auの通信網を利用したMVNO事業者として「UQ モバイル」が誕生しました。運営はKDDIバリューイネイブラー株式会社になります。
auの通信網を利用するMVNO事業者としては「mineo」に続いて2社目となり、今後はau MVNOの間でも競争が激しくなるかもしれません。
UQという名前が付いているためUQ WiMAXを運営するUQコミュニケーションとのサービス面での連携が期待されますが、ブランド名とそのロゴを借りているだけで今のところ完全に別事業・別会社という関わりであって、サービスの連携は予定されていないとの事です。
既に本格的なサービスインに向けて料金プランの内容や端末セットの調達、実店舗での販売を行うパートナーとなる家電量販店などが発表されているため、その詳しい内容について紹介して行きましょう。
料金や基本的な内容
料金プラン/SIM単体サービスの場合
データ高速プラン | データ無制限プラン | |
データ通信のみ | 980円 | 1980円 |
音声+データ通信 | 1680円 | 2680円 |
データ通信量 | 2GB | 制限なし |
最大通信速度 | 150Mbps | 300kbps (2015年12月31日までは500kbps) |
端末セット/端末購入アシスト加入で分割支払い方式にした場合
端末 | KC-01(端末購入アシスト1240) | LG G3 Beat(端末購入アシスト1450) | ||
料金プラン | データ高速プラン | データ無制限プラン | データ高速プラン | データ無制限プラン |
データ通信のみ | 2220円 | 2920円 | 2430円 | 3130円 |
音声+データ通信 | 3220円 | 3920円 | 3430円 | 4130円 |
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料金プランでは月毎にデータ容量のあるプランと、データ容量のない「無制限プラン」が用意されています。
まず月毎のプランでは2GBの高速通信量がついて税抜き980円となっています。docomo系のMVNOよりも税抜きでは80円ほど平均より高めになっていますが、価格帯として見ると充分な料金設定になっているでしょう。
2種類料金プランが用意されており、この2GB以外のプランはUQモバイルの名目上は「無制限プラン」という位置づけになるそうです。確かにデータ通信量の制限は無いのですが、通信速度は300kbpsという低速さに抑えられています。
300kbpsだとデータ容量には制限は無いのかもしれませんが、実質的な速度規制状態と変わらないため、メリットは薄いでしょう。2GBのプランが容量超過後は200kbpsになるため、規制速度とわずか100kbpsの速度差しかありません。それでいて料金が1000円も上がってしまうのですから、この料金プランは選ぶ価値を見いだせないプランになっています。
しかし2015年の12月31日まではキャンペーンとしてこの300kbpsは500kbpsへと速度の規制が緩められるため、これなら多少は使い物になりそうです。
docomo系のMVNOではぷららモバイルLTEが定額無制限プランとして、月額2760円(税抜き)で提供しており、こちらは速度が3Mbpsまで使えます。docomo系との比較をしてしまうと、かなりコストパフォーマンスは悪い印象を与えられます。
音声プランと解約金
音声プランを利用したい場合は、700円の追加料金をどちらかのデータプランに付けることで可能になります。通話料は30秒20円と他のMVNOと殆ど変わらない料金設定です。
音声プランを契約した場合には最低利用期間が設けられていて、12ヶ月以内の解約には9500円の解約金がかかります。
MNPの転入・転出にも対応しています。
スマホセットで契約し、端末購入アシストへ加入して分割支払いと同じような形式で購入した場合、端末購入アシストの縛りが24ヶ月続き、ひと月経つごとに購入アシスト解約金の料金が減っていく仕組みになっています。
家電量販店ブランドで実店舗販売
UQ モバイルはオンラインショップ上での販売の他に、大手家電量販店を中心に実店舗での販売を行うようです。その際には販売パートナーのブランド名をつけての販売となるようで、「BIC SIM」のような形で各家電量販店の名前が入った形で売られるかもしれません。
家電量販店にはヨドバシカメラ・ビックカメラ・ヤマダ電機といった大手のほか、Joshinやエディオン、ノジマ・ソフマップ・コジマ・ケーズデンキという有名所が並んでいます。
iOS8は未検証
mineoで騒ぎになったiOS8未対応問題について、UQ モバイルではどうなるかが気になるところですが、そもそもの提供SIMカードがmicro SIMのみが提供サイズとなるため、nano SIMに対応したiPhoneでは使えないということで検証は行っていないとのことです。
オプションサービス詳細
SMS | 無料 | テザリング | 無料 |
端末補償 | 月額380円 | 電話基本パック | 月額380円 |
メールアドレス | 月額200円 |
オプションとしてはテザリングやSMS対応が無料になっています。
その他着信転送は無料で、留守番電話は380円のオプションとして利用できるようになっています。
メールアドレスサービスとして「@uqmobile.jp」というアドレスを使ってメールできるサービスが月額200円から用意されています。こちらはGoogleのメッセージアプリ「ハングアウト」を使用します。
このメールサービスは特定の端末でしか対応していません。例えauから発売されたスマートフォンを白ロムで用意しても、本当に一部の端末のみが利用できる限定的なサービスです。対応端末を確認して加入をしてください。
端末セットで契約した場合には端末補償オプションへ月額380円で加入可能です。
