楽天が運営しているMVNOサービスである「楽天モバイル」について今回はまとめてみたいと思います。
楽天モバイルは楽天が運営するMVNOサービスです。過去には日本通信やフュージョンコミュニケーションズに運営を任せて、楽天ブロードバンドLTEや楽天モバイルを運営していましたが、2015年12月より運営元が楽天本体へと変わりました。これによってよりサービスの対応力などの質が上がるものと思われます。
楽天モバイルの特徴は、安さはもちろんのこと、「格安スマホ」として格安SIMとセットにされたSIMフリースマホが充実しているところが挙げられます。どうやら楽天モバイルは、「格安スマホ」にありがちな安かろう悪かろうな低価格スマホを格安スマホのセット販売には選ぶことはせず、選りすぐりの性能がよく不具合も少ないようなしっかりしたスマートフォンをラインナップに厳選して販売しています。
楽天モバイルで取り扱うスマートフォンは、SIMフリースマホの中でもちゃんとしているものばかりなので、SIMフリースマホの購入でどれを選べばよいか迷ったときには、楽天モバイルのラインナップをチェックすればその時その時の案牌スマホを把握することができます。
楽天ポイントとの連携もショッピングユーザーには助かる仕様になっており、大手のプロバイダではないものの現在格安SIMユーザーのシェア数が4位(または5位)になっている注目度の高いMVNOです。
楽天モバイルのメリット・デメリット
メリット
- 多様なスマホの数々
- 楽天ポイントとの連動性
- 低速にバースト機能
- 新APNの速度が好調
デメリット
- 古いAPNの速度はあまりよくない
- ユーザーに対する情報発信が少ない
楽天モバイルのネット上の評判
【RBB SPEED TEST】2016/02/02(火) 08:24:24 下り:32.50Mbps 上り:19.67Mbps #kaitekispeed
空いてる時間なら、楽天モバイルはかなり速い
昼12時頃はやはり混むのか、下りは1~2Mbpsしか出ないけど
— 神戸高崎 (@KP_takasaki) 2016, 2月 1
楽天モバイルやっぱり速度速いですね! 事前に調べてはいましたが、これだけ速かったら3大キャリアに多額の月額を支払っていたのがますます残念です! — kisaragi (@kisaragi0930) 2016, 2月 3
今やIIJmioより楽天モバイルの方が速いという話も聞く
— らぐのふ (@ragnov) 2016, 2月 12
新APN契約者はほとんどが楽天モバイルに対して速いという評価を下しています。今契約する場合は新APNになるため、新規契約者の方なら心配なく使うことが可能でしょう。
格安スマホのラインナップが良い
序文でも触れましたが、楽天モバイルの一つの特徴にセット販売されるスマホ(いわゆる格安スマホセット)が非常に使いやすい機種を揃えているという点があります。
とにかく安い機種を揃えて、見た目の月額料金を抑えた格安スマホを販売しようとするMVNOが多い中で、使いやすさや不具合のなさを重視して一定のクオリティーをもったSIMフリースマホを選んでいる点は評価できます。安かろう悪かろうなスマホを売り付けるのではなく、最低限の使用感を得られるスマホを取り揃えています。
この点は本当にかなり評価できる点かと思われます。ただ売り切るためだけに安いスマホも売っているMVNOに比べると、ユーザーのことを考えたラインナップと言えます。楽天モバイルが取り扱っているSIMフリースマホなら、他社で利用を考えたときにも安心して使える確率が高いでしょう。
低速にバースト転送機能
楽天モバイルの良さの一つに加え入れられるのは、低速通信にバースト転送機能が用意されているという点もそうでしょう。
IIJmioがよく宣伝している「低速通信時に最初の3秒間(75KB)は速度規制の対象外」というバースト転送機能は、低速状態で使うことになったユーザーを助けてくれるありがたい機能です。
実はこのバースト転送機能はIIJmioを使うMVNOのみならず、他のMVNOでも確認できていて、その一つに楽天モバイルも含まれます(その他にmineo、UQ mobile、WonderLink Fなど)。この機能のお陰で、低速通信時でも多少は体感の通信速度がよくなるため、他社のSIMカードよりも比較的使いやすくなっています。
バースト転送機能があると断続的にバッファ通信をするようなradikoや、その他のネットワークで低速とは思えない快適さを見せてくれるので便利になるでしょう。
新APNの速度が好調
また10月6日以降契約分から楽天モバイル回線は新しい帯域で通信運用をする回線を設け、6日以降に契約した方はこの帯域を使って通信をするようになりました。APNも「rmobile.jp」という新しいものになり、10月5日以前の契約者と異なる帯域を使っています。
この新たな帯域を使った通信回線が、現状比較的高速で通信できるようになっており、スタートダッシュに成功しています。
