新型iPadが発売されました。Wi-Fi版が22日、SIMフリー版が23日、キャリア版(セルラー版)が24日に発売されるという流れです。この記事が読まれる頃には全て発売済みになっていることでしょう。
iPad Air2は従来のiPadよりも薄くなったAirよりもさらに薄くなっています。A8Xプロセッサー、RAMが2GBに大きくスペックアップしており、iPad Airから進化しているのが感じられます。iPad mini3はスペック的に大きな変化はなさそうです。Touch IDが搭載されたぐらいで、目立った変化はありません。
今回はセルラー版が3種類に、Wi-Fi版とSIMフリー版という実に5つの価格が2種類のiPadに3種類の容量で用意されているため、同じ製品でも実に多くの価格が混じっております。
今回はこれらの価格比較と、セルラー版を購入した場合にどういった維持費用になるのか、いくらの料金で使えるようになるのかというのを、計算してみたいとおもいます。
iPad Air2、iPad mini3の価格比較
それではまずは、契約について考えずに単純な本体代金でiPadの価格を比較してみたいとおもいます。
iPhone6plusでは最大容量で10万円を超える価格になりましたが、こちらのiPadではギリギリ9万円台に収まっています。
比較表はWi-Fi版を先頭に、docomo、au、SoftBank、SIMフリーモデルの順で紹介していきます。
iPad Air2の価格
iPad Air2 | Wi-Fi | docomo | au | SoftBank | SIMフリー |
16GB | 5万8104円 (2421×24) |
7万4520円 (3105×24) |
7万3200円 (3050×24) |
7万3200円 (3050×24) |
7万3224円 (3051×24) |
64GB | 6万9984円 (2916×24) |
8万5968円 (3582×24) |
8万5080円 (3545×24) |
8万5080円 (3545×24) |
8万5104円 (3546×24) |
128GB | 8万1864円 (3411×24) |
9万8712円 (4113×24) |
9万6960円 (4040×24) |
9万6960円 (4040×24) |
9万6984円 (4041×24) |
iPad mini3の価格
iPad mini3 | Wi-Fi | docomo | au | SoftBank | SIMフリー |
16GB | 4万6224円 (1926×24) |
6万2856円 (2619×24) |
6万1320円 (2555×24) |
6万1320円 (2555×24) |
6万1344円 (2556×24) |
64GB | 5万8104円 (2421×24) |
7万5600円 (3150×24) |
7万3200円 (3050×24) |
7万3200円 (3050×24) |
7万3224円 (3051×24) |
128GB | 6万9984円 (2916×24) |
8万7480円 (3645×24) |
8万5080円 (3545×24) |
8万5080円 (3545×24) |
8万5104円 (3546×24) |
価格はWi-Fi、au、SoftBank、SIMフリー、docomoの順で安くなっています。
契約なしだとロックのかかったキャリア版とSIMフリー版ではほとんど差がない価格です。MVNO回線を使ってプランを安く考えている場合や、次に高く売れる可能性を考えると、今回はSIMフリー版を購入するというのも多くの利用者で考えるべき方法かもしれません。
これについては最後のほうで触れます。
セルラー版の割引と実質価格
キャリアから発売されるiPad Air2、iPad mini3には、月々サポート/毎月割/月月割といった通信費から割り引いてくれるサービスが存在します。これらを利用して契約するといわゆる「実質価格」で本体代金を計算することが出来ます。
iPad Air2、実質価格と割引
iPad Air2 | docomo 実質価格 (サポート額) |
au 実質価格 (サポート額) |
SoftBank 実質価格 (サポート額) |
16GB | 実質1万2960円 (2565円×24) |
実質1万2120円 (2545円×24) |
実質1万2120円 (2545円×24) |
64GB | 実質2万3760円 (2592円×24) |
実質2万3280円 (2575円×24) |
実質2万3280円 (2575円×24) |
128GB | 実質3万4560円 (2673円×24) |
実質3万4320円 (2610円×24) |
実質3万4320円 (2610円×24) |
iPad mini3、実質価格と割引
iPad mini3 | docomo 実質価格 (サポート額) |
au 実質価格 (サポート額) |
SoftBank 実質価格 (サポート額) |
16GB | 実質0円 (2619円×24) |
実質0円 (2555円×24) |
実質0円 (2555円×24) |
64GB | 実質1万4040円 (2565円×24) |
実質1万2840円 (2515円×24) |
実質1万2840円 (2515円×24) |
128GB | 実質2万5920円 (2565円×24) |
実質2万4120円 (2540円×24) |
実質2万4120円 (2540円×24) |
先ほどの価格ではdocomoが一番高かったのですが、その分を月々サポートを3キャリアの中で最も高くすることでバランスをとっています。
新規契約と機種変更で特に割引額が変わるという仕組みは採用していません。MNPはタブレットのデータプランでは対象外なので、スマートフォンのように高額な割引が用意されているということはありません。
