UQ mobileがAppleのiPhone 5sを7月15日より発売を開始します。
3大キャリア以外ではY!mobileについでのiPhone 5sを公式に取り扱う事業者にUQ mobileがなりました。
かつてはiOS7のアップデート時にUQ mobileを含むau系MVNOでの通信ができなくなるなど、iPhoneとau系MVNOとの相性は決してよくありませんでしたが、今やキャリアプロファイルを配布された上に販売まで開始されるようになりました。
「ぴったりプラン」の提供などY!mobileへの対抗が進んでいたUQ mobileですが、更なる対抗としてのiPhone 5s販売となりそうです。
今回はこの1,980円プランの詳細とY!mobileとの比較をある程度してみたいと思います。
iPhone 5sの価格・実質価格
まずはiPhone 5sの価格から。auの毎月割に相当するマンスリー割によって実質価格は契約するプランで異なっています。
ぴったりプラン | たっぷりオプション | |
販売価格 | 54,432円(税込み) | |
マンスリー割 | ▲1,512円 | ▲2,052円 |
実質価格 | 12,960円 | 5,184円 |
端末価格は税込みです。税別時は50,400円という表記になっています。一括購入時でもマンスリー割をぴったりプランに適用することが可能で、その際には1,000円以下での運用も可能となってきます(維持費の項目参照のこと)。
マンスリー割が適用されるのは「ぴったりプラン」のみ。3GBのデータプランや無制限プランをベースにしたプランでは割引の適用がなく、実質価格での契約は不可能です。
料金プランはぴったりプラン
料金プランは「ぴったりプラン」が割引が適用されるため、分割・一括時でも結果的に安くiPhone 5sを利用できるのはこちらのプランになります。
「ぴったりプラン」はY!mobileの基本料金を強く意識した料金プランで、最初から音声契約が付帯されたプランです。「ぴったりプラン」ではY!mobileにおけるスマホプランS、「たっぷりオプション」を追加するとスマホプランMに対抗したプラン内容となります。
特徴は以下の通り。
- 最大60分/月(CP適用時)の無料通話
- 音声+データ通信込みの料金
- ターボOFF時でも300kbpsの回線速度
- 端末購入アシスト&マンスリー割適用可能
- 各種キャンペーンの割引あり
- 2年ごとの契約更新、更新時以外の解約で契約解除料あり
2016年7月現在は各種キャンペーンが揃っており、使えるデータ容量や無料通話の時間の増加、それに料金自体に割引きが大きく適用されて現状のY!mobileと遜色ない部分が多くなっています。
「W増量」「イチキュッパ割」
現在適用可能なキャンペーンは「W増額」と「イチキュッパ割」の2つです。どちらもY!mobileで行われているキャンペーンに近いものになっています。
「W増量」は新規もしくはMNPの契約をした場合に適用されます。ただしauまたはau系MVNOからのMNPでは適用対象外なのでご注意ください。
「W増量」の‟ダブル”はデータ容量と無料通話にかかっています。
ぴったりプランのデータ容量1GBが2倍の2GBに、無料通話分も30分から60分に増量されています。
たっぷりオプションを追加した場合には3GBのデータ容量が6GBに、無料通話は60分から120分と更に増えていきます。
このキャンペーン適用によって現在のY!mobileと同じく4,000円以下の基本料で6GBという大容量なデータ通信量を利用できます。
「イチキュッパ割」もY!mobile躍進のきっかけとなったワンキュッパ割を大きく意識したものでしょう。
ぴったりプランおよびたっぷりオプション契約時の料金から毎月1,000円を割り引いてくれるという内容です。割引期間は13ヶ月のため、2年契約を前提としている契約内容としては途中から料金が値上がりするので注意が必要です。
UQ mobile iPhone 5s維持費
以上のiPhone 5sの価格とマンスリー割、それに各種キャンペーンを適用した維持費は次の通り。
ぴったりプラン | たっぷりオプション | |
基本料 | 3218 | 4298 |
マンスリー割 | ▲1512 | ▲2052 |
イチキュッパ割 | ▲1080 | |
合計(一括時) | 626円 | 1,166円 |
iPhone 5s分割相当(端末購入アシスト) | 2,268円 | |
合計(端末アシスト時) | 2,894円 | 3,434円 |
公式の表とは若干ずれますが、税込みと税抜きという違いがあります。
料金は1年目のみ適用。2年目以降はイチキュッパ割が終了するので1,080円の値上がりとなります。
よりお得なのはたっぷりオプション
この料金表を見て気づくことの一つに、たっぷりプランのコストパフォーマンスが良いという点があるでしょう。
通常は1,080円の追加料金が必要ですが、iPhone 5sならマンスリー割が増額してたったの540円の差しかありません。
540円でキャンペーン込みのデータ容量がプラス4GB、無料通話が60分も増えるのならば、こちらを契約した方が価格差以上の大きな満足感を得られるでしょう。
UQ mobileでのiPhone 5s契約はたっぷりオプションを選んだ方がよいでしょう。
Y!mobileとの比較
さて以上のUQ mobileのiPhone 5s契約の内容を先行しているY!mobileと比較してみるとどういう評価が出来るでしょうか。
ここからはこの比較についてを考えてみたいと思います。
価格/料金
まずは価格や料金といった部分を。
基本的に毎月の基本料はY!mobile側にUQ mobileが完全に合わせているため違いはありません。