まだまだこの速度で安定しているかどうかという判断はできない状態ですが、それでもMVNOとして今後の運営に本気で取り組む姿勢が見えているため、期待間の高いSIMの一つになっています。
楽天モバイル連動の楽天IDでポイントが+1倍
楽天といえば自社の巨大な通販市場である「楽天市場」がありますが、この楽天モバイルを所有していると全ての買い物がポイントが+1倍となります。
+1倍なのでポイント2倍は3倍に、5倍は6倍にという感じで商品購入時のポイント還元率があがります。
対象となるのは音声SIMのみです。昔は1年間限定という制限がありましたが、今は外れておりこの楽天モバイルを使っている限りはポイントが上がります。データプランのSIMでは残念ながらこの特典は利用できなくなっています。
5分間の通話料無料プランを発表
楽天モバイルではMVNOがあまり手を広げていない通話料の「格安化」にも積極的です。
「楽天でんわ」というプレフィックス通話アプリを使って、通話料を30秒/20円から30秒/10円と半額にするアプリを提供しているのがまず一つあります。
ただこちらを利用しても通話をする人にとっては出費が多くなってしまうということで、中々カケホーダイプランを持つキャリアからの移行が進みまないのがMVNOの問題点でした。
そこで楽天モバイルでは楽天本体の資金力も活かし、毎回5分間までの通話ならば通話料は定額の850円という通話オプションを設けました。これはMVNO格安SIMが設ける通話系のオプションや契約プランの中でも最も良い内容のオプションになっています。5分超過後でも30秒/10円で使えるため、5分を万が一超えることになっても比較的安い料金で使うことが出来るようになっています。
通話料が最も負担になるのがMVNO格安SIMの弱点だったのですが、楽天モバイルはそれを見事に克服した回線契約を実現しています。通話プランを考えるならば楽天モバイルかY!mobileが通信料削減につながるベストな回線の選択肢になってくるでしょう。
楽天モバイルの問題点
MVNOはその性質上安くて面白い機能も多くなっているのですが、どうしても悪い部分・デメリットとなる部分も出てきてしまいますので、そこを確認しましょう。
旧APN回線は速度が遅い
10月6日以降の契約については、楽天モバイルの速度は中々のものを保っているのですが、それ以前のこれまで使っていた旧APN回線(vdm.jp)については品質があまりよくありません。元々NTT-PC(So-net系)をMVNE元の回線として使用していた楽天モバイルなのですが、こちらの回線について設備増強や速度改善に関わる姿勢が積極的ではなく、低速状態が非常に長く続いています。
10月に新APNの回線が出来たことによって、改善の兆しも見えなくなってしまいました。現状既に楽天モバイルを契約している方は、旧APN回線である場合が多いので、データプランなら新しいAPNを使った回線を契約し直したほうが良いでしょう。
こうした過去に利用していた回線の改善を放置している姿勢というのは決して褒められるものではなく、楽天モバイルが抱える一つの問題点として見ていいでしょう。
ユーザーに対する情報発信が少ない
mineoやIIJmioといったユーザーのための情報発信を積極的に行うMVNOがある一方で、楽天という比較的大きな企業が母体となっていながら、ユーザーサポートはかなり少なめです。
スマホごとの動作確認や、OSアップデートに伴う利用可否の調査などがmineoやIIJmioに任せっきりになっています。また特に設備増強による速度状況の変化もアナウンスされないため、回線状況がユーザーに伝わってこないというデメリットがあります。
こうした情報発信やサポート、そして速度低下に対する対応方法がAPN変更といういくつかの問題点は、安いなりに訳のある回線というMVNOの良くも悪くもな特徴を如実に体現しています。
楽天モバイルの機能と各種料金
料金プラン
楽天モバイル | ベーシック(常時200kbps) | 3.1GB | 5GB | 10GB |
---|---|---|---|---|
データプラン | 525円 | 900円 | 1450円 | 2260円 |
データ+SMS | 645円 | 1020円 | 1570円 | 2380円 |
音声+データプラン | 1250円 | 1600円 | 2150円 | 2960円 |
機能
- バースト転送機能
- 前月未使用データ通信量を繰り越し
- 100円の楽天モバイル利用料につき1ポイント
- 初月は全プラン無料
- 3日制限:3.1GB/540MB,5GB/1GB,10GB/1.7GBあり
- テザリング無料
各種料金
契約事務手数料 | 3000円 | 通話料 | 30秒/20円 |
---|---|---|---|
契約解除料(音声のみ) | 9800円(12ヶ月) | SMS送信(国内) | 3円/1通 |
SIMカード交換・再発行・サイズ変更 | 4000円 | MNP番号発行手数料 | 3000円 |