セルラー版の維持費用
価格と割引が判明したのでキャリア回線を使って契約した場合の毎月の通信費用が計算することができます。
キャリア版はiPadを含めたタブレット向けのプランを複数用意しており、適用できるキャンペーンプランによっては大きく内容と維持費用が異なったプランを組めてしまうようになっています。
こうしたキャンペーンは、現在使用している固定回線のプロパイダや契約している同キャリアのスマートフォンのプランによって適用できるものできないものがあります。今回は最も扱いやすい標準的なプラン、多くの方が契約できそうなプランに絞って維持費用を紹介します。
docomoの維持費用
docomoの場合、タブレット向けのデータプランの種類は限られており、何か特別なキャンペーンで毎月の料金が大幅に変わるということはありません。そういったものはauとSoftBankになります。
docomoで計算する料金プランは、iPadで契約可能な新料金プランのデータプラン(スマホ/タブ)を利用したものです。
このデータプランは、1台持ちと2台持ちの一つとして持つ場合で料金が全然違います。このiPad単独で持つ場合は、基本料金の他にパケットプランが3500円以上かかり高額になりますが、2台持ち以降の1台として追加して持つ形にすると、基本料金と500円のパケットプランで契約することができます。
料金プランはこの形で考えて大丈夫です。1台持ちで想定したパケットプランは、データ容量こそ少ないものの、料金が安いデータSパックで計算してみました。
- 1836:データプラン
- 324:spモード
- 540 or 3780:シェアオプションorデータSパックor
- 容量による:月々サポート
- 容量による:iPad本体代金24分割払い
合計額だけをわかりやすいように表に落としています。表内のスラッシュを境に左側がシェアオプション、右側がデータSパックです。恐らくiPadのセルラー版を契約する方は、今使っているスマホと同じキャリアを選ぶ場合が多いとおもうので、2台持ちを考えてシェアオプションの料金を優先的な位置に持ってきています。
括弧内は一括で契約した場合です。本体代金を購入時に全て支払った場合は、こちらの金額が当てはまります。
docomo | iPad Air2 | iPad mini3 |
16GB | 3240円/6480円 (135円/3375円) |
2700円/5940円 (81円/3321円) |
64GB | 3690円/6930円 (108円/3348円) |
3285円/6525円 (135円/3375円) |
128GB | 4140円/7380円 (27円/3267円) |
3780円/7020円 (135円/3375円) |
一括で購入した場合限定ですが、最安でiPad Air2を27円で2台目のタブレットとして使うことも出来るのがdocomoのプランです。
auの維持費用
auだとdocomoのように簡単な計算はできません。契約できるiPad用のプランが、auスマートバリューやauのスマートフォンが契約しているパケットプランに依存します。また最低維持用にWi-Fiスポットプランの料金のみで契約できるプランなどもあり、複雑さは増しています。
ここでは、auのiPad Air2、iPad mini3を検討している方はauのスマートフォンやスマートバリューを適用できる環境の方が多い、という想定の元、auのスマートフォンとセットにした時の料金(=スマホセット割適用)を前提に料金プランを考えてみたいとおもいます。
形はこのようになります。
- 4266:LTEフラットforTab(スマホセット割適用)
- 324:LTEネット
- 容量による:毎月割
- 容量による:iPad本体代金24回払い分割
スマホセット割には、フラットプランを契約しているau回線が必要になります。
括弧内は一括で契約した場合です。
au | iPad Air2 | iPad mini3 |
16GB | 5095円 (2045円) |
4590円 (2035円) |
64GB | 5560円 (2015円) |
5125円 (2075円) |
128GB | 6020円 (1980円) |
5595円 (2050円) |
上の表はスマホセット割で計算した金額です。
例えばauの回線を持っていなかったり、回線はあってもフラットプランで契約をしていなかった場合には料金が上がります。
逆にauのスマートバリューが組める場合には上の表の料金よりも維持費用は下がります。
そしてゼロからスタート定額を選んだ場合には、基本料金がWi-Fiスポットの504円のみになります。それをまとめると、
- 通常契約:表よりも1008円値上げ(2年間)
- スマートバリューとの組み合わせ:表よりも514円値下げ(2年間)
- ゼロスタート定額:基本料金504円、使った分だけ料金が発生、本体代金は別
となります。
その他に今後始まるプリペイドプランを利用することも出来るでしょう。
auタブレット向けにLTEデータプリペイドが開始に!1GB1500円でチャージ
SoftBankの維持費用
SoftBankはdocomoとauを合わせたようなプランになっています。
メインとなるのはスマ放題のデータプランを使った、docomo式の料金プランです。1台持ちか2台持ちでパケットプランの料金が違ってきます。
別の持ち方だとキャンペーンを駆使した内容となり、auのようにまた料金が違ってきます。
とりあえずは正攻法なスマ放題のデータプランを使った維持費用を出しておきましょう。
- 1836:スマ放題タブレットプラン
- 324:Sベーシックパック
