MVNO格安SIMの速度調査7月編です。
格安SIMを選ぶのに月額料金が各社ほとんど変わらない料金で比較しても意味がないということで、格安SIMを選ぶ指標として通信速度を見たほうが良い、というのをこのサイトでは提唱しています。
今回もその7月分です。
過去の計測結果は以下に。
2016年3月より計測方法を大幅に変更しています。スピードテストアプリやサイトの結果が現状全く参考になりそうにないMVNOが多いため、そのままその結果を鵜呑みにせず画像や動画ダウンロードの実効速度を計測しています。
[blogcard url=”https://smaho-dictionary.net/2016/03/mvno-speed-review13/”]
検証方法の正確性という意味でどれだけ変更後の方法が有用かはわかりませんが、少なくとも従来のスピードテストアプリやサイトに頼ったやり方よりは実効速度というものを表しているかと思いますので参考にしてみて下さい。
検証方法
検証端末等 | ドコモ系・au系:MR04LN TCP Monitor Plus |
---|---|
検証時間 | 7月4日計測 12時25分~ 16時~ 21時~ 2つの混雑して回線が輻輳する時間帯と1つの空いている時間帯を選んでいます。 |
スピードテストの速度検証 | speedtest.net |
画像のDL速度検証 | 通信の最適化を確認するやつ |
動画の速度検証 | youtube 720P |
TCPモニターの見方
TCPモニターは右から左へとパケットの流れる向きを記録しています。そのため結果の参考として載せてある各画像の右側が測定開始のタイミングになり、そこから左へ進むごとに時間ごとのパケット通信量の推移を確認できます。
一部のMVNOはバーストしており山が大きくなっているので、そっち側が記録開始地点としてわかりやすいかもしれません。
一応記録開始からのグラフには全回線なっていますが、キャプチャーのタイミングで開始点が若干ずれているものがあるのでご了承下さい。
速度結果
下の表はトラフィックモニターを目視しての平均値を算出した結果です。
より詳しいグラフの推移は若干見にくいですが以下のファイルより確認できるかと思います。
https://goo.gl/photos/PHNKE3F9a9jq9xLb9
MVNO | 時間帯 | スピテス | 画像 | 動画 |
---|---|---|---|---|
IIJmio | 12時 | 0.4Mbps | 0.4Mbps | 0.35Mbps |
16時 | 11Mbps | 14Mbps | 10Mbps | |
21時 | 3Mbps | 1.5Mbps | 2.5Mbps | |
DMM mobile | 12時 | 0.75Mbps | 0.5Mbps | 0.6Mbps |
16時 | 10Mbps | 10Mbps | 9Mbps | |
21時 | 3.5Mbps | 1.5Mbps | 2.5Mbps | |
イオンモバイル | 12時 | 1.6Mbps | 0.7Mbps | 0.8Mbps |
16時 | 9.5Mbps | 10Mbps | 9Mbps | |
21時 | 2.5Mbps | 1.5Mbps | 2.5Mbps | |
mineo-d | 12時 | 0.8Mbps | 0.3Mbps | 0.6Mbps |
16時 | 8Mbps | 6Mbps | 4.5Mbps | |
21時 | 1.5Mbps | 1Mbps | 0.8Mbps | |
mineo-a | 12時 | 0.65Mbps | 0.45Mbps | 0.55Mbps |
16時 | 4.5Mbps | 2.5Mbps | 5Mbps | |
21時 | 1Mbps | 1.3Mbps | 1.5Mbps | |
NifMo | 12時 | 0.7Mbps | 0.3Mbps | 0.45Mbps |
16時 | 9.5Mbps | 12Mbps | 8Mbps | |
21時 | 7Mbps | 7Mbps | 3Mbps | |
UQ mobile | 12時 | 5.5Mbps | 5Mbps | 5.5Mbps |
16時 | 5.5Mbps | 5.5Mbps | 5.7Mbps | |
21時 | 5Mbps | 5.5Mbps | 5.5Mbps | |
FREETEL | 12時 | 15Mbps | 1.5Mbps | 2Mbps |
16時 | 13Mbps | 13Mbps | 4Mbps | |
21時 | 3.5Mbps | 1.5Mbps | 3Mbps | |
