gooが本格的に格安スマホの販売に参入するそうです。
NTTレゾナントはgoo simsellerという販売サイトにおいてこれまで多くの格安スマホを特価で販売していましたが、gooブランドを背負わせたオリジナルSIMフリースマホを国内において展開します。
goo simsellerではこれまでBlade Vec 4GやAscend Mate7を相場よりも安い販売価格で発売したり、7000円以下でPolaroid piguを発売するなどSIMフリースマホの販売では相場よりも安い販売サイトとしてここ1年ほどで高い評価を得てきました。
そのgoo simsellerの成功で手ごたえを掴んだのでしょうか。NTTレゾナントはかつてヒット商品を産んだZTE製のスマホをVAIOスマホのようにオリジナルgooロゴを付けて、『gooスマホ』として格安スマホの提供を開始するようです。
エントリー級からミドルレンジまで
gooスマホとして投入が予定されているのは3種類のスマホで、すべてZTE製のシリーズモデルになっています。ベースとなるのは海外で発売されているBlade L3,S Lite,Sで、国内ではそれぞれg01/g02/g03として登場します。型番が上がるほどにスペックと価格が上がります。
まずは大体のスペックを表にしてみたので何か比較できるようなところがあれば。

g01 | g02 | g03 | |
---|---|---|---|
Android OS | 5.0 | 5.0 | 5.0 |
CPU | MT6582M | MSM8916 Snapdragon 410 | MSM8939 Snapdragon 615 |
端末サイズ | 143.2×72.7×8.9 mm | 144×70.7×7.7 mm | 144×70.7×7.7 mm |
重量 | 150g | 132g | 132g |
ディスプレイ | 5.0inch | 5.0inch | 5.0inch |
解像度 | 480×854FWVGA | 720×1280HD | 720×1280HD |
RAM | 1GB | 1GB | 2GB |
ROM | 8GB | 8GB | 8GB |
LTE対応Band | 対応なし | B1,3,19 | B1,3,19 |
バッテリー | 1850mAh | 2400mAh | 2400mAh |
メインカメラ画素数 | 500万画素 | 800万画素 | 1300万画素 |
フロントカメラ画素数 | 200万画素 | 500万画素 | 500万画素 |
ワンセグ/フルセグ | ×/× | ×/× | ×/× |
SIMサイズ | 標準 SIM | nano SIM | nano SIM |
テザリング | ◯ | ◯ | ◯ |
外部メモリ | microSDHC 32GB | microSDHC 32GB | microSDHC 32GB |
ZTEによる希望販売価格(税別) | 16800円 | 26800円 | 39800円 |
g01はLTE非対応。g02からようやく一般的な格安スマホと同等のスペックが期待できます。
LTEではBand1,3,19、WCDMAでもBand1,6,19に対応になるため、docomo系の回線に最適化されています。
海外での評価
日本では5月1日以降の発売になるものの、海外では既に発売がされていてある程度のレビューを集めることが出来ます。
g03のベースとなるのはBlade S。海外モデルのベンチマークではZenFone 5よりも上の数字をたたき出しています。別段目立って大きな不具合は報告されていないようですが、ユーザーレビューでは個別のアプリアップデート不具合やGPSがうまく効かないという報告が見受けられます。カメラも評判はパッとしないようで、不満が散見されます。
またiPhone 6そっくりなデザインでありながら質感がプラスチッキーすぎて安っぽいという意見もあるようです。実際に安いので仕方ない話ではありますが。
g02はBlade S Liteがベースに。海外レビューは少なくこれと言って参考になるものはなかったものの、S410のRAM 1GBということで一般的な格安スマホと同等の処理能力は保有しているかと思われます。国内ではAscend G620Sあたりと競合しそうでしょうか。Ascendと比べるとFOMAプラスエリアにgooスマホは全てが対応しているため、エリア的には優っていると言えるかもしれません。
最安値であるg01のベースはBlade L3です。海外でも価格が安くありながらLolipopに対応したスマホということで好意的な意見が頻出する一方、ディスプレイが暗い、というよりもタッチパネル等ディスプレイの組み込みが分かれて視差が生じ違和感を感じる、という内容のレビューが見られます。
後はバッテリーに難ありというこの価格帯ではよく見かける問題が語られています。
参考:gsmarena他
OCNモバイルONEとセットの特別価格
gooスマホについて期待できそうな点としては、goo simsellerで予定・予約受付している販売価格が安いという点にあります。
OCNモバイルONEのSIMパッケージとセットで購入といういつも通りの方法で購入すると、通常の販売価格から6000円近く割引され、それぞれ1万円、2万円、3万円(税別)で購入することが出来ます。
goo OCNモバイルONEセット |
g01 | g02 | g03 |
---|---|---|---|
税込み販売価格 | 10800円 | 21600円 | 32400円 |
もちろんSIMの契約は必須ではないため、本体だけ安く手に入れて別のMVNO回線を利用しても大丈夫です。
通常価格だとかなり高い印象を受けますが、goo simseller価格だとスペック比におけるコスパの良いスマホに変わります。
ただBlade Vec 4Gの時のような圧倒的なコストパフォーマンスというのは薄れていて、現状はどれも同価格帯でのコスパは1番手にはなりにくいという評価になるでしょうか。
1万円のg01はLolipop対応ということで希少性はありますが、g02は競合する他社製同価格帯スマホが多すぎること、g03はそれほど競合は多くないものの、下にはZenFone 5、同価格ではAscend P7、少し上にはZenFone 2とコストパフォーマンスに秀でた2社のSIMフリースマホに囲まれているため、価格と性能を中心に比較してしまうと見劣りします。
それでもgooスマホとしてブランド化する流れで、異なる利用方法に1社のスマートフォンでそれぞれアプローチするという売り方は中々に面白く、今後の格安スマホというジャンルの盛り上がりとZTEの日本における展開が刺激されるという点において寄与することになるのではないでしょうか。
実機のタッチ精度やレスポンスといった使い勝手の報告が良ければ、購入に価する格安SIMフリースマホになるかもしれません。諭吉さんを確実に消費することになるため、ちゃんと使おうと考えている方はレビュー待ちがいいでしょう。
販売サイト:goo SimSeller