- 540 or 3780:データシェアorデータ定額パック・小容量
- 容量による:月月割
- 容量による:iPad本体代金24回分割
docomoと同じで、現在スマ放題でSoftBankを使っている方を前提とした料金プランを優先します。
括弧内の料金が一括契約時なのは同じです。
SoftBank | iPad Air2 | iPad mini3 |
16GB | 3205円/6445円 (155円/3395円) |
2700円/5940円 (145円/3385円) |
64GB | 3670円/6910円 (125円/3365円) |
3235円/6475円 (185円/3425円) |
128GB | 4130円/7370円 (90円/3330円) |
3705円/6945円 (160円/3400円) |
SoftBankでは同時期にiPad セット割と呼ばれるキャンペーンプランを提供しています。
こちらは別の記事で取り上げましたが、かなり内容が変なプランになっています。
基本料金こそ0円に割引されるのですが、その代償としてiPadがレンタル契約扱いとなるため、解約や機種変更をした時にSoftBankへ本体が回収されてしまいます。
注意点はその時の記事を読んでもらいたいですが、なるべくならこのプランへの加入は避けたほうがいいかもしれません。
[browser-shot width=”200″ url=”https://smaho-dictionary.net/2014/10/ipadsetwari/”]
SoftBankのiPad セット割は前代未聞の回収/返却義務(レンタル?)がついてくる
SIMフリーとWi-Fi版
これらの料金が高いと感じながら、それでもiPadを使いたいという場合は、AppleからSIMフリー版かWi-Fi版を購入してうまく安く運用するほうがいいでしょう。
SIMフリー版なら格安SIMという選択肢がありますし、もしも家でしか使わないのならWi-Fi版という考え方もできるとおもいます。
例えばSIMフリー版は、セルラー版と比べてもほとんど価格差は存在しません。そのため格安SIMのプランをキャリア回線の費用よりも安く調達することができれば、コストの面でセルラー版を上回ることができます。
そしてキャリア回線のプランよりも安いMVNOのプランは現在選びきれないほど豊富に揃っているため、料金の安さを追求するならばSIMフリー+格安SIMという方法がいいでしょう。
ただその分速度は混雑時に遅くなってしまうというデメリットもMVNO全般に言えるので、覚悟しなければなりません。
また、iPadに限らずiOSはバージョンアップによって格安SIMが使えなくなる場合があるので、アップデート後の動作が検証がされるまでアプデを自粛するなど、MVNOと組み合わせるときは注意深く利用していかなければいけません。
Wi-Fi版は持ち歩きをしないようならば一番安くていいでしょう。特におすすめなのが、新型のiPad mini3発売で型落ちになったiPad mini2です。
この端末は現在価格が改定されて、3万2000円ほどで購入できるようになっています。7インチ級のタブレットにおいては、その性能と価格のコストパフォーマンスはトップレベルになるのではないでしょうか。
今回は新型の話題ではありますが、新型に合わせて値下げされたWi-Fi版の一部端末は、安さと性能を両立させる驚くべきコスパを実現させています。
今回は、SIMフリー版がほぼキャリアと変わらない価格で出てきて、MVNOもタイミングよく大容量プランなども出てきており、単純にデータ通信を基本とするタブレットとして安く使おうとした場合は、セルラーモデルよりもSIMフリーモデルのほうがいいかもしれません。
キャリア回線を所有していて、速度の低下が混雑時でもされにくい回線で使いたいという場合は、セルラーモデルでもそこそこの料金で使えるとおもいます。
特にauとSoftBankでは、iPadを時々安く売る機会がありますので、その機会に購入できれば今回一括で計算した料金で毎月使えるようになるのでオトクになるかもしれません。
追記:新規一括20,000円~0円の契約が出始める
2015年7月頃から、セルラー版のiPadの値下がりが顕著になってきました。定価については大きなテコ入れはされていませんが、新規一括契約をすることによって価格が店舗割引を適用される形で安くなっています。
特に安いのがdocomoとauで、新規一括20,000円~0円という一応最新モデルでありながら非常に安い一括価格での販売がされています。もちろん全てのお店でこの価格ではなく、一部の携帯ショップでの販売にはなりますが、一括20,000円以下というのは相当にお買い得でしょう。
docomoの場合は新規一括の契約で、家族まとめて割の適用が主に必要な条件です。他にはシェアパック15を適用条件としているところもあります。注意したいのは、iPad2台で一括0円にしているところもあれば、端末購入サポートの適用されたスマートフォンをMNPすることが条件になっている場合もあります。店によって販売価格や条件は全く異なりますので、Twitterで告知している店の条件は電話確認などをしっかりと行うようにしましょう。
auについてはスマホセット割とデータシェアの適用によって一括20,000円以下で売られることがよくあります。スマホセット割はauの既存回線でLTEフラットとそれに準ずるデータ定額プランを契約していることが求められます。要はauユーザーに安くタブレットを売ろうという形で低価格になっています。auの場合もスマホとのMNPが条件にされていることもありますが、docomoよりは安売り・投げ売り価格のiPadは探しやすいので、auユーザーはTwitterやお近くのauショップでiPadの安売りを探してみるのも良いでしょう。