今月からUQモバイルで契約しているプランを2GBのプランから500kbps/無制限のプランへと取り換えました。
月々の料金は980円から1980円と2倍ほど値上がり、無制限ながらも500kbpsに速度が限られるということで、これまでこのプランは個人的にあまりおすすめしてきませんでした。
500kbpsという速度自体もキャンペーンで増量されているだけで、元々は300kbpsという低速のためスペック上契約するメリットの感じられないプランだったからです。
ただ実際に使ってみないとやっぱり評価はできないということで、この3月中はUQモバイルでも無制限500kbps回線を使ってみることにしました。
使い始めてすぐのレビューにはなってしまいますが、これまでこの無制限プランを無下にしていたのが悔やまれる結果がたくさん出てきたため、取り急ぎ速度の調査結果やその他気づいたことを紹介してみたいと思います。
結論から言ってしまえば、UQモバイルの無制限500kbps回線は意外にも使いやすいプランの一つであり、利用方法によっては普通におすすめ出来てしまう無制限MVNOの一つになるのではと感じています。
UQモバイルの500kbps無制限回線
まずはUQモバイルの無制限プランについての情報をまとめておきます。
UQモバイルでは2015年3月の時点で選べるプランが2つしかありません。2GB/月のデータ容量が使えるプランと今回特集する速度制限がついた無制限プランです。料金はそれぞれ980円/月と1980円/月となり、無制限プランのほうが高いです。
速度制限がついた無制限プランというと思い起こすのがぷららモバイルLTEの定額無制限プランでしょう。速度は3Mbpsまでに制限されてはいますが、無制限で利用出来て2760円/月です。その他には一応ベストエフォートで150Mbpsを出せるとしているU-mobile・2480円/月やb-mobileの無制限プラン1980円/月が存在します。
これらと比べるとUQモバイルの1980円/月は無制限プランの相場的には安くはありますが、制限速度が300kbpsとぷららの10分の1しか理論値では出ません。一応12月31日までは500kbpsに通信速度が増えていますので6分の1ぐらいまで差は縮まりますが。
実測を抜きにしたコストパフォーマンスでこの4つの無制限プランを比較すると、UQが最も悪いように見えます。制限500kbpsで1980円はちょっとコスパが悪く感じられます。
ワイヤレスゲートWi-Fi+LTEという250kbpsに制限された低速無制限プランのほうに近い存在でありながら、料金はワイヤレスゲートのほうが445円/月なのですからコスパはやはり良くないでしょう。
このコスパの悪さから、今まで使いもせずにUQモバイルの無制限500kbps回線を勧めるのを避けていたわけですが、実際に速度の計測と動画視聴などの実用的な操作をこなした後では、この認識を改めることになりました。
UQモバイル無制限プランは500kbpsを常に超える
ここから実際のUQモバイルの速度について測ってみた結果を示したいと思います。
前回10社のMVNOの速度計測と同じような測定環境です。場所やサーバー、時間帯はそれぞれ同じです。時間帯だけ一部増やしてはいますが。
以下がその速度計測の結果です。この後の機能解説のためにスピードテストアプリのグラフが出ているものを繋げて使用しています。
この結果を見てわかることは、500kbpsに制限されているUQモバイルですが実際の速度は常に500kbpsを超えており、混雑時でも常に速度の変化が少ない非常に品質の良い無制限回線であるのがわかります。
もちろん契約者が増えることでこの状況は今後変化していくかと思いますが、少なくとも今の状態は高い満足度が得れる無制限プランになっています。
10社比較の記事を見ていただければわかると思いますが、U-mobileやb-mobileでは、制限速度を設けておらず理論上は数Mbpsは出るはずなのに、結果は速度も出ないし不安定という散々なものになっていました。
MVNO格安SIM10社の実効速度を主に混雑する時間帯で比較してみた | スマホ辞典
例えば同じ料金で提供しているb-mobileと比較すると、今回のUQモバイルは速度がばらけるような不安定さはないですし、混雑するお昼時でも500kbps以上を確実に出しているため、快適な通信環境と言えるのはUQモバイルのほうと結論付けられると思います。
今まで理論値でおすすめ出来ないなんて判断していましたが、今回の結果でその考えは撤回したいと思います。実際にはぷららモバイルLTEに次いで今無制限プランとして契約するならば安心して使えるMVNOの一つとおすすめできると感じています。
バースト転送機能のような挙動あり
そしてこの速度計測中に気付いたのですが、どうもこのUQモバイルはIIJ系MVNOが備えている低速回線時に役立つ機能である「バースト転送」機能に近い速度の出し方をしています。
IIJmioの200kbps低速回線と、ワイヤレスゲートWi-Fi+LTEの250kbpsの低速回線の速度結果とその測定グラフを用意しました。
上がIIJmioで下がワイヤレスゲートです。
計測結果として出てくる速度は変わりませんが、注目してほしいのは速度の遍歴です。ワイヤレスゲートでは一定の速度で継続して通信しているため、速度を示すグラフに差がありません。一方でIIJmioではグラフが右肩下がりになっています。
