ドコモとauで発売されているGalaxy S9の実機を触ってみているので、そちらのレビューを行いたいと思います。
動作感やカメラ機能といった辺りの使い勝手の良さがどの程度のものなのか、全般的な項目に注目して評価をしています。
今回も結構な高額な機種となっているので、購入を迷っている方への参考になれば。
価格情報については別記事を参照してください。
ドコモGalaxy S9 SC-02K/S9+ SC-03Kの価格・維持費・お得なキャンペーンまとめ【機種変更/新規/MNP】
Galaxy S9 スペック
Galaxy S9(SC-02K/SCV38) | |
OS | Android 8.0 |
CPU | Snapdragon 845 |
RAM | 4GB |
ディスプレイ | 5.8インチ 有機EL QHD+(1440×2960) |
ROM | 64GB/外部メモリ400GB |
バッテリー | 30円00mAh |
サイズ | 69×148.7×8.5mm |
重量 | 161g |
カメラ | メインカメラ:1220万画素 サブカメラ:800万画素 |
その他機能 | 受信最大988Mbps ワンセグ・フルセグ(イヤホンジャック利用時) IPX5/IPX8防水、IP6X防塵 指紋、虹彩、顔認証 ハイレゾ |
SoCにはSnapdragon 845が採用されています。去年のS8に採用された名CPUとして評判の高い835よりも30%ほどさらに処理能力がアップしたモデルで、こちらのS845もS835同様に高い評価を得ている安定かつ高性能SoCです。
RAMはS9が4GBでS9+は6GBとなっています。大容量のRAMを持つことで複数のアプリが実行中でも現在操作しているアプリの動作が重くなりにくくなりますし、負荷が強くかからないことでバッテリー消費も抑えることができます。
サイズはS8とほぼ変わりませんが、若干縦の幅が狭くなっておりベゼルレス化が少しではありますが進んでいるようです。
S9+との違いはRAM容量とデュアルカメラ、それにバッテリー容量のみとされておりその他の機能は共通です。
底面にはイヤホンジャックが用意されているのでBluetoothはまだ不安だという方にも優しくなっています。
操作のヌルサク感は継続、不満点のない動作を実現
Galaxy S8シリーズを初めて触った時はレビューにも書いた通り感動を覚えるヌルサク感に興奮しましたが、このS9でもそれ以上のヌルサク感を感じられるものになっています。
Galaxy S8+実機レビュー 評判・評価を知りたいなら(SC-02J/SC-03J/SCV35/SCV36)
さすがにS7 edge⇒S8の進化に比べるとS8⇒S9の変化はそこまで大きな感動はありませんが、より吸い付くようなハッキリとしたスクロールが出来たりと細かいところでの快適さのアップというのはしっかりと実現されています。
ゲームも高画質動画もこちらも問題なく動くので苦手な操作といったものはないでしょう。ゲームアプリや動画からの切り替えといったものもスムーズに行えるので、処理能力の高さやRAM容量の高さが活かされているのを実感します。
動作に関しては不満といったところをほとんど感じないスマホとなっており、ほぼツッコミどころがない完成度です。
ベンチマークスコアもまさかの25万点超え。ちょっと前まで10万点超えたスマホが登場したことで盛り上がっていたのを考えると驚くべき進化スピードです。これだけの性能だと出来ないことを探すのが難しいでしょうか。
発熱もS835機種同様に抑えられているものの、S8と比べると強めの負荷がかかると発熱しやすく感じるのは気になります。5月でももう暑い外気温も影響していると思いますが、S8+と一緒にベンチマークを回して負荷をかけるとS8+のほうが大きくて熱が分散しやすいという点を考慮してもS9のほうがハッキリと熱を持つのが早いのを感じます。
ここは後述するデメリットと感じた部分でも触れたいと思いますが、S8シリーズなんかと比べると気になる部分です。
指紋認証の精度がアップ、虹彩+顔認証の併用利用で快適性が向上
Galaxy S8では指紋認証に加えて顔認証または虹彩認証を組み合わせることが出来ました。
2種類の生体認証を使うことによって便利ではあったのですが、S8では特に指紋認証を行うタッチセンサーの位置、そしてそもそもの精度といったものが悪かったため、せっかく2種類の生体認証を使えたのに快適さといった点では今一つなところがありました。
Galaxy S9ではこの問題点が解消されており、指紋センサーの位置が中央になったこと、そしてこれまでよりも瞬時に反応して精度も向上した指紋認証が可能になっており、起動時に若干手間取ることがあるというS8のストレスポイントが大きく弱くなっています。
