MVNO格安SIMの速度調査10月編です。
格安SIMを選ぶのに月額料金が各社ほとんど変わらない料金で比較しても意味がないということで、格安SIMを選ぶ指標として通信速度を見たほうが良い、というのをこのサイトでは提唱しています。
料金の安さは各社今となってはほとんど比較するまでもなく格安な料金を提供していますが、速度に関してはMVNO各社の姿勢の違いや事業に対する真剣さなどによって大きく異なってきます。速度というのは料金よりも毎日の使い勝手に直接関わってくる指標ですから、こちらを重視して格安SIMは選ぶべきとしています。
今回もその速度を各MVNOで比較した調査の10月分です。
過去の計測結果は以下に。
2016年3月より計測方法を大幅に変更しています。スピードテストアプリやサイトの結果が現状全く参考になりそうにないMVNOが多いため、そのままその結果を鵜呑みにせず画像や動画ダウンロードの実効速度を計測しています。
[blogcard url=”https://smaho-dictionary.net/mvno-speed-review13/”]
検証方法の正確性という意味でどれだけ変更後の方法が有用かはわかりませんが、少なくとも従来のスピードテストアプリやサイトに頼ったやり方よりは実効速度というものを表しているかと思いますので参考にしてみて下さい。
検証方法
検証端末等 | ドコモ系・au系:MR04LN TCP Monitor Plus |
---|---|
検証時間 | 10月3,4日計測 12時25分~(LINE mobile/DTI/U-mobile/OCNは計測時間の都合上10月4日の同時間帯に計測) 16時~ 21時~ 2つの混雑して回線が輻輳する時間帯と1つの空いている時間帯を選んでいます。 |
スピードテストの速度検証 | speedtest.net |
画像のDL速度検証 | 通信の最適化を確認するやつ |
Webサイト読み込みの速度検証 | 「楽天モバイル」のHP(約4.5MB) |
TCPモニターの見方
TCPモニターは右から左へとパケットの流れる向きを記録しています。そのため結果の参考として載せてある各画像の右側が測定開始のタイミングになり、そこから左へ進むごとに時間ごとのパケット通信量の推移を確認できます。
一部のMVNOはバーストしており山が大きくなっているので、そっち側が記録開始地点としてわかりやすいかもしれません。
一応記録開始からのグラフには全回線なっていますが、キャプチャーのタイミングで開始点が若干ずれているものがあるのでご了承下さい。
「楽天モバイル」の公式HPの表示速度を新たな指標に
今月からちょっと通信速度を測定する対象を変更。
今までは1枚の大容量画像と動画の読み込み時の通信速度について記録してきましたが、MVNOで動画見るユーザーも今そんなにいないだろうということでこちらを別の指標に変えています。
今月からは画像とWebサイトの読み込み時間という指標をもとに比較してみようと思います。
Webサイトは読み込みファイルサイズが大きくてMVNOという関連性もあることから「楽天モバイル」のPC版公式HPを使っています。「楽天モバイル」の公式HPは容量が計測当時で約4.5MB、それが複数の細かいファイルでバラけての合計となっているため、1枚画像のファイルダウンロード速度結果とはまた違った傾向を導き出せるかと思われます。
測定結果は読み込みにかかった秒数で記録しています。5秒前後、10秒前後、15秒以上といった大雑把な分け方ではありますが、その読み込み速度を記録しています。詳細なダウンロード速度についてはまとめ画像からある程度読み取れるかと思われますので、詳しいダウンロード速度を知りたい方はそちらを見て下さい。
楽天モバイルの公式HPがあまりにも重いため、MVNOの通信速度としては10秒前後で読み込めれば合格点になるでしょう。5秒前後という数字だと相当好調であると言えます。
というわけで今回からはこちらのWebサイトの読み込み速度という指標についても利用して通信速度の比較を行ってみたいと思います。
速度結果
下の表はトラフィックモニターを目視しての平均値を算出した結果です。
より詳しいグラフの推移は若干見にくいですが以下のファイルより確認できるかと思います。
https://goo.gl/photos/JQTCYk5iXvWSHSwe8
※Y!mobileの21時スピードテストは計測し忘れ・記録取り忘れ
MVNO | 時間帯 | スピテス | 画像 | webサイト読み込み時間 |
---|---|---|---|---|
イオンモバイル | 12時 | 0.7Mbps | 0.6Mbps | 15秒以上 |
16時 | 12Mbps | 11Mbps | 10秒前後 | |
21時 | 6.5Mbps | 1.5Mbps | 15秒以上 | |