これはバースト転送が効いていることによる影響かと思われます。バースト転送は通信開始から最初の3秒ほどは低速という規制がかからず、バンドルクーポンを利用した高速通信時と同じ状態で通信をすることが出来る機能です。こうしたスピードテストアプリの結果には反映されませんが、計測開始直後の速度は数Mbpsの速度を瞬間的に記録しています。
その瞬間的に記録している速度は今回利用したアプリでは縦線グラフに反映されています。計測開始の数秒間だけ、ご覧のように速度が大きく上がっているのが読み取れるかと思います。
結果として出される数字はバースト転送が終了した後の低速回線速度ですが、グラフにはそこまでに出せた速度が結果として残されています。
こうしたIIJ系MVNOが持つバースト転送機能の特徴が、先ほど計測結果として出したUQモバイルの縦線グラフを見ると同様に表れていると見れないでしょうか。
UQモバイル側でこのような機能があることを告知していないので正確な情報としては伝えられませんが、似たような形でユーザー補助機能が組まれているのではないかと感じます。スピードテストアプリで見てると一旦10Mbps近くまで速度を出してから徐々に落ちるというIIJ系のMVNOに非常に近い動きをしているのが見られました。
スマートフォンでの動画視聴はまあまあ
では次は実際にこの回線で各種操作をしてみての体感をレビューとして記録しておこうとおもいます。
とりあえず普通の使い方となりそうなWEBサイトへのアクセスや各種SNSの利用については、元々の速度が700kbpsを超え、バースト転送的機能も補助的に存在しているためか目立つ問題点は見当たりません。
画像が多いと読み込みが完了するのに時間はかかってしまいますが、その間に本文などのコンテンツは表示されているので、画像が重要ではないサイトならば意外とすぐに読み進めることが出来ると思います。
この辺りの操作ならばほぼ速度制限は気にならないかと思います。ですが、これが動画視聴となると読み込みの速度というのはかなり影響してくると感じました。
公式チャンネルが配信するような高画質な動画は軒並み止まりやすいです。映画の4分ほどの予告編では10回ほど読み込みのために停止していました。これぐらいなら気にならないという意見もあるかもしれませんが、個人的にはこの環境で動画は見たくないと感じました。
またこの止まりやすい状態は、日本通信のように動画の画質の劣化・ファイルサイズの圧縮がされた状態で発生します。本家のau回線で同じ動画を比較して見ると字幕の読みやすさなどの違いがハッキリわかるレベルの圧縮がかけられた状態で再生されており、それで10回ほど止まってしまいます。
ただ設定を変えて低画質状態の動画ならばスマホのみならずPCのテザリングでも視聴は何とかこなせるレベルには上がりました。
時々はやっぱり止まりますが、それでも劣化高画質動画よりはストレスは少なくなります。
平均700kbps出てるということで、WiMAX2+の想定する速度規制時の速度がこのUQモバイルの無制限プランと重なるかと思います。UQ社では規制速度の700kbps=「YouTubeの標準画質が見れるぐらい」としていくようですが、確かにこれぐらいの速度ならば大容量ファイルの出し入れをしなければネットも低画質動画も普通に楽しめそうだな、というのを実感出来ました。
ネットは必ずしも快適ではないものの、速度の遅さは料金等含めて許容範囲かと思われます。ネットはWebサイトを見ることぐらいだけど、LINEでスタンプなどを送りまくるから通信量が気になるなんて人には、低価格かつ速度もそこそこな良無制限SIMになるでしょう。気になるのは度々ping値が高いところでしょうか。
今回の結果でどの時間帯でも同じような速度を出せているということで、docomo系の無制限MVNOであるU-mobileやb-mobileよりも確実に使いやすさというものを感じました。
最大500kbpsという理論値からこれまではおすすめしてきませんでしたが、実際にこうして使ってみると500kbps以上の速度を安定して出しており、同じ金額あるいは高い金額を払ってU-mobileやb-mobileの不安定な速度で使うよりもUQモバイルを利用したほうがおすすめだとこれからは言えます。
音声回線を付けてメインで使うにはちょっと速度に心もとなさを感じますが、サブとしてau回線を使った無制限プランを持つには良い内容かと思われます。
2015年12月31日までは500kbpsプランなので、それまではかなり使い物になる格安SIMの一つではないでしょうか。auスマホで通信量を気にしない生活をしたい方には一考の価値有りです。もちろんこの実測700~800kbpsの速度を保っていればの前提にはなりますが。
非常に参考になりました。
楽天モバイルとmineoの SIM を使ってみましたが、速度のグラフはバースト転送を行っているように見えるものになりました。
ところで以下のリンク先をご覧になれば判りますが、UQ mobile のデータ無制限プランは 2015/05/01から送受信最大500kbpsが正式な最大速度となっています。
mineoはバーストありを明言してますね。楽天も200kbpsが出にくいですがバーストを確認できるのであると見ていいでしょうね。
今読み返してみるとUQ mobileのプランのデータが古いものになっているので、時間が出来たら修正しておきます。
文字数が多すぎたかURLは削除されるのか、とにかく「UQ mobile のデータ無制限プランは 2015/05/01から送受信最大500kbpsが正式な最大速度」の件、URLを記入します。