Softbankは12月19日から同社初となるAndroidタブレット、「Galaxy Tab4」を発売すると発表しました。
これまでiPhoneとシャープ製のスマートフォンを中心に販売してきたSoftbankですが、最近はソニーのXperia Z3を扱い始めるなどその方針の変化が伺えます。
今回のGalaxy Tab4に関してもどちらかというとY!mobileが取り扱うべきタブレットのように感じますが、Softbank初のサムスン製Androidタブレットとしてラインナップに加えるという新しい流れが始まっています。
この「Galaxy Tab4」では、従来のタブレットプランに加えて、専用のタブレットセット割を用意しています。
タブレットセット割を使ってGalaxy Tab4を契約した場合、通常の2年契約ではなくて3年契約になってしまうなど契約上の注意点が増えてくるので、今回はその問題点を含み解説していきたいとおもいます。
Galaxy Tab4の価格とタブレットプラン
現在発表されているGalaxy Tab4の販売予定価格は3万5280円になっています。月々割は毎月の1470円で実質価格は新規でも機種変更でも0円ということになります。
新規契約 | 機種変更 | |
Galaxy Tab4 | 35280円 | 35280円 |
月月割 | 1470円 | 1470円 |
契約可能プランはタブレット・ルータープランのタブレット側です。
データ定額を5GBの標準プランで契約した場合の料金を計算してみましたので、参考にしてください。
タブレットプラン | 1836 |
データ標準(5GB) | 5400 |
S!ベーシック | 324 |
Galaxy Tab4分割支払い金、24回払い | 1470 |
月月割 | -1470 |
合計 | 7560円 |
これはこのタブレット単体で契約した場合、SoftBankのスマートフォンを別途持っていない状態の時の料金になります。
金額が高めの標準プランで契約した場合の料金ではありますが、 端末代金込みだとかなり高額な支払いになっています。次にスペック表も書いておきますが、このスペックの7インチタブレットだともっと安いものがSIMフリーで手に入りますので、毎月7500円近く支払ってまで契約する価値はほとんどの利用者にないかもしれません。
スペック
Galaxy Tab4 | |
OS | Android 4.4.2 |
CPU | Snapdragon400 |
RAM/ROM | 1.5GB/8GB |
ディスプレイ | 7インチ WXGA(1280×800) |
メインカメラ | 300万画素 |
バッテリー | 4000mAh |
LTE対応 | 900MHz、1.7GHz、2.1GHz |
一瞬格安スマホの新モデルかとおもわせる最近のキャリア販売モデルからは珍しいミドルスペックな端末になっています。
同じ金額でスペックの高いタブレットがメーカーから直接SIMフリーモデルとして登場している現状で、この価格とスペックはどういった目的で販売するのかよくわかりません。
個人的にはこれから始まるiPhone6の安売り時に、MNPのキャッシュバック代わりに新規一括0円セットで契約させるのが出てくるんじゃないかとおもっています。
iOSとAndroid、iPhoneとGalaxy、スマートフォンとタブレットを両方楽しめるというような売られ方です。Apple好きの方は怒るかもしれませんが、これから一揃いしようとしている一般の方々には面白がられるのではないでしょうか。
「タブレットセット割」で安くなるものの3年特別契約
このスペックにこの料金プランでは売りようが無いとわかっているからでしょうか、SoftBankでは毎月の料金を抑えた子回線プランと合わせて割引を増額させるタブレットセット割を用意しています。
このプランとタブレットセット割を適用させることで、約1年分の基本料金が実質的に無料になる場合もあります。その代わり、そのレベルの特典を受けられるということで、より一層の大きすぎる注意点も存在しますのでその説明についてもしていこうとおもいます。
タブレットプランで子回線契約、タブレットセット割加入時
親回線として現在スマートフォンを「スマ放題」で加入している場合、子回線側にタブレットプランでこのGalaxy Tab4を契約すると「タブレットセット割」を適用することができます。
この「タブレットセット割」の適用によって、1年目には最大2700円の割引が親回線に発生して、実質的なタブレット側の子回線利用料金が無料になる特典が受けられます。ただし2年目以降では割引が減額して最大1080円まで下がってしまいます。
