9月からIIJとOCN、そしてそれらのMVNEを中心に、料金そのままに格安SIMのデータ容量を倍増させるMVNOが現れてきました。
従来の1GBから2GBへと使えるデータ容量が1000円ほどの料金のまま使えるようになったのは、MVNO界では大きな転換期となりました。
ちょうどSIMフリーiPhoneの発売と重なって、その安さとデータ容量の多さに注目も集まっています。
IIJとOCN、そしてBIGLOBEは格安SIMの中でも上位に入る安定した通信のできるMVNOで、定番の選択肢とされる3社として評価の高いMVNOです。あの日本通信がこの3社の対抗プランを用意するのですから、業界内でもとりわけ存在感のあるMVNO事業者であるのは確かです。
この内IIJとOCNは9月の時点で10月からのデータ容量増額という新たな一歩を踏み出したのに対して、BIGLOBEは10月に入ってもプラン増強のアナウンスを流すことがなく、ようやく10月の後半、この23日に11月からとひと月遅れでIIJやOCNに追随することとなりました。
業界内でもトップにいるBIGLOBEがこれほど反応が鈍かったのは、なんとなく眺めているこちら側にしては心配ではあったのですが、ひと月待たせただけあって11月から開始されるプランは、IIJやOCNが用意してきた格安SIMのプランと比べても、最も内容のいいものに仕上げてきました。
今回はこのプラン改定のニュースと共に、改めてBIGLOBE 3G・LTEの特徴を紹介したいとおもいます。
11月の新プラン
11月から既存の料金プランは月額料金はそのままの状態でデータ容量が増えます。そしてその増加量も2倍以上という大きく変わってきました。
これまでは1GB、2GB、3GB、7GBというデータ容量で、料金が900円~3790円というプランでしたが、これが料金は据え置きながら2GB、5GB、8GB、10GBという内容に増強されました。最も容量の多いプランは7GB→10GBと3GBほどの増加とさすがに抑えられていますが、その他のプランは2倍以上従来のデータ容量よりも増えています。
11月以降の料金プランを表にしてあります。
スタート プラン |
エントリー プラン |
ライトS プラン |
ライトM プラン |
スタンダード プラン |
|
データ容量 | 1GB | 2GB | 5GB | 8GB | 10GB |
データプラン 料金(税込み) |
- | 972円 | 1628円 | 3065円 | 4093円 |
音声通話付き 料金(税込み) |
1728円 | 1944円 | 2597円 | 4037円 | 5065円 |
5GBプラン以降の圧倒的コストパフォーマンス
この表を見て頂くとわかるかもしれませんが、5GB以降のプランがそのデータ容量と比べても安すぎています。
IIJが出した新プランに4GBで1641円(税込み)というものがあり、こちらも充分過ぎるほど低価格なデータSIMになっているとおもうのですが、BIGLOBEが仕掛けたプランでは1625円(税込み)で5GBとIIJよりも安くてデータが増えているプランを繰り出してきました。
この安さは圧巻です。音声通話付きのプランでも2597円(税込み)で電話+5GBというキャリア回線級のスマートフォンを持てるわけですから、そのコストパフォーマンスは相当なものです。
1ヶ月遅れでプランを出した鈍さを、プラン内容で見事に挽回しているとおもいます。
8GBは3065円(税込み)、10GBは4093円(税込み)とこちらも中々な料金です。10GBはSIMカードが3枚付くため、複数のスマートフォンやWi-Fiルーターなどに利用できるでしょう。
docomoが同じ10GBのシェアパック10で10260円かかるのに比べると、複数の端末にSIMカードを安く利用したい場合にはこのプランは料金の安さ込みで代替案として考えられるでしょう。
音声通話付きプランはスタートプランだけ増量から除外
かなり勝負に出たBIGLOBEですが、ここで一つ注意すべき点があります。
それは一部の音声通話付きプランはこのデータ容量の増量には対応していないという点です。
「音声通話スタートプラン」という1GBのデータ容量を持つ音声通話付きのプランです。このプランだけが唯一データの増量から対象外にされています。
それではBIGLOBEの音声通話は1GBの次のプランは5GBになるのか、と感じるかもしれませんがそうではありません。ちゃんと1GBデータの音声プランも2GBに増量されます。