また従来はどちらかしか使えなかった顔認証と虹彩認証の両方が使えるインテリジェントスキャンという機能も用意されており、顔と虹彩による認証を併用すること可能になりました。
このためマスクや手袋をしていて指紋認証も顔認証ができない状態でも虹彩認証が使えてロック解除が出来る、なんて使い方が出来るようになっています。
同時利用ではなくあくまでも併用となり、一定間隔で認証方法が切り替わるやり方となっていますが、これまで以上に便利かつ精度の向上という進化を生体認証の部分でGalaxy S9は成し遂げています。
機能の豊富さは利便性を上げてくれる
上記の生体認証のインテリジェントスキャンを始めとして、Galaxy S9には便利な機能がいくつも用意されています。
エッジパネルはその筆頭でしょう。シリーズではおなじみになっていますが、様々な便利なパネルを追加して情報量を増やしてくれます。アプリやブラウザ展開中にわざわざホーム画面に戻らなくてもニュースや天気を確認したり、別アプリのショートカットを呼び出すことが出来ます。
普段使っていく上で大変便利な機能の一つです。
スマートキャプチャは別途アプリを入れなくても画面外の範囲まで自動でスクロールして長いスクリーンショットを撮ることが可能なので、LINEの履歴や気になったwebサイトを1枚の画像で保存することが出来ます。
ブルーライトカット機能なんていうのも付いており、暖色を強めることで青色の刺激を弱めて使うことも可能です。
マルチウィンドウも大画面を活かすことで無理なく2画面化できますし、スマートステイとディスプレイオフ時間を調整することでバッテリーの節約も効率良く行うことが出来ます。
パフォーマンスアップを図れる最適化のためのメンテナンス機能や、ディスプレイ表示のサイズ変更や発色変更といった調整も相変わらずしやすくなっているので、より自分好みに扱いやすい設定というのを簡単に実現することが出来ます。
大画面の割に端末サイズはコンパクトさを感じる
Galaxy S9はデザインがS8シリーズとほとんど変更がないということで、画面サイズの割に横幅がスリムで持ち易いコンパクトさを感じる、というメリットを引き継いでいます。
横幅は特にグリップ感にダイレクトに影響を与えるため、ここがスリムになっているのは長く使う時に嬉しいポイントです。
ほぼiPhone 8と同じような横幅ですが画面サイズの広さは1インチほど増えており、スリムでありながら情報端末としての機能も非常に優れたモデルとなっています。
Xperia XZ2なんかとも比較するとスリムでコンパクトなのに大画面というところがさらに際立っているかと思います。
大画面にもかかわらず本体自体はコンパクトであるというのはGalaxy S9の確かなメリットになります。
カメラのインプレッション
Galaxy S9の進化したポイントとして強めに推されているのがカメラ周りです。
撮影モードの増加とレンズがより開放的になり明るさを取り込めやすくなりました。カメラレビューとしては個別にまた別記事を用意したいですが、とりあえず触りとしてある程度の機能や写真の感じを確認してみましょう。
F値1.5の実力は十分。暗い場所でもピントが合いやすく画像もきれいに
Galaxy S9のカメラの特徴として最も推されているのがレンズの明るさです。F値1.5とF2.4の可変という形ですがドコモスマホで最も明るいレンズを持っています。
F値が低いことでこれまでよりも多くの光量を集めることが出来、暗い場所でも明るい写真が撮れやすくなります。シャッタースピードも上がり手振れも起きにくくなるので、明るい絞り値で撮影できるレンズであることによってこれまで以上に綺麗な写真を撮りやすくなるというメリットが起きます。
背景や焦点距離が合わない部分はボケやすくなるのは撮影シーンによって善し悪しがわかれますが、ドコモのスマホの中でも最も明るいF値での撮影が可能なのがGalaxy S9となります。
実際に暗い場所での撮影をいくつか行ってみたので確認してみてください。容量の関係上オリジナルファイルではありませんが大体の様子は掴めると思います。
照明がほとんどついてないようなカフェの中でもノイズも少なく自然な明るさをキープしており、環境を考えると写真の出来以上に明るさをちゃんと反映させているのに満足度を感じます。暗い環境下の中でもモデルさんの顔が陰で黒潰れしてないのは撮影シーンを考えれば上出来かと思います。
次は夜景の撮影となります。こちらだとさらにGalaxy S9が暗さに強いことが感じられるかと思います。
オリジナルファイルの方でもノイズも少ないですし、光量がそこまで多くない夜景の撮影シーンでかなり現実に近い明るさとディティールの表現を見せています。コントラストもはっきりしており加工もしやすい再現性なのも助かるポイントです。一方で若干光量の強い所は白飛びしがちなので、そこだけは注意が必要を感じます。
