夏モデルとしてはdocomoとauから3端末登場する予定のAndroid搭載フィーチャーフォン、通称ガラホ。既にdocomoでは発表された2端末、AQUOSケータイ SH-06GとARROWSケータイ F-05Gが発売されています。
そこから遅れること1ヶ月、ようやくauの夏モデルガラホも発売されるようで、価格や毎月割などの情報がでて来ています。
docomoモデルのガラホではどちらかというとまだガラケーの延長線上にあり、プロトタイプのような印象の造りになっており、洗練された機能や使い方が出来るのはもう少し先のモデルまで待たなければいけないと結論付けていますが、今回のauガラホはかなりの本命感があります。
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https://smaho-dictionary.net/2015/05/galaho/
docomoガラホで指摘続けた問題点の克服がされており、機能性や利便性という視点からガラホを購入しようという考えなら、一番の選択肢になることは違いないでしょう。
今回はこの本命ガラホAQUOS K SHF32の価格や料金プラン、維持費といった部分から、docomoの2端末との比較からその良さを考えてみたいと思います。
価格と毎月割
発売日についてはまだ詳細はでて来ていませんが、価格や毎月割は公表されているのでまずはそちらを確認しておきましょう。公表されている毎月割は36回毎月割のみとなっています。24回毎月割で増額があるかは不明です。SHF31だと36回毎月割で▲700円なのですが、これが24回となると▲1170円になるため、SHF32においても24回毎月割によってより安くなる可能性は高いです。
※追記:発売日は7月17日となりました。
AQUOS K2 SHF32 | 機種変更 | 新規 | MNP |
---|---|---|---|
販売価格 | 43,200円 | 32,400円 (10,800円割引適用時) |
|
毎月割(36回) | ▲300円 | ▲600円 | ▲600円 |
実質価格 | 32,400円 | 21,600円 | 10,800円 |
新規・MNPだと普通のガラケーとあまり変わりない価格ですが、機種変更だと若干高めでしょうか。
料金プランと機種変更・MNP維持費
docomoではガラケーのプランがそのまま適用されたガラホ。良く言えば馴染みのあるプランで使えますが、悪く言えば手抜きな印象を受けました。
auでは料金プランはガラホ専用の特別プランを用意しています。そしてこの専用プランがSHF32をガラホの本命足らしめている要因の1つです。
専用プラン(VKプラン)は料金の面で何か特別安いということはありません。専用化されることによって得られるメリットは、2段階制のプランにおいて下限に設定されている通信量が多くなったという部分です。下限となる通信量が多いことで、スマホ向けサイトやLINEアプリの利用時に、上手くいけば下限内・2段階定額の最低料金内で収まる可能性が生まれています。
docomoではガラケーの料金プランをそのまま流用していることで、下限の通信量が1MBにも満たないということでパケット通信時の注意点として取り上げましたが、auの場合は下限で10MBという比較的大容量なデータ容量を使っても最低料金内で収まるため、LINEなどを楽しみながら安い維持費でガラホを使える可能性があります。
10MB以降は1KBの通信ごとに0.02円課金され、4200円の上限のデータ通信量も190MBとガラホで使う分には大容量な通信量が設定されています。最大2GBまで高速通信の対象で、それを超えると128kbpsの速度に落ちます。
というわけで維持費の計算はこの2段階定額プランをパケットプランに使った場合を想定して計算してみます。どちらも機種変更を前提としました。
SHF32 機種変更 | VKプランS | 電話かけ放題(VK) |
---|---|---|
基本料金 | 1077 | 2376 |
LTEネット | 324 | |
ダブル定額(VK) | 540~ | |
毎月割(36回) | ▲300 | |
合計 | 1641円~ | 2940円~ |
SHF32分割料金(24回) | 1800 | |
分割時合計 | 3441円~ | 4740円~ |
2段階定額の通信量が10MBまで最低料金で使える点は、あえてガラケーではなくガラホを考えている層の「LINE需要」などに沿った的確な仕様になるでしょう。数枚の画像が送られてきただけで従量制へ突入するdocomoの2段階プランと比べると良心的であるのが感じられます。
