通信料金が横並びになっていくMNOの通信キャリアとは違って、MVNOの格安SIMカードを展開している事業者は、激しい価格競争・新たな料金プランの提供に積極的です。
最近のぷららモバイルや日本通信の動きは結構攻めてきた感じの新プランであると言えます。
そしてつい最近も、2つのMVNO事業者が価格競争を加熱させる新しい料金プランを出してきました。今回は業界全体の基本的な料金プランに衝撃を与える変化を見せてきたため、この後MVNOの格安SIMカードの市場は激動に見舞われることでしょう。
今回の新料金プランを発表してきたのは、業界の古株になったIIJとIIJから回線を卸してもらっているhi-hoの2社です。かなりインパクトの強い新しい料金プランとなっています。
なんと10月からIIJとhi-hoでは、従来の1000円前後で1GBの通信量が使えたプランを、料金そのままにデータ量を倍増するという、業界にとって一つのターニングポイントになりそうな変化を出してきました。
IIJの内容
IIJの変化の内容も、hi-hoの変化の内容もほぼ一緒なのですが、一応それぞれの内容について紹介していきましょう。
IIJでは値段据え置きで利用できる高速通信のデータ容量を「倍増」させています。
1GBの増量とかではなく倍増です。
972円の最小構成とも呼べるプランで2GBのデータ容量が10月から付いてくるようになりました。
従来の格安SIMのプランでは、1GBで1000円前後の料金、2GBでは1600円以上が料金の相場でした。
それが今回のIIJでは2GBで972円と、容量比較で500円以上の値下げになり、今後の料金相場に影響が出そうな価格設定を行ってきたのです。
10月からのそれぞれの料金プランとデータ容量は以下のようになっています。
ミニマムスタートプラン | ライトスタートプラン | ファミリーシェアプラン | |
データプラン料金 | 972円 | 1642円 | 2765円 |
音声通話付き | 1728円 | 2397円 | 3520円 |
容量(10月1日~) | 2GB | 4GB | 7GB/SIM3枚 |
4GBで1642円、SIMカード3枚の7GBという大容量のプランでさえ2765円と価格破壊が起きています。
音声通話もつけることができるため、キャリアの2GBの同じデータ容量回線と比較しても、通話定額ではないという点を差し置いても料金には大きな差があります。
その他、追加チャージの料金も値下げして、100MBのデータ容量追加が216円から行えるようになりました。
hi-ho LTE typeDの内容
hi-hoについても内容はほぼ変わりません。
1GBのプランが料金そのままに2GBへグレードアップ。3GBのプランが7GBへと進化しています。料金は1008円からになります。若干IIJよりも高いです。
チャージクーポンもIIJと同内容の216円からになります。
基本はIIJの変更内容と変わりません。
高速通信のON/OFFへの対応も、クーポンの翌月繰り越しもIIJと同じです。
元々IIJの回線を使ったMVNE系列の一つがhi-hoになるため、契約内容もIIJと変わらず、今回の変更も影響を受けているというものです。
これからも続々と変化が!?
IIJ系列が2GBで972円という価格破壊なプランを出してきたことで、他のMVNO事業者間にも衝撃が走ったとおもわれます。
docomoからの回線卸値が値下げされたのか、それともIIJが勝負に出たのかは不明ですが、この料金とサービス内容を出されてしまっては、MVNO他社も追随するサービスの発表を行う必要があるかとおもいます。
今後、10月以降からIIJ系列以外でも同じようなプランの改定が始まるものと予想されます。
何故か値上げプランで横並びになってしまったキャリア回線とは違って、MVNO間では競争が増しています。これから暫くはMVNOの値下げや容量増加のニュースが続々と入ってくるかもしれません。