故障や破損、水没に対しては上限5000円、紛失には上限1万円で修理対応をするようです。
mineoとの比較
UQ モバイル | mineo | |
料金 | 2GB/980円 | 1GB/980円 |
解約金 | 音声のみ9500円 | データ/音声両方で9500円 |
パケットシェア | 対応なし | 対応あり |
パケット繰り越し | 対応なし | 対応あり |
同じくau回線のMVNOとしてサービスインしているmineoとの比較をしてみましょう。
まず料金とデータ容量についてはUQ モバイルのほうがオトクです。
mineoは1GBで980円の料金がかかりますが、UQ モバイルでは2GB使えて同じ980円という料金です。
料金プランの比較ではUQ モバイルのほうが上と勝負がついています。
また、UQ モバイルでは解約金は音声通話プランを付けた時にしか発生しませんが、mineoではデータプランにも12ヶ月の最低利用期間が設定されています。
iOS8で通信不可能になった問題の時も、このデータプランにも発生する解約金が免除されなくて利用者からいまだに不満が出ていますが、UQ モバイルでは最初からデータプランには最低利用期間を設けていません。
この2つの面でかなりmineoは同じauのMVNOとして不利な状況に立たされてしまいますが、細かいところを見ていくとまだmineoのほうが上回っている部分もあります。
それはパケットを家族内でシェアするオプションと、余ったデータ容量の翌月繰り越しサービスが用意されている点です。
この部分においてはUQ モバイルでは用意していないオプションになっているため、まだmineoの方が比較すると上回っていると言えるでしょう。
実効速度についてはサービス開始後の比較になるでしょうか。
*追記:mineoのみならずMVNO10社で速度比較をしてみました。その結果ではこのUQモバイルはトップクラスの実力を見せています。
MVNO格安SIM10社の実効速度を主に混雑する時間帯で比較してみた | スマホ辞典
端末のスペック
セットになって販売されるスマートフォンは、UQ モバイルオリジナルで調達してきたスマートフォンのようです。
mineoではauから発売されていたスマートフォンのお下がりでしたが、こちらでは京セラとLGの日本未発売のモデルをUQ モバイル用に独自販売します。
スペックをどちらも見てみると、mineoのハイエンドモデル路線と違って格安スマホ路線をとっていることがわかります。端末を見るとmineoとの住み分けがハッキリとわかることでしょう。
KC-01 | LG G3 Beat | |
OS | Android 4.4 | Android 4.4 |
CPU | Snapdragon 400 | Snapdragon 400 |
RAM/ROM | 1.5GB/8GB | 1GB/8GB |
ディスプレイ | 4.5インチ qHD | 5インチ HD |
メインカメラ | 800万画素 | 800万画素 |
バッテリー | 2000mAh | 2460mAh |
LTE最大通信速度 | 100Mbps | 150Mbps |
本体価格 | 2万9760円 | 3万4800円 |
どちらもS400を使った格安スマホ路線の端末です。
日本では派生端末しか出ていないLG G3の廉価モデルと、何気に富士通とシャープに続く形でMVNO向けとして国産メーカー京セラのスマホが提供されています。
京セラのスマートフォン「KC-01」はスペックを見るにY!mobileから発売された302KCのau向けモデルでしょう。各スペックが共通しています。
どちらもWiMAX2には非対応です。
S400に1GB以上のRAMでそれほど負荷の高くない解像度という組み合わせのスペックですので、基本的な動作には不満の出ることはないでしょう。
ただ端末価格が高めで、同じ価格でauからのハイエンドモデルの白ロムを購入できてしまうので、そちらと組み合わせたほうがいいでしょう。
mineoのみしかなかったauのMVNOにようやく別の選択肢が出てきたことは喜ばしいことかとおもいます。料金プラン自体はmineoよりも上ですが、もう少し特徴と実用性のあるプランを用意してくれればという感じもします。
サービス開始後はもう少し各内容が明らかにされるでしょうから、その時にまた追記をしたいとおもいます。
KC-01はSprint向けhydro vibeそのものです
302KCはBoost mobile向けhydro iconにT-mobile US向けhydro lifeの改造ファームを入れたモノです
凄いですね。全く知らない知識だったので参考になります。
isai LGL22とiPad mni2用にこちらを検討していまして、NanoSIMの発売を
するのか問い合わせたところ、発売予定ありとの返信を貰いました。
SIMプロテクト解除にむけ、MVNO業界も加熱してきそうですね。
nano sim出すのですね
iOS8の問題はau MVNOだと解決に時間かかりそうですが、期待はしたいですね。
mineoは来年プランの見直しがあるようです。
現在は「1GBパケットギフトキャンペーン」で毎月1GBで増量されています。
1GBプラン加入中ですが使用量が少ない為、繰越で月初の残容量が4GBになっています。
使いきれません。
多分キャンペーンの増量はそのまま今のプランに無条件で反映させて恒常化する気がします
そうじゃないと魅力薄くなってますもんね。
繰り越しで4GBまで出来るんですね、知りませんでした。
mineoからはhydro life筐体にhydro iconファームそのままのLUCEがリリースされる様です
グロスマの日本市場への転用が激しいですね
Panasonicのインド販売モデルでしたっけ?それもMVNO向けにできそうですしね