BIGLOBE | 12時 | 0.53Mbps | 0.65Mbps | 15秒以上 |
16時 | 14.87Mbps | 10Mbps | 5秒前後 | |
21時 | 1.48Mbps | 1.3Mbps | 15秒以上 | |
DMM moible | 12時 | 0.63Mbps | 0.46Mbps | 15秒以上 |
16時 | 15Mbps | 13Mbps | 5秒前後 | |
21時 | 2.8Mbps | 2Mbps | 10秒前後 | |
DTI | 12時 | 1.33Mbps | 0.3Mbps | 15秒以上 |
16時 | 1.56Mbps | 0.65Mbps | 15秒以上 | |
21時 | 0.5Mbps | 0.15Mbps | 15秒以上 | |
FREETEL | 12時 | 12.8Mbps | 0.6Mbps | 15秒以上 |
16時 | 15.7Mbps | 10Mbps | 5秒前後 | |
21時 | 9.2Mbps | 0.83Mbps | 10秒前後 | |
LINE mobile | 12時 | 16Mbps | 11Mbps | 5秒前後 |
16時 | 19Mbps | 15Mbps | 5秒前後 | |
21時 | 10.7Mbps | 15Mbps | 10秒前後 | |
IIJmio | 12時 | 0.83Mbps | 0.45Mbps | 15秒以上 |
16時 | 18.8Mbps | 16Mbps | 10秒前後 | |
21時 | 6.8Mbps | 2.3Mbps | 5秒前後 | |
mineo-a | 12時 | 0.98Mbps | 0.3Mbps | 15秒以上 |
16時 | 5.1Mbps | 4.5Mbps | 5秒前後 | |
21時 | 3.45Mbps | 1.9Mbps | 15秒以上 | |
mineo-d | 12時 | 0.7Mbps | 0.35Mbps | 15秒以上 |
16時 | 12.3Mbps | 12Mbps | 5秒前後 | |
21時 | 5.8Mbps | 3.0Mbps | 10秒前後 | |
NifMo | 12時 | 0.46Mbps | 0.35Mbps | 15秒以上 |
16時 | 13.2Mbps | 16Mbps | 5秒前後 | |
21時 | 6.5Mbps | 5.3Mbps | 5秒前後 | |
OCNモバイルONE | 12時 | 0.73Mbps | 0.4Mbps | 15秒以上 |
16時 | 7.2Mbps | 4Mbps | 5秒前後 | |
21時 | 1.41Mbps | 0.45Mbps | 10秒前後 | |
楽天モバイル(.co) | 12時 | 0.30Mbps | 0.35Mbps | 15秒以上 |
16時 | 14.8Mbps | 10Mbps | 10秒前後 | |
21時 | 2.8Mbps | 0.42Mbps | 10秒前後 | |
楽天モバイル(.jp) | 12時 | 0.47Mbps | 0.25Mbps | 15秒以上 |
16時 | 8.9Mbps | 2.8Mbps | 5秒前後 | |
21時 | 0.62Mbps | 0.18Mbps | 15秒以上 | |
U-mobileLTE使い放題 | 12時 | 1.4Mbps | 0.5Mbps | 15秒以上 |
16時 | 3.7Mbps | 1.3Mbps | 10秒前後 | |
21時 | 0.67Mbps | 0.22Mbps | 15秒以上 | |
UQ mobile | 12時 | 3.8Mbps | 4.2Mbps | 5秒前後 |
16時 | 4.5Mbps | 5.4Mbps | 5秒前後 | |
21時 | 5.0Mbps | 4.5Mbps | 5秒前後 | |
WonderLink | 12時 | 11.1Mbps | 1.2Mbps | 5秒前後 |
16時 | 6.7Mbps | 6.5Mbps | 5秒前後 | |
21時 | 2.4Mbps | 0.62Mbps | 10秒前後 | |
Y!mobile | 12時 | 25Mbps | 15Mbps | 5秒前後 |
16時 | 29.8Mbps | 16Mbps | 5秒前後 | |
21時 | -Mbps | 16Mbps | 5秒前後 |
楽天モバイル、FREETEL
まず楽天モバイルから。
楽天モバイルの回線では楽天モバイルのHPが読み込めない、というネタもやりたいがために今回HPの読み込み速度を新たな指標に入れましたが、見事にお昼時に「rmobile.co」が沈黙。予想通り自社のHPも読み込めないほど規制や速度低下の目立つ時間帯が出ています。
