格安SIMの低速回線、あるいはキャリア回線で規制を受けてしまった場合の通信回線速度の検証を今回はしてみたいとおもいます。
高速通信データ容量を使い切った格安SIMやキャリア回線、あるいは通信速度制限をかけることで最初から低価格なMVNO回線として提供しているものが、いわゆる低速回線として存在しています。
どういった操作が困難になるのか、使いにくい場面はどのような時か、という疑問は低速回線を使う際には気になる事かとおもわれます。また低速回線を使うつもりはなくても、規制にかかって低速化してしまった時のことが不安だ、という方も格安SIMを購入検討している方に多い気持ちかとおもわれます。
その参考の一部にしてもらおうと、低速回線を3つほど用意して様々な用途で利用してみました。そこで体感した私見を今回はそれぞれ書いていこうとおもいます。
低速回線として用意したのは、250kbpsがWIRELESS GATE WiFi+LTE 480円プランSIM、200kbpsがBIGLOBEの速度規制回線、128kbpsがSoftBankの速度規制回線です。
本当はdocomoかauで128kbps回線を使ったほうが安定するのでしょうが、3日に1GB以上使っても一向に速度規制にかからないので断念しました。検証用には向いてない仕様です。なおSoftBankは1.2GBぐらいで速度規制が次の日から始まったので正確です。
本当はメインの検証用の回線を用意して、それと他の低速回線の間で共通項があるかどうかを調べようとおもったのですが、この低速回線同士でも想像以上に違いがあったので個別比較しながら使える場面を検証していきます。
特にSoftBankで規制された128kbps回線は使用感がその他2つの低速回線とはまた違ったものを提供してくれたので、個別に注意点を出しながら使用感を書いていきます。
速度
とりあえず各回線の速度はこのような結果が出ています。SoftBankの回線がスピードテストに失敗しまくりだったため計測はこの時間ですが、検証時間はヨドバシ、BIGLOBEが土曜の夜、SoftBankが日曜の昼となっています。
低速回線で試したこと
メール/LINE
ヨドバシ・ワイヤレスゲート 250kbps |
BIGLOBE規制 200kbps |
SoftBank規制 128kbps |
問題なし | 問題なし | 問題なし |
よほど添付した写真やファイルが大きくない限りは、使えなくなることはあり得ないでしょう。
メールやLINEぐらいは確実に利用できます。
スタンプも余裕です。
LINEアプリ上での通話
ヨドバシ・ワイヤレスゲート 250kbps |
BIGLOBE規制 200kbps |
SoftBank規制 128kbps |
問題なし | 問題なし | 問題なし |
ノイズが入りますが、話すこと自体は普通に出来ます。
電波状況が良い状態、一人で会話している悲しい状態での検証なので、環境を変えたらもっと酷い内容になるかもしれませんが、心配はなさそうです。
Google マップ
ヨドバシ・ワイヤレスゲート 250kbps |
BIGLOBE規制 200kbps |
SoftBank規制 128kbps |
読み込みに時間がかかる | 読み込みに時間がかかる | 読み込みに時間がかかる |
厳しすぎます。マップのキャッシュがされてしまえばサクサク周辺や詳細地図を確認する事ができますが、キャッシュまでがとにかく長いです。良くて40秒ぐらい、大体1、2分は覚悟しないと駄目でしょう。
マップアプリを使う時は比較的急いでいる時だとおもうので、利用には適さないかなと感じます。
Webブラウザによるネット
ヨドバシ・ワイヤレスゲート 250kbps |
BIGLOBE規制 200kbps |
SoftBank規制 128kbps |
遅い | 遅い | かなり遅い |
決してスムーズには読み込んでくれませんが、時間を少しかければテキスト偏重のサイトならば10秒もあれば全文表示まで行けるでしょう。ここに画像や埋め込み動画が入ったり、電車で移動中に読み込んでるなんて要因が重なったら結構キツい感じです。
画像もサムネイル1枚あるだけで特にSoftBankの128kbps回線で時間がかかります。というかSoftBank回線の128kbpsは感覚としてBIGLOBEの200kbps回線より体感2倍以上の遅さがこれ以降の検証で目立ちます。
事前にブラウザ側で設定できるところがあれば、低速回線向けに設定したほうがいいでしょう。
YouTube
ヨドバシ・ワイヤレスゲート 250kbps |
BIGLOBE規制 200kbps |
SoftBank規制 128kbps |
軽い物なら止まらずに見れる | 止まりやすい | 接続がそもそも出来ないことあり |
大体の動画が途切れ途切れです。
ただ画像一枚の音声ファイル系の動画や、投稿時期が古い軽いファイル動画ならば意外といけます。
公式チャンネルの配信するような高画質動画は5秒おきぐらいに止まりますが、低画質な動画ならば10秒ぐらいは連続で見れるようになります。サントラを抜き出したような黒に近いグレー動画だと、250kbps回線なら途切れることなく聴けることもあります。
ただこれはヨドバシSIM/BIGLOBEが比較的安定しているからという要素が大きい気がします。当然ながら128kbpsになるとサントラ系動画も(圧縮されているにも関わらず)視聴がまず無理です。
ストリーミング視聴
ヨドバシ・ワイヤレスゲート 250kbps |
BIGLOBE規制 200kbps |
SoftBank規制 128kbps |
低画質ならいける | ツイキャスあたりの低画質ならいける | ほとんど期待できない |
Ustream、ツイキャス、ニコ生は映像付きのものは途切れることが多いです。
ただ低レート配信だと結構選択肢は残ります。音声のみの配信や低画質な動画配信なら普通に見やすいものが多いのが意外な驚きでした。個人がiPhoneから発信するようなツイキャス、Ustreamなら余裕が感じられます。PCから画面をキャプチャした実況動画や解像度の高い放送は厳しいです。個人の行う配信ならヨドバシ、BIGLOBEの規制回線でもストリーミングも再生ができます。