この夜景に対しての強さはこれまで発売されたスマホの中でも群を抜くものになっているのは間違いないでしょう。スマホでここまで「普通に撮れる」のはコンデジ・デジイチ要らずの環境を加速させます。
料理モードについても比較。暖色が強めの調整がされており、ピント箇所以外の部分のボケを強調する加工がされるようになっています。
実際の写真も撮影前の状態もノイズも少なめとなっているので、明るさがF1.5というのは公式が推すだけあってその実力は十分実感することが出来るでしょう。この暗いところに強いレンズというのはGalaxy S9の一つの魅力となります。
スーパースローモーションや背景加工
撮影機能として増えたのはXperiaなんかで利用できていたスーパースローモーションがその筆頭になります。
Xperiaのスーパースローモーションと同じく960フレームの撮影が約0.2秒間可能になりました。短い時間での撮影になるため、より任意のタイミングに近い撮影が出来るようにモーション検出機能が用意され、四角い撮影ポイントに動きが検出された瞬間にスーパースローモーション撮影が行われるようになっています。
こちらは直接TwitterやInstagramにアップ出来る他、ロック画面に設定することも可能になっています。
もう一つは背景のぼかし加工で、これはS9ではなくデュアルレンズ搭載のS9+のみに用意されている機能です。背景のぼかし具合の強弱を変更出来る他、背景に光があればそれにハートや星型のエフェクトをかけることが出来ます。
加工前提で面白い写真を撮りたい場合にはこれらの新機能が活躍してくれることでしょう。
とりあえずスーパースローモーションについては撮影してみたものの、ある程度被写体とアイデアがないと若干活用しにくいのを感じましたが、ペットを飼っていたりスポーツイベントなどによく行くという方には利用頻度が高そうな機能になっています。
実際の挙動は公式で。
http://www.galaxymobile.jp/galaxy-s9/
精度はともかく翻訳機能もついてきて便利
個人的にはカメラ機能の中で面白いと感じたのは翻訳機能です。カメラを向けるだけで英語など外国語の文章を日本語に変換することが出来ます。
画像は手元にあった生茶の翻訳ですが、まあ精度はまだまだといったところでしょうか。一文としてしっかりした文章であればもう少し高い精度になるかもしれません。
また同じようにカメラを向けた先のものと近いものを探し出してくれる検索機能なんかも用意されており、もうちょっと精度が高まれば面白そうな機能というのが用意されているため、こちらはソフトウェアアップデートで精度が高まるのを期待しています。
気になるのは発熱とバッテリー持ち
良さげなところばかりではなく悪いところも触れておきます。
持ち易い本体サイズながら大画面、処理能力のアップ、体感できるヌルサク感もアップ、カメラもクリアな写真が撮影がしやすくなったことで文句のないスマホとしての評価が妥当と言えそうなGalaxy S9ですが、短い間の中で気になってきたポイントとして発熱とそれに伴うバッテリー持ちに関してはネガティブな評価が強くなります。
バッテリー持ち自体は決して悪くないどころが普通に使っている分には良い方なのですが、発熱を伴ってしまうと結構減りやすい印象を受けます。
発熱は高い負荷を与えると発生しますが、特に感じられたのが複数アプリのダウンロード時やカメラ長時間起動時、ゲームアプリ利用時といったところです。またこれは仕方ないですがARカメラ利用時も発熱は簡単にしやすいです。
発熱をしてしまうとバッテリー消費に対して強く影響を与えてしまっており、電池持ちというところが悪くなってしまいます・・・。
この点はGalaxy S9のネガティブな部分となるでしょう。比較的この部分が強かったS8に比べるとS9には弱さを感じます。
確かな進歩を感じるスマホなのは間違いないがS8からの大きな進化は少なく、価格面も考えると・・・
負荷時の発熱には不満があるものの、動画視聴程度では大した熱を持たない安定感なのでそこまで神経質になる必要はないと思います。ただちょっとした負荷の強まりで熱を持ち、それがバッテリー持ちに影響するのはS9を扱う上での注意点かと思います。
その不満点以外においてはGalaxy S9はカメラ機能やヌルサク感の向上・処理能力のアップといったところでS8からの「進歩」を確かに感じることができます。
しかし正直なところカメラを除いては大きな「進化」はしていないかなというのが実感であり、そこまで写真にこだわらないようなS8ユーザー的には買い換える必要がないかもしれません。
S7 edgeユーザーであればS7 edgeの性能と比べるとあらゆる面で圧倒的な進化を感じることが出来るのでおすすめできるスマホなので、S8ユーザーに対してはマイナーチェンジ感が強く感じられてしまうため簡単にはおすすめしにくいです。