また高かったスピードテストの数字が大幅にダウン。実際のダウンロード速度に近い数字を付けるようになりました。ブーストをやめた、とはすぐには結論付けることはできませんが、お昼や夜は低速な実効速度に準拠したスピードテストの結果になりました。
「rmobile.jp」と「rmobile.co」が今はランダムに割り振られる楽天モバイルですが、どちらも混雑時に厳しい数字が出ているのでどちらが良いということは特にないでしょう。
FREETELは楽天とは異なりまだスピードテストのほうが極端に速くなる傾向にあります。
スピードテストの数字はあまり信用置けないMVNOではあるものの、実効速度では一応そこそこの数字が出ているようにはなっています。
ただあえて選ぶほどではありませんが・・・。
NifMo、mineo、UQ mobile
NifMoは昼以外はほぼほぼ高速状態で安定しています。半年を超える間低速に落ちず、それでいてファイルの種類やサイズによって通信速度を変えたり、スピテスブーストの類をしていないということで安定さと誤魔化しのない誠実さというものを感じられる結果になっています。
mineoやIIJmioのように表立って出てくることは少ないですが、老舗の通信プロバイダらしく回線管理はしっかりとしたもので、mineo・IIJmioと同じく高い評価と信頼度を与えることが出来るでしょう。それぐらい今年に入ってからの通信速度の高速で安定している様子はおすすめしたくなる内容です。
1つのファイルでも複数のファイルでも大きめのデータ容量を瞬時にダウンロードしてくれるので、今回使った中でもトップクラスに使いやすい体感を得ました。3日間の通信制限も緩和されましたし、今docomo系回線の中では一番ではないでしょうか。
SIMのみでもキャッシュバックを実施中、スマホセットではMVNOの中でZenFone 3が一番安く契約できるようになっています。
mineo-dは速度が回復してはいるものの、特に目立って良いわけではありません。比較した中ではNifMoに次ぐ回線速度にはなるものの、速度単体では特にインパクトはありません。
mineoについては事業者としてユーザーへ向いた姿勢があるため、中長期的に使う回線として安心できるMVNOです。通信速度に関しては先月ようやく回復しましたが、現在の人気の出方を考えると過去のような高速回線が戻ってくるというよりは今月のような中速回線を維持していく傾向になるかもしれません。
ある程度目立った結果は減ってくるでしょうが、フリータンクにパケットギフトが使えて中速回線、それに帯域増強スケジュールの公表などをするユーザー向けの情報公開などを考えるとこれまで通り非常に使いやすいMVNOであることは間違いないでしょう。
mineo-a、UQ mobileのau系回線は測定場所の電波があまり良くないために一定以上速度が出にくい状況なのですが、それでも特にUQ mobileの回線が今まで通り大きな速度低下も起こさずに各種ファイルも快適に読み込めています。
隠れサブブランドということでUQ mobileがau系の回線を利用したMVNOの中でベストなのはこれまでと変わらない考えです。
UQ mobileは測定環境的に爆発的な速度の出る場面は少なかったですが、速度低下もなく楽天モバイルのHPも5秒~10秒ほどで読み込み終わる快適な内容になっています。
元々au本家の回線と酷似した通信回線であり、現在もそのau本家との関係が色濃いことを考えると、この好調な通信環境はよほど強く総務省に刺されない限りは変わらないでしょう。やっぱりおすすめMVNOの一つであることは間違いないです。
その他
Wonderlinkが復調。制限速度700kbpsを出すにはある程度の回線速度が望まれますが、この結果ならそれを満たしてくれそうです。やはり昼に強く夜に弱いという傾向は変わりません。
IIJmioやDMM mobile、イオンモバイル各種は比較的好調です。こちらもmineo同様に中長期的な長い期間利用することを前提に考えた場合におすすめできるIIJ系の事業者群です。
DTIは今回の比較した各MVNOの中でも厳しい結果に。キャンペーンで半年間無料で契約できるために、そちらを適用しての利用ならば納得いく速度ではありますが、無料期間が過ぎて料金が発生してまでも契約を継続して使うべき回線とは今のところ言えません。
LINE mobileについても一応今月から計測開始。ただし先行の2万名契約すら埋まらずに本格運営開始となっていることから、速度がでるのは当たり前の状態になっています。高速ではあるもののこれがNifMoやmineoのように低速後にもしっかりとした回復を見せてくれるのかどうかのほうが、MVNOを選ぶ上では大事な比較ポイントになるとおもいますので、現状速度が良いからといっておすすめに入れるには時期尚早でしょう。
正確にはMVNOではないY!mobileですが、「格安SIM」としては1980円から通話定額+データプランを契約できるY!mobileも比較対象にしています。
