格安スマホというジャンルの中では特筆すべきスマッシュヒットとなった台湾ASUS製のスマートフォン「ZenFone 5」の後継機種「ZenFone 2」が発表されました。
今回国内で発売されるモデルは、ZenFone 2の中でも上位端末となるZE551MLが採用され、3つのスペック違いのモデルが発売されます。
どれもフルHDディスプレイを備えており、ZenFone 5で攻めてきたミドルレンジモデルからよりハイエンドな端末としての提供を目指しているようです。ミドルレンジモデルとしてのZenFone 2を期待していた方には、残念ながらそれに対応したモデルは日本国内に投入されませんでした。海外モデルだとZenFone 5からの路線を受け継いだZE550MLが出ていますので、ZenFone 5の後継となるミドルレンジモデルを購入したい場合にはEXPANSYSなどから輸入するしか無さそうです。対応周波数の問題が付いてきますが・・・。
今回の記事ではまだ発表から間もないものの、既にZenFone 2を使った格安スマホセットが発表されていますので、その内容について詳細を比較しながら見ていこうと思います。
ZenFone 2、3モデルの定価
セットを紹介する前にZenFone 2単体の販売価格について紹介しておきましょう。
MVNOがセットで出す場合、割引やポイントをつける代わりに、定価よりも価格設定を高めにしている場合があります。長期契約するつもりが無かったり、ポイントの使い道がない場合なんかだと、セット契約のほうが割高になってしまう可能性もありますので個別に購入したほうが良い場合もあります。
ZenFone 2モデル | 税抜き/税込み |
---|---|
Z3560/2GB/32GB | 35800円/38644円 |
Z3580/4GB/32GB | 45800円/49464円 |
Z3580/4GB/32GB | 50800円/54864円 |
最も安いもので4万円近くするようになり、ZenFone 5同様の低価格路線を期待していた方にはちょっと期待はずれな価格になってしまったでしょうか。
戦略としてはZenFone 5だけでミドルレンジ帯のスマートフォンシェアは獲得出来るだけのスペックを充分保有しているため、ZenFone 2ではキャリアスマホが占めるハイエンドモデル帯のシェアを伺おうとしているようです。
ZenFone 2スペックシート
ZE551ML Z3560/Z3580 | |
---|---|
Android OS | 5.0 |
CPU | インテル® Atom™ プロセッサー Z3560/Z3580 |
端末サイズ | 152.5 ×77.2 ×3.9 mm ~ 10.9 mm |
重量 | 170g |
ディスプレイ | 5.5inch |
解像度 | 1920×1080 FULLHD |
RAM | 2GB/4GB |
ROM | 32GB/64GB |
LTE対応Band | B1,2,3,4,5,6,8,9,18,19,28 |
バッテリー | 3000mAh |
連続通話時間 | 1144分 |
メインカメラ画素数 | 1300万画素 |
フロントカメラ画素数 | 500万画素 |
ワンセグ/フルセグ | ×/× |
SIMサイズ | micro SIM(デュアル SIM) |
テザリング | ◯ |
外部メモリ | microSDXC 64GB |
その他 | FOMAプラスエリア対応 |
輸入でもZenFone 2は海外モデルを購入することが出来ますが、FOMAプラスエリアに非対応や日本向けのソフトウェアを搭載していないという違いがあります。安く買えますが、その点には注意したほうがいいでしょう。
NifMo
それでは格安スマホセットとして展開が予定されているMVNOの内容を見ていきましょう。
まずはNifMoが早速端末セットの発表とキャッシュバックキャンペーンを行っています。
セットになるZenFone 2は国内向けでは最安になる「CPU:Z5360、RAM:2GB、ROM:32GB」のモデルです。
NifMoにおける一括販売価格は37778円(税込み40800円)となり、分割契約した場合には1ヶ月あたりの支払は1575円(税込み1700円)となります。ZenFone 5の時同様に通常の定価よりも高めです。
NifMoの場合格安スマホセットで契約することによって、格安SIMとスマホを個別に調達するよりも、「機器セット割」が効いて毎月格安SIM側の料金を200円安く出来ます。この割引の原資を回収するために、本来の定価よりもZenFone 2のNifMo販売価格は高くなってると考えていいでしょう。24ヶ月通して割引を受けることを前提にすると、実質的な端末価格が32978円(税別)と捉えられるため、定価よりかは安いと考えられる仕組みです。