楽天モバイル(jp) | 12時 | 4Mbps | 0.15Mbps | 1.5Mbps |
16時 | 7.5Mbps | 8Mbps | 6Mbps | |
21時 | 8.5Mbps | 3Mbps | 2Mbps | |
楽天モバイル(co) | 12時 | 4Mbps | 0.2Mbps | 1.5Mbps |
16時 | 7.5Mbps | 6.5Mbps | 6Mbps | |
21時 | 8.5Mbps | 2.5Mbps | 2.2Mbps | |
OCNモバイルONE | 12時 | 1.3Mbps | 0.3Mbps | 0.55Mbps |
16時 | 7.5Mbps | 2Mbps | 4Mbps | |
21時 | 1.3Mbps | 0.4Mbps | 0.8Mbps | |
BIGLOBE LTE・3G | 12時 | 0.7Mbps | 0.75Mbps | 0.7Mbps |
16時 | 10Mbps | 11Mbps | 8.5Mbps | |
21時 | 1.2Mbps | 1.3Mbps | 1Mbps | |
b-mobile高速定額 | 12時 | 0.9Mbps | 0.9Mbps | 0.3Mbps |
16時 | 4.5Mbps | 0.3Mbps | 0.3Mbps | |
21時 | 0.4Mbps | 0.6Mbps | 0.17Mbps | |
U-mobileLTE使い放題 | 12時 | 1.7Mbps | 1Mbps | 1.3Mbps |
16時 | 4.8Mbps | 10Mbps | 9Mbps | |
21時 | 1Mbps | 0.5Mbps | 0.7Mbps | |
WonderLink F | 12時 | 2.5Mbps | 1Mbps | 2Mbps |
16時 | 6.5Mbps | 6Mbps | 2.8Mbps | |
21時 | 0.5Mbps | 0.2Mbps | 0.4Mbps |
UQ mobileはサブブランド回帰で速度が非常に安定
まず今回の速度調査によってかなり特徴的な動きが見られたのはUQ mobileです。
Y!mobile対抗プランやiPhone 5s取扱いによって一度は薄まりかけたau色というのが再度感じられるようになり、auの「サブブランド」化が著しいUQ mobileですが、速度に関しても再び脱MVNO化するのではないかという兆候を見せています。
KDDIバリューイネイブラーが運営していた頃は、ほぼ通信回線がauそのものを使っており、通信速度が落ちない格安SIMとして反則的な存在になっていました。2015年11月より運営がUQに任されたことで、接続先の優遇措置もなくなったらしく通信速度は普通のMVNOと同じようになっていたのですが(この経緯の詳細は以下の記事で)、SoftBankのサブブランドであるY!mobileの契約者数が急増していく中でKDDIグループの方針が再度変更になったのか、プランや取扱いするスマホなどがY!mobile対抗のサブブランド化路線へと展開しています。
[blogcard url=”https://smaho-dictionary.net/2015/11/uqmobile-slow/”]
この中でUQ移行後は普通の格安SIMと同じような挙動だった通信速度にも手を加えたのか、今月の速度状況を見るとなにやら特殊性を感じる仕様になっています。
今月の速度結果を見てみると、通信速度はどの通信方法でもスピードテストアプリの結果とほぼ一致するものとなっており、昼も夜も夕方も関係なく非常に安定した5Mbpsでの通信が記録されています。
偶然こういう結果になったのかもしれませんが、トラフィックモニターの速度グラフが非常に安定したものを見せていることと、過去のUQ mobileの特殊性とこの1ヶ月ほどの運営方針なんかを見ると、再び「普通」ではない「特殊」なMVNOになってきたのではないか、と疑ってしまいます。
7月4日の時点で接続先のIP情報などに変化はありませんが、しばらくUQ mobileについては速度の推移を見守っていきたいと思います。ちょうどWiMAX2の規制時の速度と近いこともあり、色々勘ぐってしまいます。iPhone 5sのキャリアプロファイルも出せてしまうという時点で立ち位置はY!mobileに近くなってきているでしょう。
mineoは増強前の速度ではあるものの、6月からの遅いという評判そのままの結果に
これまで長く勧めてきたmineoが大幅に速度低下中です。特にmineo-dはかなり遅くなってしまっています。
