auが新料金プランを発表しました。
これまでの料金プランはそのままに、新たに端末とプランを独立させたMVNO格安SIMやサブブランド系のプランに対抗した料金プランを用意してきました。
既にauの公式サイトにおいて詳細が発表されていますが、イマイチ内容がわかりにくいので個人的な理解を深めるついでに今回の記事を書いていきたいと思います。
今回発表された新たな料金プラン含めオプションは以下の3つです。
- auピタットプラン
- auフラットプラン
- アップグレードプログラムEX
この内最も気になるものと言えば新料金プランとなる2つ「auピタットプラン」「auフラットプラン」でしょう。
日経新聞の事前報道では通信料が従来から2割ほど値下がりするということで期待値も高かった内容かと思います。
ただ実際発表されたプランが未だによく分からないことが多く、また公式に20近い注意事項が記載されていたりと今auを使っているユーザーは色々としっかり確認してから変更などを行わないと本当にお得になるかどうかがわからないため、ここでは契約前に確認しておきたい注意点についてをまとめておきます。
auピタットプランについて
概要
- ~1GB/2GB/3GB/5GB/20GBの5段階制プラン
- 音声もデータもセットで料金が決定しているY!mobile方式
- 最安1,980円
- 音声はカケホ/スーパーカケホ/シンプルの3つから選択可能
auの新料金プラン「auピタットプラン」は使った分によって料金が変動する段階性プランとなっています。
音声プランとデータプランがはじめからセットになった金額で、基本的に音声プラン側を24時間定額/5分定額/基本料のみの3つの中から選び、そこに5段階に分かれた従量制データプランが付帯する形になっています。
最安では税抜き1,980円からの運用が可能になっており、常態型の音声+データのセット料金としては非常に安い設定ではあります。
ただし契約に関する注意事項や実際の運用ベースで考えると、安くなるという方はそこまで多くない印象になっています。まずは注意事項から。
注意点
- 大々的に告知されている料金はスマートバリューなどを含んだ金額
- 1年間のみしか「ビッグニュースキャンペーン」は適用されない
- auスマートバリュー前提かつ割引金額は下方修正されている
- 毎月割が適用されない
- 既にiPhoneを契約している場合は変更できるものの、新規・機種変更でこれから契約する場合には選べないプラン
- 2017年7月14日以降に端末を購入した場合、2018年2月以降、「auピタットプラン/auフラットプラン」とその他の料金プランとの間のプラン変更はできない (端末購入を伴う変更を除く)
まずこのauピタットプランは、公式で大々的に告知している最安1,980円という料金を実現するのが、1年間限定の「ビッグニュースキャンペーン」と「auスマートバリュー」の2つを適用した場合に限ります。例外となるのは通話定額の無いシンプルプランを選んで、1GB未満の利用の時だけで、それ以外の利用方法ではすべて1年間限定+スマートバリューの適用というパターンでしか安くなりません。
そのため、実際にau公式が宣伝している料金で運用できる対象者は少なく、また期間も限定されてしまいます。
そしてこのプランはスマホについてくる通信料割引にあたる毎月割が適用されない仕組みになっており、実質0円契約などができず、プランや高額な毎月割によっては今までの料金プランの方がお得になる可能性があります。
他にもAndroidスマホは全てこのプランで新規契約や機種変更での契約変更に対応しているのですが、iPhoneの新規・機種変更ではプラン選択に用意されていません。既存の契約者が変更するのは大丈夫ではありますが、端末購入を含む形での契約プランには含まれません。これは次期iPhone発売時にまたプランを変化させてくるのでしょうか。
そして最後に地味ながらもしっかり確認しておきたい注意点として、7月14日以降に機種変更や新規契約をしてauスマホを購入と同時にこちらの「auピタットプラン」を選んだ場合、通常のカケホや7GBのLTEプランなどへの変更が2018年2月以降自由に行えなくなってしまいます。18年2月以降にプランを変更したい場合にはスマホの購入を伴う機種変更が必要になってしまうので、計画的にプランの選択を行う必要があります。