iPhone 5s | UQ mobile 16GB | Y!mobile 16GB | Y!mobile 32GB |
---|---|---|---|
一括価格 | 54,432 | 54,540(頭金108円含む) | 64,908円(頭金108円含む) |
6GBプランへの新規一括維持費 | 1,166円 | 1,706円 | 1,598円 |
6GBプランへのMNP一括維持費 | 1,166円 | 1,166円 | 1,058円 |
端末価格とMNP時の維持費はほぼ同等ですが、UQ mobileは新規契約でもMNP時のマンスリー割と同額となるため、この点でUQ mobileのほうが安く利用できるようになります。
新規でも安いのはY!mobileに比べてUQ mobileが勝っている点です。
サポート面・オプション
サポート対応という点ではY!mobileのほうが実店舗所有の強さが出るでしょう。
UQ mobileも販売対応の店舗やauショップでの販売サポートといった手を広げていますが、プラン変更や修理依頼など各種手続きを数多くある専門ショップで可能なY!mobileに比べると劣ってしまいます。
Y!mobileもサポート対応では修理時の代替機がないなどの抜けたところがあり、3キャリアと比較すると劣る部分が目立ちますが、実店舗のショップへ行けば何とかなる安心感は大きなメリットです。
こうしたサポートの他にもY!mobileにはシェアプランのようなSIM追加オプション、家族割引サービスなどの複数回線割が用意されており、より回線の活用を図ろうとした時に多様な使い方に対応したオプションが用意されています。
通話定額・速度
次に無料となる通話時間や通信速度について。データ容量ではどちらも同じ内容ですが、通話が無料になる範囲やデータ通信速度については異なる様相にあり、恐らく比較点としてはこのポイントで違いが大きく生まれる点になるでしょう。
通話
まずは通話時間について。こちらはUQ mobileが無料通話型でY!mobileは準通話定額という形をとっています。
UQ mobileがキャンペーンで60分の通話時間が無料になるタイプ(ぴったりプラン時)、Y!mobileは10分間の通話ならば300回まで可能な準通話定額のタイプとなっています。
単純な通話時間の差を考えると、最大60分と最大3,000分とY!mobileに大きな利があります。
3,000分も通話をしないという突っ込みもあるかと思いますが、無料になる通話の総時間はY!mobileの方が上になるでしょう。
一方まとまった通話時間が無料となるという点ではUQ mobileのほうが便利です。1ヶ月の通話時間が50分あったとして、その内の1回が30分以上通話しているようでしたらUQ mobileのほうが通話料は安くなります。10分のY!mobileでは時間がきたら一回通話を切らないと無料で30分という通話は出来ません。
あまり通話はしないけど必要な時はたっぷりする、という方にはUQ mobileのほうが運用では良いかもしれません。
通信速度
次は通信速度です。
通信速度はMVNOの立ち位置であるUQ mobileと準MNO的な立ち位置にあるY!mobileでは環境自体に差があるために、それが速度にしっかりと影響してきます。
Y!mobileはSoftBank回線をほぼ劣化させずに使っているため、通信速度はお昼時や夜間でも落ちません。2014年頃には通信の最適化などで回線品質の悪さが指摘されたSoftBankですが、今ではそうした通信内容によって速度を絞ったりファイルサイズを圧縮するようなこともなくなり、かなりマトモなキャリアになっています。
そのマトモになっている回線を使うY!mobileもこの料金で速度低下を起こさない快適な通信速度を実現しています。契約方法によっては格安SIMの料金の1~3割増しぐらいの料金で収まりながら、速度では不安定さを感じさせない快適な環境を提供しています。
UQ mobileは元々はMVNOの皮を被ったauのサブ回線でしたが、事業者変更に伴い通信速度が遅くなる時間が生まれるようになりました。立ち位置的にはUQ mobileが通信速度でY!mobileに勝るようなことは難しくなっていると言えるでしょう。
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ですが今回のiPhone 5s販売とMVNOにも関わらずキャリアプロファイルの配布がされるようになった点、そして2016年7月の速度比較調査の結果を見るに、サービスイン当初のKDDIとの深い結びつきというのが戻ってきているように伺えます。
あくまでも状況から判断するにとどまりますが、今後は通信速度がMVNO的な傾向からY!mobileのようなサブ回線的な傾向に変わっていき通信速度も安定してくる可能性がある、という補足もしておきます。
ただ現状の通信速度では長らくY!mobileのほうが各時間帯で安定していると言え、軍配を上げられそうです。
以上がUQ mobileで発売されるiPhone 5s契約の詳細とY!mobileとの比較になります。
細かいところではY!mobileのほうが洗練された内容で契約できるようになっています。ただしSoftBank系からのMNPでは安くならない点や一括価格が高額気味な点を考えるとUQ mobileのほうにも勝機はあるでしょうか。特に新規でも安いという点では中高生の最初のスマートフォンとして契約しやすい内容かと思います。
UQ mobileでのiPhone 5sの販売は公式オンラインストアと一部家電量販店などの取り扱い店で行われます。
[blogcard url=”https://smaho-dictionary.net/mvno/uqmobile/”]