5月下旬から6月上旬までは遅いかな?程度だったのですが、以降は明らかに遅い状態が続いており6月下旬ごろにはそれまで温かい目で見守っていたmineoユーザーもイラついてきてmineoの運営するコミュニティサイト「マイネ王」が速度の遅さから一部炎上しています。
7月上旬には速度改善のための設備投資を実施するとのことですが、計測した7月4日時点では確認できておらず速度は全体を通してみても酷いものになっています。
炎上してユーザーの不満が溜まっていることはマイネオ側でも把握していることですから、早急に手を打ってくれることを期待したいところです。
またこの速度低下とは別問題で、一部利用方法において帯域制御/速度規制をしているのが確認されています。Twitter上などではクラウドサービスのダウンロード速度が明らかに規制値となる数字を記録しているとの報告があります。
mineo dプラン。
Speedtestでは1.5Mbpsくらい出てるのに、Google Driveからのダウンロードになると40KB/sec=320kbpsくらいしか出ない。これは厳しい。 pic.twitter.com/20RdEyYJ6I— こばみ (@umkoba) 2016年7月4日
こちらで確認できたものではGoogle Playからのアプリダウンロードをしようとした時に、明らかに制限された速度に落ちるというのを確認しています。
そもそもスピードテストアプリでも遅めなのでブーストとはまた違った挙動ではありますが、今月はFREETELの実効速度が良く、楽天モバイルも一部時間帯以外は画像や動画制限がかなり軽くなっている中でのこの速度制限は、非常に印象を悪くさせるものかと思います。
個人的には今まで一押しだったMVNOなだけに残念な結果です。
こうなったらもっともっと徹底的に炎上させてしまえば改善に繋がると思うので、状況を良くしたいmineoユーザーは頑張ってください。
IIJ系は不安定ながら平均では正確
トラフィックモニターの速度のグラフでは不安定な部分が今月は目立っていますが、平均してみると各ファイルのダウンロード速度とスピードテストの速度がそこそこ似通って正確性を感じられるのがIIJ系の特徴です。
mineoの評価を今月は色々な側面から下げざるを得ないところが出ていますが、IIJ系はその点ある程度高いレベルの信頼を持ってみることが出来ます。
ただ平均的な速度はスピテスと大きく変わらないという安心感はあるものの、肝心の実効速度ではいまひとつな時間帯が見えているので、その点は不満を感じるところでしょうか。
DMM mobileやイオンモバイルが今回の計測ではIIJ系に分類されます。
FREETELは相変わらずスピードテストで盛ってるも、実効速度自体は優秀
FREETELは相変わらずのスピードテストと画像・動画ファイルのダウンロード速度に大きな隔たりが確認できます。増田社長曰くそういうことはやっていないそうですが、確認はできてしまいます。
流石に目も肥えてきたMVNOユーザーが増える中で、お昼時に15Mbpsなんていうスピテス結果は盛り過ぎて怪しいレベルではないでしょうか。3Mbpsぐらいで抑えておいた方が良さげです。
実際の速度はスピードテストとは異なるものになってはいますが、実効速度という視点で見ると割りと良い数字が12時台16時台は記録されています。12時台で1Mbps前後で推移しているので、この速度ならば十分合格点でしょう。21時台でも同じような速度になっているのは残念な結果ではありますが。
相変わらずなところが目立つものの、一応実効速度でもしっかりしているところはあるようです。
楽天モバイルで問題があるのは12時台ぐらい
トラフィックモニターを利用した通信速度比較を始めてからこの楽天モバイルに対しては厳しい評価を続けていましたが、今月は「rmobile.co」と「rmobile.jp」の両APNでお昼時以外は実効速度含めて問題ない結果になっています。
相変わらず12時台の画像はパケットが流れない状態ではありますが、これまで同じ状態だった21時にはそれが大分解消しています。
これを見て即座に楽天モバイルがおすすめだなんてことは言えないわけですが、状況が改善していることは間違いないようです。
あとはこれがどれだけの期間続くのか、継続性という点でどれだけ信用して良いのかというところに注目していくことになるでしょう。
比較的BIGLOBEが速度通り
BIGLOBEが再び良い速度になっています。BIGLOBEは一時期全く増強や対抗プランを打ち出さない無風状態が続きましたが、昨年終わりごろから再びMVNOの運営に対して積極的になっています。
帯域の増強は6月20日ごろに行われ、その効果が今回の速度結果にはっきりと表れています。