しかも予約段階からキャッシュバックが5000円貰える(契約から9ヶ月目に送付)ようになっているため、端末に対する実質的な支払いというものは更に減って27978円とも考えることも出来、2年間の利用前提ですが普通に揃えるよりも大分安くすることが出来るでしょう。
音声通話付きの契約はもちろん、データ通信専用のプランでもキャッシュバック、機器セット割共に適用が出来るため、柔軟性に富んでいます。
ZenFone 2を契約した場合の料金プラン、そして比較対象としてZenFone 5の料金プランは以下の通りです。
NifMo | ZenFone 2 | ZenFone 5 | ||
---|---|---|---|---|
契約プラン | 音声プラン | データプラン | 音声プラン | データプラン |
端末分割支払い | 1575 | 1297 | ||
データプラン料金 (3GBコース) |
900 | 900 | ||
機器セット割 | ▲200 | ▲200 | ||
音声プラン | 700 | ‐ | 700 | ‐ |
(キャッシュバック金額) | (+5000円) | (+10000円) | ||
合計(税抜/税込) | 2975円/3213円 | 2275円/2457円 | 2697円/2912円 | 1997円/2156円 |
ZenFone 5のキャッシュバックキャンペーンについては、紹介特典時の金額を利用しています。通常は8000円です。紹介特典については以下の記事内で当サイトの内容を告知しています。
Zenfone 5が実質23600円 NifMoが格安スマホセットに高額キャッシュバックキャンペーン | スマホ辞典
楽天モバイル
NifMoと同様に発表後すぐに格安スマホセットの内容を公表したのは楽天モバイルです。
楽天モバイルでは2つのモデルをセット端末対象として選択できます。
どちらも内部の記録メモリー(ROM)が32GBのモデルになっており、違いはCPU/RAMがZ3560/2GBかZ3580/4GBかという点になります。
RAN:2GBモデルは一括35800円(税込み38664円)(分割1611円×24回)、
RAM:4GBモデルは一括45800円(税込み49464円)(分割2061円×24回)という価格設定です。
音声通話契約、データ通信契約どちらもセットにすることが可能で、RAM:2GBでは1000ポイント、RAM:4GBでは2000ポイントの楽天ポイントがそれぞれ特典として発生します。
セットによる割引はなく、特典としてはこの楽天ポイントのみとなります。あとは時期によって設けられるキャンペーンによる追加特典ぐらいでしょう。
その内容については公式HPで今何が行われているのかを確認して下さい。5月中は音声契約SIMに1年間、楽天市場での買物でポイントが倍増するなどの特典が用意されています。
楽天モバイル | ZenFone 2 2GB/4GB |
ZenFone 5 8GB特別モデル |
||
---|---|---|---|---|
契約プラン | 音声プラン | データプラン | 音声プラン | データプラン |
端末分割支払い | 2GB:1491 / 4GB:1908 | (一括購入:26400円) | ||
データプラン料金 (3.1GBコース) |
900 | 900 | ||
音声プラン | 700 | ‐ | 700 | ‐ |
(楽天ポイントバック) | (+1000p / +2000p) | (+9500p) | ||
合計(税抜/税込) | 2GB:3091円/3339円 4GB:3508円/3789円 |
2GB:2391円/2583円 4GB:2808円/3033円 |
1600円/1728円 | 900円/972円 |
分割契約にはイオンスマホのようにクレジットカードが指定されており、楽天カード以外では組めません。もしも楽天で契約する場合には楽天カードを事前に通しておくようにしましょう。
今なら楽天カード開通で6000ポイントが貰えますので、このカード開通によるポイント特典をキャッシュバックとして考えれば、NifMoと同じぐらいのオトク度には一応なります。
楽天モバイルでZenFone 5をセット契約する場合は、9500楽天ポイントバックを受けれる条件が端末の一括購入のみが対象になっています。分割契約ではこのポイントバック特典が貰えませんので、ZenFone 5を選ぶなら一括で支払うようにしましょう。
NifMo,楽天モバイルの速度
ここまでの内容を比較してみるとキャッシュバック金額、分割契約のし易さという点では、NifMoのセットのほうが契約しやすいでしょうか。契約するクレジットカードに縛られないのはメリットかと思います。
しかし楽天カードの作成に抵抗がない場合は、楽天カード開通のポイント分も勘定に含めると、ZenFone 2の定価も安い分楽天にも魅力が出てきます。