安定はしませんが低画質の中でも何をしているのか、何を話しているのかはわかりやすいほうでしょう。youtubeなんかよりも低速回線の利用方法としては快適です。
ただこれで楽しめたり満足できるのかと言うとそれはまた別な問題になるでしょう。
128kbps配信に対応していても見にくいものもあったり、逆に高レート配信でも途切れはするものの粘りをみせてくれたりと、完全に配信物や接続する時間で左右される感じでこの使用感が参考に出来るかどうかわかりません。
ストリーミング配信自体あまり触らないので、設定を変えたりしたらもっと快適になるのかもしれませんが、素人な使い方だとこんな印象です。
自宅サーバーからの個人的利用とかのほうがストリーミング系の利用には適しているでしょうか。
SoftBankの128kbpsだと個人の低画質配信ですら無理でした。ここの128kbps回線だと上記の内容は当てはまりません。
ラジコ
ヨドバシ・ワイヤレスゲート 250kbps |
BIGLOBE規制 200kbps |
SoftBank規制 128kbps |
安定 | 安定 | バッファがたまれば安定 |
今回色々なアプリを試している中で、一番スムーズに利用できたのがradikoです。音声が途切れることは一度もありませんでした。128kbpsでもクリアな音質で聴き続けることができました。
地域測定とバッファには時間がかかってすぐには聞けませんが、そこさえ越してしまえばストレスなく利用出来る可能性は高いとおもいます。
ファイルのアップ・ダウンロード
ヨドバシ・ワイヤレスゲート 250kbps |
BIGLOBE規制 200kbps |
SoftBank規制 128kbps |
遅い | 遅い | DLでタイムアウト ULで爆速と極端 |
ファイルのダウンロードについてはこれまでの検証のなかでもわかるように、数MBのアプリを落とすのにも時間がかかってしまいます。小さめのサイズならまぁ何とか我慢は出来ますが、10MBを超え出すと辛くなるでしょうか。
逆にアップロードはサクサク進む印象があります。元々上り側の規制は緩めなのはスピードテストの結果などでわかるとおもいますが、5MBくらいの猫動画をDropbox経由でアップしましたがダウンロードよりも体感は良かったです。
SoftBankの回線でもダウンロードはスタートはするのですが、接続が切れて再スタートしなければいけない時が何度もありました。逆にアップロードは独壇場とも言えるぐらい速かったです。
気になること
低速回線状態で使ってて気になることに、電池の持ちが非常に悪くなっているということがあります。
通信時間が長いためでしょうか、複数のページをブラウジングするだけで時間がかかるのはもちろんですが、本体が発熱してバッテリー表示が普通の契約SIMを使っている時に比べても早く減っていくのが感じられます。
検証に使ったのがGalaxy J(SoftBank回線は305SH)という元々発熱しやすく電池も減りやすい端末であったことも影響するかもしれませんが、docomoの純正回線を使っていた時よりも影響が強かったです。
低速回線でも違いが大きい
とりあえず今回は目安として低速回線と呼ばれるものの中で手元にあるもので比較してみましたが、似たような速度の回線でもその体感はかなり差があるのを感じました。
当初は一律な使用感があるものと想定して出来ること・出来ないことについて羅列していこうとおもっていたのですが、利用するMVNOや速度によって差が激しいため、低速回線の中でも出来ることに幅があるというのを感じました。
とりあえず3つの低速回線を使ってみましたが、用途を絞れば250kbps、200kbpsならば何とかなる場面があるように感じました。
特にWIRELESS GATE WiFi+LTE 480円プランSIMの250kbpsは出来ること出来ないことをハッキリさせておけば、ストレスを感じないギリギリの線で使えるため、480円の料金と天秤にかければ納得のいく買い物になる格安SIMかもしれません。
エンタメ系のコンテンツには不向きではありますが、TwitterなどのSNSやコミュニケーションアプリでの利用については低速回線でも影響はさほどないと感じましたので、あえて選ぶことは無くても低速だから何も出来なくなるということは無いので心配しなくてもいいでしょう。
SoftBankの128kbpsはもう二度と体感はしたくはありませんが、WIRELESS GATE WiFi+LTE 480円プランSIMはもう暫く契約を続けていきますので気になったことが出てきたら追記をしておきたいと思います。
SoftBankの3日1GB制限の速度は公表されていませんよ。おそらく128kbpsより遅いと思われます。
128kbpsと公表しているのは規定の容量に達した場合のみです(7GB等)。
確かに速度規制としか書いてないですね
別の回線でもう一度128kbpsを試して追記できるようにしたいとおもいます。
WIRELESS GATE WiFi+LTE 480円プランSIMの250kbpsの契約を考えているのですが、SNSはさほど問題ないとのことでしたが、ミクシーのように画像が沢山アップされている場合、ストレスなく使えるでしょうか?
また、こちらの場合、Wi-fiスポットが無料で使えるとのことですが、都心部の場合、スポットの充実ぶり、通信速度が分かりましたら、教えていただけると助かります。
写真がたくさんあるサイトはちょっと大変かと。サムネイル表示ぐらいは出来るでしょうが、ちゃんと見るには時間がかかるのでそれほどよくはないかと思います。
それほど料金の変わらないDMMモバイルの1GBプランを契約して、高速通信+バースト転送の200kbpsで運用したほうがいいかもしれません。
ソフトバンクの3日1G制限を現在受けてますが、まともじゃありません。
1ヶ月の規定容量オーバーの制限の比ではありません。
こんなゴミの様な回線よく提供していてナンバーワンとか言えるなと思います。
土管以下です。
排水溝回線提供企業です。