BIGLOBEでもある程度ダウンロードファイルの種類によって速度を絞っているような挙動がみられるものの、そこでの実効速度はある程度高めなので使いやすくはあります。
無料キャンペーンも実施している最中なので、そうしたキャンペーン込での契約ならしてみても面白いかもしれません。
NifMoは目立つところは少ないものの比較的優秀
特に目立って語ることはないのですが、NifMoは今月も各時間帯が良好です。結構安定してきた事業者の一つではないでしょうか。
キャッシュバックキャンペーンも実施中で、SIMカードのみでもP9 Liteのような高品質なミドルレンジスマホとのセットでも安く契約することが可能です。
ただ過去にNifMoの速度が落ちた時はこのキャッシュバックキャンペーン全盛の頃でもあったので、その点も考慮した上で契約をする必要があるでしょう。
その他
その他ではU-mobileが無制限プランながら一部を除いて全体的に良好な通信速度に。規制関係もそこまで酷くありません。速度に安定感がないために使いづらさは度々感じてしまうかもしれませんが、割とポジティブな選択肢にはなるでしょう。
同じ無制限プランで計測しているb-mobileは動画時にほとんどパケットが流れない規制の仕方をしています。
OCNモバイルONEは改善傾向。あえて全体の速度を遅めにしてライトユーザーのみを集めているような印象があり、速度が遅くても不満を持つ声が他のMVNOに比べると少ないです。
7月のまとめ
やはり今月残念なのはmineo。一応増強が近いという話ですが、6月からの炎上の様子を伝えるためにも増強前のタイミングの速度についてを計測しています。
比較的改善の早いMVNOではあるので、もうしばらくの我慢ではあると思われますが、速度以外にもクラウドやアプリDLへの通信規制が確認できているところは速度とは別にがっかりさせられます。信頼性ベースでおすすめ出来る事業者として考えていただけに、今月のもろもろの結果はダメージが大きいのではないかと思います。
対してのUQ mobileはポジティブな意味で今後が気になる内容に。サブブランド色が一気に強まった中で通信速度までY!mobile的な様相を見せるようならば、過去同様速度低下とは無縁の最強格安SIMが生まれる可能性があります。5Mbpsもあれば各用途において不便なく使えるでしょうから、来月以降にどうなっているかをより注目してみていきたいところです。
ドコモ系ではあえて推すならNifMoを。比較的長期間速度を維持し続けているだけでなく、キャンペーンが強めであるために契約の価値はあります。
⇒NifMo信頼性ベースでの選択ならばIIJmioでしょうか。mineoが現状この信頼性ベースでは選べなくなってしまったため、IIJ系が唯一の選択肢になるでしょう。
楽天モバイルは今月相当な改善傾向に。ブースト的動きは一部時間帯に限られています。キャリア的運営に舵を切りだしていますが、こうした取り組みが品質改善につながるなら応援してみたい気持ちになります。
という感じではありますが、まぁ今月はmineoの悪目立ちが一番のトピックでしょうか。これからも個人的には勧めたいと思っていますが、それも7月の増強具合によるでしょう。
DTIモバイルがお試しキャンペーンはじまりましたが、速度などどのようなものでしょうか?一度、ご検討ください。
一応無制限プランは持っているのですが、無制限プランがキャンペーン対象外になったりとちょっとタイミングを逃してしまっています。もしかしたら個別や別の形の比較記事で見ていくことになるかもしれません。
dti今月いっぱいで無料期間の半年が終わるので乗り換え予定です。速度は不満でした。特に夕方から夜が遅かったです。3mbps出ないことも多かったです。下手すると1mbps以下のことも。ちなみに当方は関東南部です。
まぁキャンペーン込みで考えたら1Mbpsで通信できるだけでも良いものかと思いますが、遅くなってしまうのはMVNOの宿命ですかね。
割と速度増強には積極的な事業者なのでもしかしたら長い目で見た時に良くなるかもしれません。
先ほどコメントしたものですが,他のサイト見ていたらDTIはそんなに悪くないようでした.
http://yesmvno.com/speed-hikaku-no2/
ちなみに今12:14時点でスピードチェッカーというAndroidアプリで測定したら下り0.64,上り0.9でした.ご参考になれば幸いです.
DTI通話付きをD◯◯から変更して使用していますが、速度はそこそこ?でもいきなりグーグルナビがカクカクで電波が追いついていないのかな?解約したいけど、12ヶ月は違約金。