この他にも基本料金の部分は「VKプランS」、「電話かけ放題(VK)」以外にも選べるものがあり、それぞれ無料通話に関する特典内容が違います。
下記にあるようなそれぞれの特色、料金で使えるプランが基本料金として選べます。
VKプランS | 998円 (税込1077円) |
1,100円分(27分間)の無料通話 |
---|---|---|
VKプラン | 998円 (税込1077円) |
au間通話が1時~21時まで無料 |
VKプランM | 1620円 (税込1749円) |
2,600円分(65分間)の無料通話 |
電話かけ放題(VK) | 2200円 (税込2376円) |
一部通話先を除き通話料定額 |
多機能本命ガラホ
更にSHF32は料金プラン以外にもdocomoの2モデルよりもより「ガラホ運用」に最適化されており、この夏モデルガラホの中でも最も選ぶ価値のある端末になっています。
Wi-Fi接続が可能
docomoのspモードガラケーでは、2段階制のプランがすぐに上限に達してしまう事が一つの問題点として指摘しましたが、もう一つWi-Fi接続が使えない点も使いづらさを押し上げる原因となっています。
Wi-Fi接続が出来ないことによって、通信は必然的にspモードを介したパケット通信が求められます。そして2段階制のプランにおいては下限が1MBもないということで、「LINEが使える」というガラホのメリットを享受するにはパケット料金は上限の4200円がかかることを覚悟しなければなりません。
ガラケーでLINEがしたかった方の多くは「ガラケーの料金でLINEをしたい」という需要を持っていたことでしょうから、4200円のパケホフラットの料金がかかってしまっては、結局スマホを契約するのと料金的にはほぼ変わらないということになります。
auのSHF32では、パケットの2段階定額も下限が10MBと非常に余裕のあるデータ容量がありながら、Wi-Fi通信に対応していることでau回線を使った通信量の消費を大幅に抑える事ができます。
Wi-Fi環境下での利用を徹底する事が出来れば、SHF32でLINEなどを十分に活用しながら従来のガラケー並みの料金で使うことが出来るでしょう。
VoLTE、おサイフケータイ対応
docomoモデルでは3Gのみの対応、auの前モデルSHF31でも3Gのみの対応でしたが、SHF32ではLTEに対応しその通信網を利用したVoLTEにも対応を果たしています。
特にauにおいてはVoLTE対応は非常に高いメリットでしょう。auのCDMA2000の通話品質はかなり悪く、ノイズはまだマシで声が途切れることもしょっちゅうある通話回線のため、VoLTEによる高品質回線の対応は通話に適したガラケー型端末にとっては待ち望んでいた機能でしょう。
他にもdocomoモデルにはないものとしてはおサイフケータイへの対応も見逃せないでしょう。
SHF32はケータイに必要とされる機能をフルに入れており、前端末のSHF31やdocomoの2端末は実験的な側面が強い印象があり機能も制限されていますが、SHF32はフルスペックでの登場となり本命としての位置づけは当然かと思われます。
あとは防水機能も何気に嬉しいでしょうか。
実際の使い勝手については触ってみてからにはなりますが、機能・スペックの充実度では最も「買い」な端末が出てきたと言えるでしょう。
今あるAndroidケータイの中では今回のそれぞれの機能やタッチクルーザーEXなどで使いやすさは一番になると思うので、ガラホが気になっていた方はこの端末をまず考えてみては如何でしょうか。
いつも楽しく拝見させて頂いております。
ガラホのプランの「無料通話分」ですが、ガラケーのように「5000円まで繰り越し」が出来ないような記述があります。
数年後、ガラケーが無くなった頃には、「繰り越し」というが概念が無くなるのでしょうかね?
「皆さん、全員話し放題に加入してくださいネ 」的な発想がありありと感じます。
ちょっと嫌なプラン設定と感じたので、ご報告させて頂きました。
あー、そこまでチェックしていませんでした。それはauのガラホプランのチェックポイントになりそうですね。docomoがFOMAに繰り越しを改悪ながらも残しているのに比べると。
かけ放題が出来た時点で、通話プランに不満があるならカケホにすれば?、というような態度は各社とってきているのは確かでしょうね。