どういうことかと言うと、BIGLOBEには1GBのデータ容量が付いた音声通話プランが2種類存在しています。それが今回増量対象外の「音声通話スタートプラン」と増量対象の「音声通話エントリープラン」です。
音声通話エントリープランは、スタートプランと同じく1GBのデータ容量ですが、こちらは11月から料金そのままに(1944円)2GBのデータ通信ができるようになります。
同じようなプランが2つあるのがよくわからないかとおもいますので、その違いについて解説しておきましょう。
今回増量されない「スタートプラン」は「エントリープラン」と比べて
- 3日間で120MBまでの通信量制限がある
- イオンスマホなどに使われている
- 216円安い
という違いがあります。
200円ほど安い代わりに規制が強くなるイオンスマホ向けのプランで、今までは3日制限が気にならなければ安くはあるプランであったのですが、今回データ容量に差が1GB以上ついたことで、「エントリープラン」との差がかなり広がったように感じます。
そのためこのスタートプランについては11月以降例え数百円ほど安かったとしても、データ容量が倍増しているため、スタートプランを捨ててエントリープランへと変更したほうがこれからは使いやすくなるでしょう。
現在スタートプランを契約している方は、11月以降はエントリープランへの変更を予約しておいたほうがいいかもしれません。
規制・制限、Wi-Fiスポット、口座振替
その他BIGLOBE 3G・LTEに関する情報をまとめておきます。
まず規制についてはデータ容量を使い切った時はもちろん、3日間で規定量を超えた場合にも速度制限があります。新プランにおいて2GBは360MB/3日、5GBで600MB/3日、8GB・10GBで1GB/3日という通信量による規制があります。
これに引っかかると速度が200kbpsに落ちます。3日規制については厳密に適用されるわけでは無いようで表現的には濁されています。
youtubeを格安SIMで見る方は少ないとおもいますが、画質の劣化や速度を絞っているということは感じられないので、SoftBankや日本通信よりもデータ容量さえあれば確実に快適です。
昼時が遅いのはどのMVNOもそうですが、BIGLOBE 3G・LTEの場合は夜間もちょっとスピードが落ちます。といっても数Mbpsは出ますが、手持ちでOCNと一緒に使っているとそちらのほうが速度は出ます。
夜間はほぼWi-Fiで済ます方が多いとはおもいますが一応ここは弱い部分です。
*追記:ここ最近大きく速度が落ち込んでいます。1Mbpsすら出てこない低速な環境になってしまい、これまで勧めてきたレベルではもはや使えない状態になっています。
速度の改善があればいいのですが、残念ながら今の状態ではおすすめ出来ない低速回線に成り下がっています。
Wi-Fiスポットが追加料金無しで使えますが、Wi2プレミアムスポットへの無料接続は終了してしまっています。それでもチェーン店などを中心にそこそこ使えるところがあるので、時には役立つツールになってくれるでしょう。
そして口座振替でも契約できるため、クレジットカードがなくても契約できます。
(今のところ)最強に近い格安SIMに
docomoの黒卵を使って結構最初のほうからMVNOとしてのBIGLOBEは使っていますが、一度大きな低速トラブルを起こして以降は安定して使えるMVNOであることは体感しています。
プラン内容も良くてこれまでもおすすめのMVNOとして紹介してきましたが、今回のパワーアップ内容はついにトップに立つんじゃないかと感じさせる勢いのあるものになっています。
BIGLOBEのポータルページをみても格安SIMに力を入れているのがわかりますし、IIJやOCN同様にMVNOとはいえ安心して回線を任せられる事業者だとおもわれます。
これから格安SIMを選ぶ人にはぜひとも候補に入れて欲しい1社です。
BIGLOBE LTE・3G
5GBのライトSプランを使用しています
LINEや無料ゲームアプリなどを入れています
これらをどのくらい通信したら3日間で600MBこえてしまいますか?
ちょっとその辺り詳しくないのですが、写真とかを何度も送受信しない限りはLINEで一日50MBを超えることはまずないかと思うので、それほど気にする必要は無いと思いますが。
BIGLOBE 3G・LTEは、2年ほど前から使っていますが、開始当初は通信速度が安定しなかった(Youtubeの10分程度の動画ですら途中でブチブチ途切れる)ので「これは失敗だったかな?」などと思っていた時期もあったのですが、最近はだいぶ安定してきており、満足しております。(10GBのプラン・SIMカード3枚で利用中。)