何だろうと、時間帯関係なく高速通信が可能だったかつてのUQ mobileと比べると、劣化している印象を強く受けてしまいます。
お昼時に遅くなるという「普通のMVNO」みたいな挙動を起こしており、IP変更や運営事業者(KDDIバリューイネイブラー→UQコミュニケーションズ)の変更といった各要素含めてUQ mobileの速度神話にちょっと不安な要素がもたらされています。
一時的な低下であることを祈りたいが
この状況は11月11日頃から観測された非常に短い期間の速度状況であるため、一時的な現象かもしれません。
まだau-netの回線を使っていますし、お昼時以外は相変わらずの高速な結果を示していますから、UQ側でテスト的にお昼の速度を絞ってみているのかもしれないので念のため注意してください。
仮に接続ネットワーク変更等に伴い「普通のMVNO」化したとしても、他社に比べれば圧倒的な速度であることは現状変わりませんから、MVNOを選ぶならUQ mobileをおすすめの一つに挙げたいと思います。
価格と性能のバランスが抜群なHTL23やSCL23といった組み合わせるのに最適な端末も白ロムとして揃っているため、「格安スマホ」を自前で作るなら端末・ネットワークのパフォーマンスが共に最高レベルのものを調達できることに変わりありません。
しかし過去のUQ mobileに比べるとこの数日劣化しているのは間違いありません。これが単なるテストで済めばいいのですが、11月前後の各種変更点を考えると状況的に難しいでしょうか。ネットワークの品質自体は疑いのないものかと思いますが、昼の速度低下については今後覚悟をしておかないといけなくなりそうです。