最大2700円の割引が受けられるのは、親回線がデータ定額を大容量(10GB以上)のプランに加入している場合です。3Gケータイの場合は条件が少し緩和されますが、親回線がスマートフォンの場合は大容量以外では割引の減額、2年目以降の割引が消滅してしまうという特典の劣化が起きます。
それぞれの割引適用条件と毎月の支払いについての金額を計算してみました。
親回線 | 2GB | 5GB | 10GB以上 | |
スマートフォン | 1年目 | なし | 2160円引き | 2700円引き |
2年目以降 | なし | なし | 1080円引き | |
3Gケータイ | 1年目 | 2160円引き | 2700円引き | 2700円引き |
2年目以降 | なし | 1080円引き | 1080円引き |
iPhone実質0円契約を親回線にした場合の料金の計算です。10GBの大容量プランとタブレットセット割の組み合わせ計算になります。
親回線 | 子回線(GTab4,タブレットセット割) | |
スマ放題 | 2916 | 1836 |
データ定額 | 8640 | 540 |
S!ベーシック | 324 | 324 |
Galaxy Tab4分割金、24回払い | - | 1470 |
月月割 | - | -1470 |
タブレットセット割特典(1年目) | -2700 | - |
合計 | 9180円+2700円=11800円 |
タブレットセット割適用で3年縛りになるこれまでにない仕様
一応料金的には1年間実質0円どころか基本料金も0円で使える仕組みではあるのですが、1年目以降は普通に高額な料金がかかってしまいますし、1年後のこのスペックのタブレットだと中国製あたりで7000円ぐらいで買えてしまう可能性もあって正直おすすめすることが出来ない内容になっています。
こうしたスペック面での魅力の無さにさらに追い打ちをかけて売れ無さそうな予感を漂わせるのは、このタブレットセット割を適用して契約した場合は、子回線のタブレットプランが専用3年契約というものが適用されて、なんと3年縛りを強制されてしまいます。
総務省が2年縛りの問題性について話題にしているまっただ中で、その流れの逆を行く3年縛り設定のキャンペーンを出してくるSoftBankの意図は正直つかめません。
通常のタブレットプランならば2年縛りですが、1年間最大2700円の追加割引が発生するタブレットセット割を適用するとこうして3年縛りになってしまうのが「Galaxy Tab4」になります。
これまでのSoftBankのタブレット=iPadを契約したとしても、同時にスマートフォンと一緒に機種変更などをすれば、2年契約が良くも悪くも重なって、解約や機種変更のし易い状態にはなっていました。
ですが今回のタブレットセット割を使うと1年目が実質無料とは言え3年縛りをさせられてしまうことになります。仮にスマートフォンの親回線側と解約月が重なるのを待つと、同時契約して6年目でようやく2つのプランの解約金が無料になるタイミングが出来ます。6年目というのはちょっと現実的な期間ではないでしょう。
スマ放題も今後ホワイトプランのように機種変更で更新月が変わってしまうプランのようなものがでてくるかもしれませんので、場合によっては6年以上必要になることも可能性として起こりえます。
今後他社へのMNPなどもスマートフォンを契約する上で考えているという方は、不要な縛りを増やすこのタブレットセット割適用による契約は避けたほうがいいかもしれません。
またそもそも3万5200円の7インチタブレットが、WXGA解像度、S400、RAM1.5GB、ROM8GBというスペックなのも、その価格にはあっていないような気がします。
例え購入意欲が湧いたとしても、新規一括0円にキャッシュバックが付くぐらいでないといい契約とは言えないでしょう。
もしかしたら法人向けに大量に売り込むためのそのおこぼれなのかもしれませんが、端末的にもプラン的にも現段階の発表からはおすすめできるポイントが見当たりません。
サイズは下がりますが6.4インチのファブレット端末であるXperia Z Ultraが同価格でEXPANSYSより発売されていますので、こちらならSIMフリーですしフルHD、S800、RAM2GB、ROM16GBと一気にスペックアップされた状態で購入できるのでおすすめです。
格安SIMあたりとあわせると、タブレットセット割でGalaxy Tab4を購入するよりも満足度は違うとおもいます。
12月19日以降にホワイトプランと合わせた内容も発表されるので、そちらが出てきたら追記する予定です。