S9単体で見たときには非常に良く出来た機種ではあるのですが、特にドコモユーザーの場合にはS8からの進化が少ない中で発売が継続されているS8と比べて価格差・コスパというのが気になってきます。
S9の価格とS8の価格を比較してみると、性能の多少の差はあるとはいえ価格差が離れすぎている印象があります。
価格 | ドコモ | au | |
---|---|---|---|
Galaxy S8 | 一括価格 | 93,960円 | 77,760円 |
実質価格 | 25,920円 | 46,656円 | |
Galaxy S9 | 一括価格 | 99,792円 | 95,040円 |
実質価格 | 53,136円 | 55,296円 |
実質価格で約2倍の違いがあるわけですが、それだけの違いをS9とS8の間で感じるのはカメラ周りぐらいかと思います。
そのためカメラにこだわらなかったり、性能も快適に使えればそこまで程度の差は求めないということであれば、あえてS8を選ぶというのもドコモユーザーであれば考えてみても良いかもしれません。
どちらも高い満足度を得られるのは間違いないのでカメラ周りや価格差、あとはリセールバリューなんかを考慮してGalaxy S9またはS8といった機種を購入するようにしてください。
なおauユーザーにはそこまで実質価格が変わらないという理由から、それに写真を撮るユーザーには暗さに動じない撮影ができるという理由からGalaxy S9の方を今買うのならばおすすめします。
※ドコモ版はGalaxy S8よりも安い実質10,368円という超コストパフォーマンスの良い価格にまで値下げ
レビュー当時では価格が高かったためにGalaxy S8を契約するのも一つの賢い方法であるとしたのですが、こちらについては度重なる値下げによってGalaxy S9の価格が大幅に下がったため、今ならば圧倒的にGalaxy S9を契約したほうが良くなっています(ドコモ版)。
ドコモのGalaxy S9は1月18日の値下げによってなんと販売価格が実質15,552円という金額にまで落ちました。これはGalaxy S8の値下げペースよりも圧倒的に早いペースとなっており、その性能を考えたときにこの価格というのは破格と言って過言のないものになっています。
しかもドコモオンラインショップでは家族まとめて割が1台からでも適用される限定特典が用意されているため、こちらを適用すると10,368円というもの凄い安さを実現します。
Galaxy S8から大きな進化はしていない・発熱が若干気になるという評価をしていますが、Snapdragon 845のハイスペックモデル+進化したカメラ性能を併せ持った機種が10,368円ということを考えれば、これまでのネガティブ評価を消し飛ばしてしまうほどにお買い得でおすすめできるスマホ契約に進化しています。
性能・機能・カメラ周りにおいて値下げ時点でも他のスマホを上回ってハイスペックなものになっているGalaxy S9を、4万円以上値下げされた10,368円で契約できるというのはまたとないお得でコスパの良い契約内容であると言えるでしょう。
Galaxy S8同様に大幅値下げのあとは在庫が結構な勢いで無くなってしまうため、もしも興味があるなら在庫があるうちに契約をしておきましょう。
契約は各オンラインショップで
Galaxy S9を取り扱うドコモおよびauでの契約にはそれぞれのオンラインショップを利用する事をおすすめしています。
特に機種変更においては必須です。
機種変更の場合には値引きが全く期待できない上に「頭金」の適用が行われてしまいます。
頭金はスマホ契約において本来であれば一切払う必要のない料金で、これがあるとスマホの契約が単なる値上げになってしまいます。
頭金が課せられる理由はショップの利益のためとなっており、実態としては頭金という名よりも「販売店手数料」という名称の方が正しいものになっています。
この頭金が店頭では大体かかってしまい、しかもその金額も5,400円や8,640円なんて高額なものになっており、店頭契約ではその分値上げした価格での契約になってしまいます。
この頭金を0円で契約できる数少ないショップが、各キャリアのオンラインショップです。各オンラインショップともにキャリア直営の販売店となるため、店頭ショップのように利益を求める必要性がありません。
そのために頭金もないし不要な追加契約なんかも付けられる心配はありませんので、値上げされるような心配もなく結果的に店頭で契約するよりもお得に契約することが出来ます。
MNPや新規は値引きがあるので店頭のメリットは多いのですが、機種変更においてはオンラインショップを利用することが最も安く購入できる方法となります。
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