2015年から始まるSIMロック解除義務化に合わせて、各キャリアがその詳細について発表し始めました。
従来はdocomoのスマートフォンと、一部のSoftBankスマートフォンのみしかSIMロック解除の対象ではありませんでしたが、2015年5月以降に発売されるスマートフォンは今後原則的にSIMロック解除の対象になることになりそうです。
また従来は店頭での対応のみが対象だったのが、インターネットや電話による解除もその対象になりました。
解除の仕方としてはこれまで以上に気軽には出来るようになりましたが、その代わりにSIMロック解除対応の対象外期間というものが設けられたりと、従来よりも使いにくい部分も生まれています。
現時点で発表されているSIMロック解除の対応方法について、その内容をまとめてみたいと思います。
docomo
docomoでは従来もSIMロック解除に3000円の事務手数料で受け付けていたのですが、5月からの指針に合わせた新たな内容を発表しています。
2015年4月30日までの販売端末
- 従来のSIMロック解除対応
- ドコモショップの店頭のみ受付で、事務手数料3000円
2015年5月1日以降に発売される端末
- 新たなSIMロック解除対応の対象
- インターネット受付・・・無料
- 電話受付・・・事務手数料3000円
- 店頭受付・・・事務手数料3000円
- いずれも購入日から6ヶ月間はSIMロック解除の制限期間で、受付対象外
- 解除受付は回線契約を持った本人のみ
- フィーチャーフォンやモバイルWi-Fiルーターは店頭受付のみも、事務手数料は無料
- iPhone、iPadも新型から対応予定
- 解約後90日以内にSIMロック解除をしなかった場合、その回線と紐付いた端末のSIMロック解除は受け付けできない
- 追記:既にSIMロック解除実績のある回線で契約したスマホに限り、6ヶ月以上間が空いていれば機種変更直後にSIMロック解除可能に
以上のような内容になっています。
これまでのSIMロック解除対応と比べると、無料で解除できるようになった一方、分割でも一括でも半年間SIMロック解除出来ないという縛りが発生するために、改悪と言えるかもしれません。
海外旅行を予定していて現地のSIMカードを使いたいと思っていても、購入から半年経っていない場合は別のスマートフォンを使うしかなく、直近で契約した最新のスマホを海外で使うということは出来なくなってしまいました。
※追記:上記の条件が緩和された修正内容がdocomoから発表されました。一度SIMロック解除したことのある実績を持つ回線があれば、そこから6ヶ月後経過していれば、新たに機種変更した回線でもSIMロック解除をすぐに受け付けてくれるというものに変更になりました。これにより、今後SIMロック解除の実績のある回線があれば、iPhoneの新型も即日SIMフリー化することが可能になります。
これまでdocomoのSIMロック解除サービスを利用してきたのは、海外でスマホを使うユーザーも多く含まれるはずかと思われますが、そうした方々の利便性を無くす縛り期間を設けたのは残念な対応でしょう。
またケータイWatchさんの取材により、本人以外のSIMロック解除は5月以降発売の端末では出来なくなったとの内容も加わっています。これによって白ロムとして購入したdocomo端末は、SIMロック解除の対象外になってしまったようです。
中古スマホ“持ち込みSIMロック解除”はどうなる? ドコモとKDDIで差 – ケータイ Watch
またiPhone、iPadが対応予定であることが明言されたのは朗報でしょう。厳密なSIMフリーiPhoneとは仕様が異なるものにはなると思われるものの、国内においてはdocomoやSoftBankで使いやすくなることは間違いないかと思われます。
ただし問題は端末を契約した回線を解約してしまった場合、たとえその端末の所有者が本人であってもSIMロック解除の受付は3ヶ月間だけしか受け付けてもらえず、それ以降だとその契約した端末はSIMロック解除対象外になってしまうという改悪が同時に果たされています。
iPhoneもSIMロック解除対象という良いニュースがある一方で、多くの制限が入ることになってしまい、本当に必要な方にとっては改悪に近い内容になってしまいました。
au
auのSIMロック解除対応についても公表されています。
2015年5月1日以降に発売される端末(4月発売のGalaxy S6 edge SCV31も対象)
- 新たなSIMロック解除対応の対象
- インターネット受付(要au回線)・・・無料
- 店頭受付・・・事務手数料3000円
- 購入日から180日間はSIMロック解除の制限期間で、受付対象外
SIMロック解除受付の後にSIMロック解除操作が必要
- 解除受付端末に他社SIMカードを挿入
- 電源投入後Wi-Fiに接続
- 指定設定ファイルの更新及び再起動後にSIMロック解除完了
auも180日間のSIMロック解除対応の受付対象外期間が存在します。こちらもやはり残念な対応になってしまうでしょうか。
ただ一方でSIMロック解除の動きに合わせて、解除受付端末で本来のauの規格ではないWCDMA通信の技適を通過させるなど割と積極的な姿勢があり、劣化も見られない分docomoほどのガッカリ感は感じられません。
SoftBank
発表し次第追記
※SoftBankでは5月19日にようやくその指標が発表されました。基本的にはdocomoのSIMロック解除ガイドラインを踏襲した形になりますが、iPhoneには言及がされていません。ただし「原則全ての製品をSIMロック解除対応の対象とする」とされているので、期待は込めてもいいかもしれません。
- インターネット受付・・・無料
- 店頭受付・・・3000円
- 契約から180日後から受付開始
- 解約後からは90日以内の受付
- 解約後は店頭のみ受付
- 原則全ての製品がSIMロック解除
現状SoftBankでしか出ていないAQUOS CRYSTALシリーズがSIMロック解除の対象になることは嬉しい仕様と言えるかもしれません。ただやはり半年待たないといけないのは長すぎると言えるでしょう。
そしてSoftBankの最新の技適通過情報や、発表されている新製品スペックをみる限り、LTEの対応周波数をあえて増加させるということも特にしていないので、docomoで実質的に使えるLTE BandはBand1ぐらいしかないという状態です。なので正直それほど恩恵自体は無いと言っても良いでしょうか。
今のところdocomoとauでSIMロック解除の方針が発表されています。(SoftBankも発表されました。)
両社とも5月1日以降に発売された端末が対象(auはSCV31も対象)となるため、5月1日にiPhone 6を契約したとしてもiPhone 6は2014年9月発売なのでSIMロック解除の対象外です。
また購入後から半年待たないといけないため、最新スマホをSIMフリー状態で使うにはなるべく発売直後に購入しないといけないという事にもなるでしょう。
docomoの改悪具合から見て、大分骨抜きな対応になってしまった感があります。というよりもdocomoの改悪の進め方が酷すぎます。
一方で各スマホにSIMロック解除に対応する機構が出来たことで、非公式なSIMロック解除ビジネスが今後栄える可能性も出てきたと言えるかもしれません。他にも国内向けのモデルがSIMロック解除対応によって海外向けに高く売られていったり、あるいは盗難や不正契約のターゲットにされてしまうなど、これまでには無かった影響が起こるかもしれません。
サポセンに改善要望を出しましたが、docomoの一律6ヶ月間制限というのは改悪でしかないです。
従来同様に店頭で3000円支払ったら即解除手続きできるようにしてほしいです。