Y!mobileはUQ mobileのような隠れサブブランドではなく、ほぼMNOに近いSoftBankのサブブランドという扱いになっているため、普通のMVNOとは扱いが異なります。そのため単純に速度で比較してしまうと他のMVNOがあまりにも不利ではありますが、Y!mobileはダントツに安定して高速な回線を提供しています。
料金やコスパという点で非常にMVNOに近い扱いにはなるものの、速度がどのSIMと比較しても圧倒的に出ているのがY!mobileとなっているので、通話定額系のプランを契約予定の場合や、そこまでデータ容量が必要ない場合にはまずY!mobileから選ぶことを考えれば快適な通信環境を用意することが出来ます。
通信速度10月編まとめ
というわけでちょっと計測方法を変更しての速度比較10月版は以上のようになっています。秒数という指標はちょっと曖昧な印象になるかと思いますが、正確な速度グラフについては画像ファイルを見てもらえればわかるようになっているので、より詳しく比較したい場合はそちらもチェックしてみてください。
この中からのおすすめではまずY!mobileが挙げられます。
MVNOではないというツッコミは重々承知ですが、今MVNOに求められている安さという点を準MNO・サブキャリアであるY!mobileがほぼ完ぺきに満たしているため、「格安SIM」としては比較対象に加え入れることは可能でしょう。
今だと新規契約で2GBから1980円で使えるようになっており、その契約ではデフォルトで10分間の通話定額サービスが利用できるようになっています。しかもこの10月からはSIMのみ契約に何と1万円のキャッシュバックが発生しており、コストパフォーマンスでは格安SIMの中でも一つ抜け出たレベルになっています。通話定額で音声プランをMVNO契約に移そうと考えていた方もいると思いますが、今だとY!mobileを選ぶことで非常に高い満足感を得られることが出来るでしょう。
通信速度・通話定額・料金という3つの要素がどのMVNOにも満たせないレベルの内容になっているので、今音声プランを選ぶならY!mobileがおすすめです。SIMフリースマホで運用を予定していた方はまずこちらのSIMにしましょう。
[blogcard url=”https://smaho-dictionary.net/mvno/ymobile/”]
あえてMVNOにこだわる場合ならばNifMoとUQ mobileが次の選択肢に入ってきます。
どちらも今月だけでなく今年初めから通信速度の良い状況というものを維持しており、今後への期待が持てるMVNOです。NifMoはどこかのタイミングで速度低下はあるかもしれませんが、UQ mobileの場合は立ち位置がY!mobileに似たサブブランド傾向が強まってきたので、より速度低下を気にしなくて済む回線としてはUQ mobileが良いでしょう。
docomo系のMVNOにこだわるならばNifMoということになります。
[blogcard url=”https://smaho-dictionary.net/mvno/uqmobile/”]
⇒NifMo一時的な速度ではなく、ある程度速度が遅いタイミングがあったとしても長く使えるMVNOを選びたいならばmineoとIIJmioが事業者として安心できます。
速度がどちらも中速は維持してくれていますし、厳しい目を持ったユーザーが多いということもあって帯域増強による通信速度改善もサボりません。利用者目線を持ち合わせた事業者ゆえに、長期間の利用を安定したものにしてくれるでしょう。
[blogcard url=”https://smaho-dictionary.net/mvno/mineo/”]
[blogcard url=”https://smaho-dictionary.net/mvno/iijmio-bicsim/”]
大体選ぶべきMVNO格安SIMはこんなところが挙げられます。
UQmobileで遅くなっている気がします。
12時に23区内、埼玉から、ブラウザーでゲームサーバ(DMM)にアクセスしたらタイムアウトしまくりで、まともに使えなくなりました。(9月末から10月現在まで)
追加です
ゲーム関連サーバだけ妙に反応が鈍いようです。
現在確認出来るところでは、PSO2,DMMゲームサーバです。
MR04RNでUQmobile/Ymobileを切り替えて使っているのですが、UQ側のみゲームサーバがタイムアウトしています。UQのSIMを他のSIM(UQよりレスポンスの遅い)に変えてヒマ見てテストしてみます。
電源を落として、UQmobileを0SIMに変えて、テストしてDMMのゲームサーバは問題なし、その後UQmobileに戻してみたところ、速度が改善(速度サイトで8M出ていたので)。MR04RNが問題を抱えていたようです。
お騒がせしました。