格安スマホの火付け役となった「イオンスマホ」が第4弾となる格安スマホを提供してきます。
第4弾は11月29日にイオンカード会員向けに先行発売、12月5日から全国的に発売を行います。
今回はイオンスマホの購入層として想定される50代前後の利用者からの意見を汲み取り、これまで中国製や韓国製だったスマートフォン端末を日本製へと変更して「信頼・安心感」を提供することを目指したようです。
メーカーは富士通、スマートフォンは過去に法人向け端末として出したものですが、個人向けに改良された「ARROWS M01」となっています。
国産スマホということで特にシニア層ではこれまでの中国製よりも心理的に手に取りやすいかとおもいます。
さらに内部の操作画面も、通常のスマートフォンのように何でも出来るけど何をしたらいいのか・何がどこにあるかわからない、というようなホーム画面だけではなく、利用目的がハッキリわかるシンプルホームという画面UIを併用できるため、したいことがすぐ出来るシンプルなスマートフォンとして扱うことが出来ます。
徹底的にシニア層向けのチューニングがされたイオンスマホ第4弾について今回は紹介していきます。
イオンのスマホ第4弾、ARROWS M01 スペック
イオンスマホ第4弾 ARROWS M01 |
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CPU | Snapdragon 400 |
RAM/ROM | 1GB/8GB |
ディスプレイ | 4.5インチ HD(1280×720) |
バッテリー | 2500mhA |
連続通話時間 | 約670分 |
メインカメラ | 800万画素 |
その他 | 防水/防塵/テザリング/NFC |
ARROWSということで過去の酷評から不安になる方もいるとおもわれますが、クアルコムのSoCを使ったARROWSは比較的まともに動くようになっているので、このスマートフォンに関しても過去のARROWSのようになる可能性は少ないでしょう。
スペック的には同価格帯で発売された端末と比べて、RAMやROMの部分で見劣りするところがあるでしょうか。それでも充分な性能で揃えてきています。
連続待受時間は700時間。実際にどの程度電池が持つのかということについては興味の出るところでしょうか。スペック上では1日は持ちそうな内容ですが。
4.5インチは大型化の進む格安スマホやこれまでのイオンスマホの中でも小型と呼べるサイズ感です。丸みをおびたフォルムは持ちやすさも与えてくれると思うので、丁度良い使いやすさになることでしょう。
料金と仕様
1GBプラン | 5GBプラン | |
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イオンカード未所持 一括支払いのみ 3万6720円(税込3万9657円) |
月額1350円 (税込1458円) |
1650円 (税込1782円) |
イオンカード所持 分割支払い可能 1530円×24回払い(税込1661円) |
2880円 (税込3110円) |
3180円 (税込3434円) |
価格は3万6720円(税込3万9657円)
契約出来るのはデータ容量が1GBのプランと5GBのプランです。データ容量的には結構違いがあるのですが、料金的には300円ほどしか違いがありません。もしも余裕があるのならば、5GBプランのほうで契約をすると、余裕をもってインターネットへ接続することが出来るでしょう。
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イオンスマホは本体代金込みの価格で月額2880円(税込3110円)としていますが、本体代の分割購入はイオンカードを所持している方しか出来ません。毎月の支払いをこのイオンカードで行う形にするので、それ以外のカードしか持っていないという場合は、その場での一括購入しかできませんのでご注意下さい。
保証オプションは378円からです。防水仕様のスマホではありますが、落下による破損などを考えたら加入しておいたほうがいいかもしれません。4320円で同端末を交換することが可能です。
そして解約金は0円です。一切解約時に費用はかかりません。(ただし端末を分割支払いしている場合はそちらの清算が必要)
普通これらの格安スマホでは最低でも6ヶ月、最長で2年の最低利用期間が定められていますが、イオンスマホではそうした縛りが発生しません。
無料通話は存在しません。30秒20円で必ず通話料は発生してしまいます。ですが楽天でんわなどの外部サービスを使うことで、キャンペーン期間中は3分間の通話ならば何度でも0円になるなどの恩恵が受けられます。あるいはLINEなどのアプリ間でインターネット回線を通じての電話をすることで、通話料を無料にすることが出来ます。無料通話がない分こうしたサービスを利用しましょう。