これらのZenFone 2セットを料金や契約内容以外で選ぶとすれば、あとは速度という指標があります。
ちょうど4月の時点での混雑時の速度状況を測ったばかりなので、そちらを以下の記事から参照して下さい。
MVNO格安SIM,12社の実効速度状況 4月編 OCNモバイルONEの回線品質が急変 | スマホ辞典
平均ダウンロード速度 | 12時台 | 18時台 | 22時台 |
---|---|---|---|
NifMo | 1.33Mbps | 5.41Mbps | 6.93Mbps |
楽天モバイル | 0.18Mbps | 2.94Mbps | 4.13Mbps |
楽天モバイルとNifMoの現時点での速度状況を比較してみると、NifMoのほうが全体的に良い数字を見せています。楽天モバイルも悪くない数字なのですが、12時台の速度が結構不安な数値が出ているため、速度という指標も加えた場合にはNifMoのセットのほうがこの4月時点ではZenFone 2、ZenFone 5共に選ぶ価値が高いかもしれません。
ZenFone 2のスペックを考えると、最近のイオンスマホと同じようにキャリアスマホからののりかえに適した存在と位置づけることができるかもしれません。
スマホの操作や各種アプリの利用に深く慣れ親しんだ方が、同等以上のスペックを持ったスマートフォンへののりかえを節約目的で行うに適した存在になる可能性をもっています。
恐らくRAM:4GBモデルとRAM:2GBモデルでどちらを買えばいいのか悩む方もいらっしゃると思いますが、現状多くのハイエンドモデルがRAM:2GBでもガジェットオタク以外からは不満が少ないため、よほど偏屈なハイスペックゲームアプリでも利用しない限りは、RAM:2GBの安いモデルで大半の方が満足いくのではないかと思います。
価格的にも4万円ギリギリいかない程度なので、これなら予算的に間に合うことでしょう。
注意点としては、今回のZenFone 2はAndroidの64bit版に対応し、インテル製のチップセットということで、相性によっては一部のアプリがうまく動作しない可能性があります。なのでどうしても使いたいマイナーアプリがあるようでしたら、動作報告を聞いて発売日以降に購入したほうが安全かと思います。
そもそもスマートフォンをそれほどヘビーな使い方をしないという方の場合は、ZenFone 2ではオーバースペック気味かと思うので、キャッシュバック金額が増額しているZenFone 5のキャンペーンを利用したほうがいいかもしれません。
LINEやSNSとそれに関連するゲームぐらいしかしないという場合には、ZenFone 2である必要性もないので、コストパフォーマンス的にはこちらのほうが大きく優れています。
ZenFone 2とZenFone 5のどちらを選ぶかという基準をまとめるとしたら、これまでキャリアのスマホを使っていて、パフォーマンスを落とさずに格安SIMへと移行したいという方にはZenFone 2を。これから初めてスマホを使うか、もしくはスマホに変えるとしてもこれといって特に大きな利用目的もないという場合はNifMoあたりのZenFone 5セットを選ぶと、キャッシュバックなどを考えてもコストパフォーマンスの良い内容になるかと思います。
zenponeと2との比較を調べていてこちらにたどり着きました。自分にはZenponeで十分だとわかりました。ありがとうございます。現在まだ、iPhone4sを使用しており、iPhoneの使いやすさ(慣れ)にiPhoneの線も捨てきれなくいろいろ悩み中です。これからもわかりやすくためになる記事、期待してます。
格安スマホセットを試してみたいと思っていますが、SMSなしとSMSあり、どっちにしようかなと迷ってます。普段、あまりメールをしてないので、なくても大丈夫でしょうか?それから、今持っているガラケーを解約して、格安一本にしようと考えていますが、ただ、音声通話プランに入ると、高くつくので、加入したくないです。かと言って、緊急時、音声通話が必要なときにできないと、困ります。音声通話は、skypeで対応していこうかなと考えていますが、毎月一定金額を払って維持する必要があります。ちょっと面倒ですけど。10分以内の通話が無料のYモバイルが魅力的だから、選択肢として悪くないのかなと思ってますが、こちらでは全く取り上げられてないようで、なぜですか?
参考になる情報、ありがとうございます。
SMSはアプリ認証などに便利なのであってもいいと思います。
音声通話については災害も多いですし基本料金がかかったとしても付けておいていいと個人的には思います。
Y!mobileについては一応別の記事で料金プランやメリットを紹介しているので、そちらをいくつか参考にしていただければと思います。