auがdocomoとSoftBankにならった新料金プランを発表しています。その名も「カケホとデジラ」です。
基本的な料金やサービスについてはdocomoのカケホーダイを踏襲しているところが多いため、docomoの新料金プランを調べていてある程度の理解がある方には、すんなりと理解できる部分があるでしょう。
一方でパケット通信のデータ容量の分け合いについては、docomoがシェア方式をとっているのに対して、auでは違うアプローチをとって来ており、家族間で同じプランにした場合にdocomoとauでは料金面で大きな差が生まれるようになっています。
今回はこのauの通話定額プランにおける注意点を含めた解説をしたいとおもいます。
通話定額プランが基本料で、6つのデータ容量プランと組み合わせ出来る
プランの料金や組み合わせ方は、すでに発表されているdocomoのカケホーダイと同じような内容です。
「通話定額プラン」+「ISPサービス」+「パケットプラン」という形になり、ここに「毎月割」や「オプション料金」、「本体の分割代金」というのが契約によってはついて来ます。
通話定額プランは、「電話カケ放題」という名称になります。スマートフォンは2700円、ガラケーは2200円とdocomo・SoftBankと同じです。
一方で、データプランについては他社以上の選択肢を提供しています。個人向けのデータ定額プランを6つのデータ容量から選ぶことが出来るようになっています。最少2GBのデータ容量から最大13GBのデータ容量を選ぶことが出来ます。
パケット料金は3500円から9800円(税抜き)ということになっています。それぞれにスマートバリューが効かせられますが、選ぶコースによって割引される料金が違います。
今のところデータ契約必須の改悪
データ容量の豊富さによって、選べるプランが増えたようにおもえるauの電話カケ放題プランですが、選べなくなったプランもあります。
それは、データ契約無しの契約です。
これは6月時点の発表ですが、auのスマートフォン向け電話カケ放題プランは、データ契約が必須になり、通話定額プランだけで契約することは出来ないという案内になっています。
このため、auの新料金プランで契約する時は、2700円の電話カケ放題と最低でも3500円かかるデータ定額プランの契約が必要で、6200円の出費が目安として最低でもかかるということになります。
auの最低維持費用は、何も手を打たないと6200円はかかってしまうことになります。
ただし、2014年7月1日から8月12日の間は、スマートフォンの契約でもパケットプラン無しで通話定額プランのみを、契約変更を通じて選ぶことが出来ます。
ガラケー用の通話定額プランはダブル定額廃止
ガラケーでも電話カケ放題を提供していくようですが、これまでのようなダブル定額と呼ばれる、ネットを使わなかった時は安く、使っても上限が決まっているプラン、というものがなくなってしまい、パケット料金が定額のデータ付きプランでパケット代3500円を払うか、パケット代は0円だけれども使った分だけ料金が発生する従量制プランの2つしか選べなくなりました。
ガラケーを使う方にとって通話定額はとても魅力的ですが、パケットフラットかパケット無しの従量制という極端なプランしか用意されていないのはとても残念なことでしょう。
ガラケーをお使いの方はネット用に格安スマホを用意しておくのがいいでしょう。
従来プランの廃止は未定
この新料金プランの登場で、従来のプランの扱いが気になるところかとおもいます。docomoやSoftBankは廃止してますし、基本料金が値上げになるので選択肢としては残して置いてほしいのが正直なところでしょう。
従来プランの扱いについては、2015年2月で新規受付を終了するというアナウンスがauの公式サイトに出されていましたが、これは現在見れなくなっており、従来プランの終了時期については未定になっています。
しばらくは残されるのか、それとも改めて終了時期が告知されるのかはわかりませんが、若干の希望は今のところある状態です。
家族間のシェアではなく、プレゼント方式
auの新料金プランがdocomoやSoftBankと違うところは、パケット通信量がシェア方式ではなく独立しているということです。
家族でauを契約していても、パケット通信量や通信料を共有することは出来ません。
その代わりに、「データギフト」と呼ばれるサービスで、パケットのデータ容量を家族間でプレゼントすることが出来ます。
0.5GB単位で家族に自分の契約しているデータ定額プランからデータ容量を送ることが出来ます。
家族全員がデータ契約加入が求められ、docomoと比較すると割高
ただこのデータギフトについては、料金もシェア出来るdocomo方式とは違うために家族全員が電話カケ放題に入ってしまうと割高になってしまいます。
docomoでは例えば10GBのデータ容量プランを家族3人で分けた時は、代表回線がまず10GBのプランを契約することで、残りの家族2人は500円のシェアオプションというシェア用のプランに加入することで通信料と通信量を家族全体でわけ合えることが出来ました。
料金の内訳は9500円+500円×2人分で合計1万500円が家族のパケット料金になります。
auではこうしたシェアに非対応でギフトにしか対応していません。
ですので、通信量のシェアは出来たとしても、通信料のシェアは出来ずに家族全体でパケットプランを加入する必要があります。
例えば家族全体で10GBのデータ容量を契約しようとすると、3+3+3で9GBと10GBに満たない場合でも、データ定額プランの4200円が3人分かかります。この時点で10GBに満たないにも関わらずdocomoよりも高い1万2600円というパケット料金がかかります。
これは3人家族ですから差はまだ許容出来ますが、4人5人と家族が多くなるごとに500円のシェアオプションとauのデータ定額プランの差が広がっていくので、家族で同じキャリアを使っている方にはdocomo以上のメリットが出なくなっています。
一方で個人ですとパケットプランがいくつも選択できるため、docomoやSoftBankよりもプラン選択に柔軟性が生まれるとおもいます。この点ではauの電話カケ放題もメリットがあるかもしれません。
学割は継続、auにかえる割は廃止
最後に、新プランへと契約変更した場合、LTEプランについてきた学割やauにかえる割といった基本料金割引キャンペーンは、学割が継続して934円の割引が付き、auにかえる割はプラン変更で消滅してしまうということです。
ですので人によっては、プラン変更をすることで大損をしてしまう可能性がありますのでご注意ください。
今回のauの新料金プラン「カケホとデジラ」の要点ポイントはこんな感じです。
家族で使うとdocomoよりも厳しい料金になってしまうので、そこは絶対に注意しておくべきところでしょう。
docomoでは月々サポートを使う節約方法がありますが、今のところauではそのような節約方法がこの発表内容からは見つけられず、維持費用を安くしたり節約するのは大変になりそうです。