このように結構な注意事項が用意されているので、これらの内容をすべて踏まえた上で契約しないと今回の新料金プランはあまりお得にならない可能性もあります。
auフラットプランについて
概要
- 20GB/30GBの大容量向けプラン
- 音声もデータもセット
- 最安4,000円で20GB
- 音声プランの種類は3つから
「auピタットプラン」をベースに大容量の固定データ容量となっているのが「auフラットプラン」です。
最安では4,000円から20GBの契約が可能になっており、大容量のデータプランを利用する場合には便利な契約となっています。
注意点
注意点は今のところ確認できるものはピタットプランと同じなので省略。
ビッグニュースキャンペーンとauスマートバリューが無いと2,000円の値上げになってしまうのでそこは注意してください。
毎月割適用の契約と比べていくら違うか:Galaxy S8で比較
1年間限定+auスマートバリュー前提という料金プランの内容は、日経の報じた2割安プランを期待していた方にとっては若干失望を感じる内容でしょう。
一応見た目の料金自体はなんとなく安いように見えるものの、ではこれを実際に既存の料金プランと比較してみた時に本当に安くなるのかというのを同じ条件化で比較してみましょう。
早速Galaxy S8を分割契約、データ通信量は5GBという形で契約した場合の料金を比較してみましょう。
auピタットプラン (スーパーカケホ) |
スーパーカケホ+5GB定額 | |
基本料 | 6998 | 1836 |
LTE NET | 324 | |
データ定額 | 5400 | |
ビッグニュースキャンペーン | ▲1080(1年間) | ― |
毎月割 | ― | ▲1710(2年間) |
auスマートパス | ― | 401 |
Galaxy S8 24回払い | 3780×24 | |
合計 | 9,698円 (1年間) |
10,011円 (2年間) |
一応1年間のみはauピタットプランのほうが安くなります。なおauスマートバリューを同条件で適用すると、割引金額がスーパーカケホ+5GB定額のほうが大きくなるので、総額は毎月割適用回線のほうが安くなってしまいます。
毎月割が安い機種であれば、基本料が安いピタットプランのほうが安くなりますが、ある程度毎月割のある機種は2年総額でみた場合に毎月割を適用して運用したほうが安くなります。
こういったなんとも微妙な差異にしかならないため、どちらのほうがお得だというのはハッキリとは言えず、契約内容によるとしか言えない内容になっています。
利用する期間、それと毎月割の金額を見ながら今後はプラン選択が必要になってくるでしょう。
結局誰が得するプランなのか
料金比較だと実際には大して安くなりませんでした。
では一体どういった方が契約すればこの「auピタットプラン/auフラットプラン」は得するプランになるのでしょうか。
今のところ想定できるのは
既に毎月割の切れている契約をしていて、これからも機種変更の予定は当分先だという方
機種変更するよりも白ロムを購入したほうが安上がりだからそういった運用を検討している方
ぐらいでしょうか。どちらも毎月割がもうない・いらないという使い方をしている人がお得になる可能性がある使い方です。
2年以上同じスマホを使っていて、これからも暫く機種変更する予定がなくて割引も終了してしまっているという方は、こちらのプランに変更すれば基本料が安くなるのでお得になるのは違いないかと思います。
また今だとauの白ロムスマホが高性能機でも安いので、わざわざ毎月割込みで高額な契約をせずに新しい機種への変更を行いたいという方も、このプランなら定額に近い形で同じ料金プランで継続して契約をし続けることが出来ます。Xperia XZやGalaxy S8なんかの白ロム価格は普通に機種変更するよりも魅力的でしょう。
今のところはこんな感じの運用であれば今回の新料金プランは意味があるかな、という感じです。白ロムでの運用についてはMVNOユーザーの使い方と近いかと思うので、そういった意味ではMVNO潰しのプランという言い方も合っているかもしれません。特にauフラットプランを白ロムで運用するなら、下手なMVNOよりも安上がりになる可能性が高い上に、キャリアメール&サポートに加え高速通信も利用できるようになります。
まだ運用実績がないプランなので、もっとうまい活用法が出てくるかもしれませんが、とりあえず今のところは上記に記載した注意点と使い方が考えられるので参考にしていただければと思います。