5分かけ放題 | 850円/月 | アドレス・写真移行 | 預かり:5000円
出張:11000円 |
端末補償 | 500円/月 | スマホサポート | 500円/月 |
端末補償・スマホサポートパック | 800円/月 | スマートフォンセキュリティ | 300円/月 |
楽天メール | 0円/月 | 留守番電話 | 300円/月 |
キャッチホン | 200円/月 | 転送電話 | 0円/月 |
データ容量追加 | 300円/100MB |
楽天モバイルの速度状況
楽天モバイルの速度状況を確認してみましょう。
表にもあるように楽天モバイルの回線は新APNと旧APNの2種類があり、これから契約する方は新APNとの契約が基本となります。旧APNは速度状況にかなりの難があり、今まで契約していた方は新APNもしくは別のMVNOへと移ったほうが良いでしょう。この速度状況では決して快適とは呼べないレベルです。
一方で新APNの方はそこそこ速度も良く、無難に使えるMVNO回線であるでしょう。輻輳する時間帯でも速度が出ているため、これまでよりも格段に快適さが上がっています。
ただこの高速回線は、毎月の使用量が決まっている他にも3日間での使用量も決まっており、一度に大量に通信を行いたい場合に不向きな存在になっています。
楽天モバイルのおすすめ度
従来の旧APNの回線速度であれば、楽天モバイルは決しておすすめできるような回線ではなかったのですが、新APNへの変更によって速度状況が変化、かなり使い勝手の良い格安SIMになりました。これならある程度おすすめが可能なMVNOに分けられます。
ただmineoなんかに比べると、速度に差がない一方でユーザーサポートの類いが弱く、MVNOという事業に対する積極性、真摯さというものがあまり感じられないのが現状です。単純に格安SIMのみの契約として見た場合、過去の旧APNへの速度改善対応の遅さなどを見る限り、ユーザー第一といった運営方針ではなさそうなので、mineoやIIJmioといったユーザー目線を持って設備投資に費用をかけるMVNOよりも良い選択ではないでしょう。
一方でSIMフリースマホとのセット販売において、楽天モバイルは他社以上の存在感を放っており、もしもスマホとセットで契約を予定しているようであれば、楽天モバイルはおすすめできるMVNOです。次で説明している通り、半額近いセールもスマホ付きの契約で実施しているため、普通にSIMフリースマホを契約するよりも確実にお得に購入できます。
楽天モバイルのスマホセットセールについて
楽天モバイルは格安SIM単体だと契約のおすすめ度は3番手ぐらいに落ちてしまうのですが、スマホセットでの契約、特にセール時には他社のセット料金では比較にならないほどの素晴らしいお値打ち価格で販売してくれますので、そのセール時には楽天モバイルは契約の価値あるMVNOになっています。
セールは値引き型とキャッシュバック型がありますが、どちらも大して変わらず、安くなることだけは確かです。
定番なのが半額セールで、楽天モバイルもしくは楽天モバイル楽天市場店でキャンペーンセールが開催されます。楽天モバイル楽天市場店でのセールの場合、台数限定となり争奪戦は激しくなります。楽天スーパーセールに合わせて安売りをしているのはこの楽天市場店です。楽天モバイル本体ではセールは少ないですが、実施された場合には確実に安くなるセールが続いており、スマホセットで契約するには最適なMVNOです。
特に最近は楽天モバイル専売モデルであるhonor6 Plusが安くなることが多いです。このスマホはオクタコアに3GBものRAM、そしてフルHDディスプレイという相当なハイスペックスマホになっていますが、にも関わらず楽天モバイルのセールでは3万円以下で買える可能性があり、セットスマホの中では恐ろしくコストパフォーマンスの高い内容になっています。
データプラン契約可能な時は狙い目
楽天モバイルのスマホセールについては、色々とこれまで実施してきた中でルールが生まれています。まず契約回線についてですが、大抵の場合音声付帯プランの契約が必須化されています。音声付帯プランは解約金が12ヶ月間付随してくるため、気軽には解約も契約もできないものとなっていて、楽天モバイルを本気で使う人向けのセールになっています。スマホ端末だけ欲しい人は契約できないものになっています。
ただ稀に、データプランでも半額やキャッシュバックセールスマホを契約できることがあり、この時は別の格安SIMを使っているユーザーやまだ利用を迷っている方々でも気軽に安くスマホを購入できます。
データプランだと解約も簡単かつ費用ゼロで出来るため、半額セールのメリットを回線契約の負担をほぼ考えずに受けることが出来ます。データでもOKなセールが出てきたらぜひとも狙ってみるといいでしょう。
セールについては当サイトの更新で随時お知らせする予定なので、RSS登録やTwitterなどをフォローしてもらうと最新の情報をお伝えできます。また以下のそれぞれのセール実施のページで現在セールが行われるかどうかを確認してみてください。