マイクロソフトのタブレットPCとして高い人気を博しているSurfaceシリーズの新モデルとしてSurface 3が6月19日に発売となります。国内で発売されるSurfaceでは初となるLTE通信が可能になったモデルとなっており、これまでと違ってWi-Fi環境無しでも通信が可能になり、単体での持ち運びも可能になっています。
国内ではこのLTE版発売に伴い通信キャリアとの提携が行われ、Y!mobileがパートナーとして選ばれています。
Y!mobileではこのSurface 3のLTEモデルに合わせた専用プランを発表し、現在予約受け付け中となっています。このプランは専用プランということもあって、契約期間の長さや各プランのデータ容量とその利用に関する条件が色々と通常と内容が異なります。
SoftBankグループということもあって、契約内容には罠のような部分も含まれており、注意点を理解した上で回線契約をしないと余計な費用のかかってしまう可能性もあるので、今回はそこの部分を説明していこうかと思います。
Y!mobileの契約プラン
Surface 3向けのデータプランをY!mobileでは2種類用意しています。
プランの構成としてはそれぞれスマホ向けに用意されているスマホプランに、タブレット用途のデータ通信用プランに適した割引キャンペーンを適用させることで、通常の基本料金よりも安くしているというものです。
Surface 3専用プラン | スマホプランL | スマホプランS |
---|---|---|
データ通信量 | 7GB | 1GB |
料金 (税込み時) |
3696円 (税込3991円) |
980円 (税込1058円) |
料金プラン内訳 | ・6980円 ・▲3284円(×37ヶ月) (タブレット割引) ・=3696円 |
・3980円 ・▲3000円(×37ヶ月) (タブレット割引(スタートキャンペーン)) ・=980円 |
7GBのスマホプランLでは3ヶ月目まで基本料金が無料です。
専用プランの注意点
- 単純にコスパが悪い
今回のY!mobileが用意してきたSurface用のプランには2つの注意点というかデメリットがあります。そのため先に言ってしまいますが契約についてはおすすめできません。
その一つ目の理由はデータプランが2年縛りであり、安くないということです。
MVNOのデータプラン契約に慣れると、データプランには縛りの無いものと考えてしまいがちですが、Y!mobileの今回のSurface向けプランには2年間の縛りが存在します。
更新月以外の解約には契約解除料として10260円がかかるので、契約前にその費用がかかってしまうことについて想定しておきましょう。
また今回の料金はスマホプランLとSに割引が適用されることで実現している料金で、その割引期間は3年間となっています。以降は500円~1000円ほど割引金額が下がります。
2年契約の更新月を逃してもその後1年間は同じ料金で使えますが、そこからの更新月までの1年間はこれまでよりもコストは高くなります。
そして注意点として本末転倒な気もしますが、単純にデータプランとして安くありません。Y!mobile回線ではSurface 3の国内LTE Band1,3,8にSoftBank網として完全に対応しているメリットはあるものの、そのメリットを考慮してもデータプランとしては安くありません。
それで2年契約の縛りも発生するわけですから、扱いやすさもなく高いというメリットがほとんど見いだせない専用の回線契約になっています。
- 980円で使える・・・わけではない
次の注意点のほうは、今回のSurface向けのプランのデメリットとしてメインの話題になるでしょう。
その問題はSurface向けプランの内の1GBプランに関する契約内容にあります。
恐らくSurface 3を購入する方の半数近くは既にノートPCやタブレットPCを持っており、それを外出先で使えるようにモバイルWi-Fi環境というのも既に確立していることかと思われます。そのためLTEモデルと言えども、実際の通信量は1GB程度あれば平気という考えの元で、980円からの1GBプラン・タブレット割引(スタートキャンペーン)適用プランを選ぼうかと考えている方もいると思います。
この1GBプラン、料金の割にデータ容量が足りない気もしますが、docomo系MVNOよりもLTE Band対応数が多く、速度の出し方も安定しているため、そうした点にメリットを見出せることも出来なくないので、こちらを契約しようとする方もいることでしょう。
ただこのプランは以下のような契約条件が記載されており、使い方によっては980円という当初の想定金額よりも運用費が高くなってしまう危険性があります。
スマホプランS、タブレット割引(スタートキャンペーン)適用には
快適モード(上限回数 6 回以上または無制限)を設定していること
http://cdn.ymobile.jp/corporate/open/agreement/pdf/tabletwari_start.pdf
Y!mobileでは通信量が足らなくなった場合に、500MBのデータ通信量を500円で追加購入する事が出来ます。普段はこのチャージというのは手動で行うため、自分の予算を相談した上で追加出来るのですが、快適モードに加入するとこのチャージは自動で行われてしまいます。
今回最低条件とされる快適モード6回分というのは、およそ追加で最大3GBが自動でチャージされる可能性があるということです。
1GBのプランを選んだということで、1GBに達したら自動的に速度制限がされて遅くなる、という契約ではなくて、1GBに達したら自動的に500MBごとにチャージされ、計4GBまで速度制限のない高速通信が利用できてしまう契約なのです。
なので、それを知らずにこのプランを使い、1GBでもかなりの大容量通信が出来るんだなぁ、なんて思っていると実際には勝手にデータ容量がチャージされており、通信量は3GBや4GBになっていてその分追加料金が発生している、なんていう危険性がこの契約にはあります。
1GBまででうまく抑えれば980円で使えるから大丈夫、という考えも出来るでしょうが、Windows Updateを自動で拾う設定にしていたりすると、それだけでカツカツな残量になりますし、パケ漏れの監視もしにくいOSかと思うので現実的ではありません。
本体のみを購入しMVNOやシェアプランがベスト
このようにデータプランで2年縛り、大して安くない7GBプランと3000円以上の追加料金が自動で発生しかねない1GBプランという今回のSurface向けのプランは、ほとんど選ぶ価値がありません。
実質的にBand 1のみでの運用になるdocomo系MVNOのデータプランによる限定的運用か、同じY!mobileでも前回紹介したNexus 5のMNP一括契約で14GB・3650円を選択、シェアプラン無料追加によるデータ回線SIMを使ったスマホ&タブレットPC運用のほうがコストパフォーマンスは高いです。
特にN5のMNP一括と組み合わせる方法は、多分Surface 3 LTEモデルでベストな運用方法になるのではないでしょうか。使えるLTE Band数とデータ容量、料金では専用プランよりも内容はいいはずです。
[blogcard url=”https://smaho-dictionary.net/2015/06/nexus5-2gb-2030yen/”]
https://smaho-dictionary.net/2015/06/nexus5-2gb-2030yen/
Surface 3は何もY!mobileから購入しなくても、本体のみで購入が可能ですので、本体だけを買って回線は縛りや罠の無いdocomo系のプランで運用するか、Y!mobileの更にコスパの良い上位プランで運用するほうが賢いやり方でしょう。
とりあえず専用プランについては注意点2点と料金の高さからも選ぶ必要性が見当たらないので、購入検討者は本体だけをまずは買うことを考えておけばいいと思います。