メールアドレスはBIGLOBEの接続サービスを同時登録するため、そちらのメールアドレスが使えます。またアプリインストール時に登録が必要になるGmailでもメールアドレスが取得できるので、この2つがメインのアドレスになるかとおもいます。ただしdocomoやauで使っていたメールアドレスは使えなくなってしまうので、ご注意下さい。
スペックは重要ではなく、明らかなシニア層に向けた簡単スマホ
一応最初にスペックを眺めて見ましたが、これはあまり気にすることはないとおもいます。
ARROWS M01はその端末写真を見て頂ければわかるように、UIが普通のAndroidと同じものと独自のシンプルさに特化したホームUIを採用しています。
ARROWS M01のイチオシ機能はそのシンプルなホーム画面も使えるというところでしょう。目的の操作が一目でわかり、スマートフォンや電子機器が苦手な方でも使いやすいようにしています。
このホーム画面の搭載目的を考えれば、ZenFone 5やBlade Vec 4Gなどの定番格安スマホと比較して、どちらのほうが性能が上か下かなどと優劣をつけても仕方のないことでしょう。
このイオンのスマホ「ARROWS M01」は、40代50代以上のシニア層へ向けた目的で販売戦略を立てているとイオン側が言うように、従来のスペックや価格重視の格安スマホとはターゲットや位置づけが異なっています。
携帯代の節約を考えながらも、ネット上のコンテンツを出来る限り楽しみたいという若い方々たちには性能が良いスペックの高いスマホとの比較も意味を成すかとおもいますが、ケータイ電話の延長線上として使いやすさを重視した利用方法に重きを置いているシニア層にとっては、如何に簡単に扱えるのかという点が問題でしょう。
その点を重視した第4弾である「ARROWS M01」は、その他の格安スマホとの比較があまり意味を成さず、むしろdocomoやSoftBankが販売しているらくらくスマホやシンプルスマホとの比較が適当になるでしょう。
こうしたシニア層に最適化されたホーム画面の他にも、電話で会話のしやすくなるようにマイクとスピーカー両方に富士通独自のフィルタリング機能を付けて、雑踏の騒音や機械ノイズを薄めクリアな通話環境を整える機能が付けられています。
そして画面も有機ELで色鮮やかな発色を実現するとともに、太陽光の下でも画面が見やすいように適切な明るさ調節が出来るように独自のソフトウェアが組み込まれています。
らくらく/シンプルスマホと比較
docomoやSoftbankで販売されているらくらくスマートフォンやシンプルスマホといったシニア層向けスマートフォンは、実はdocomo版は富士通が製造しているものです(SoftBankはシャープ)。今回はこれらキャリアとは違う販路でのらくらくスマホ販売を成功させようとイオンと組んだのでしょう。
イオンのスマホ第4弾はその他の格安スマホと比較してもいいのですが、こうしたキャリアのらくらくスマホ・シンプルスマホとも同じ土俵で比較できる仕様になっており、こちらのらくらくスマホ寄りの特徴のほうが大きめの特徴でもあるため比較対象として今回は取り上げてみます。
とりあえずまずはその料金プランと価格について出してみます。
イオンスマホ 第4弾ARROWS M01 |
docomo らくらくスマホ3 |
SoftBank シンプルスマホ2 |
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---|---|---|---|
本体代金 | 3万9657円 (1661円×24) |
6万4800円 (2700円×24) |
7万1520円 (2980円×24) |
基本料金 | 1458円 | 2916円 | 2916円 |
接続サービス | - | 324円 | 324円 |
データプラン | - | 3780円 | 2160円 |
割引サービス | - | -1215円 | -2300円 |
合計(月額) | 3110円 | 8505円 | 6080円 |
格安スマホとしての比較だとあまり目立って特筆すべきところのないARROWS M01ですが、シニア層向けのスマートフォンとして比較をしてみると、従来の半額ほどで購入できる「格安らくらく/シンプルスマホ」として急に輝き出します。
大体半額の料金で使うことが出来ます。通話定額ではないということ、データ容量もdocomoの場合は2GB・SoftBankの場合は200MBまでと違いがあります。SoftBankよりもデータ容量は多いですが、docomoと比べるとデータや通話の面でサービスは低めです。しかしこの差がここまで毎月の料金として違いが出るものかと言えばそうではないではないでしょう。サービスの質に多少の違いがあるとはいえ、従来のらくらく/シンプルスマホよりも半額で使えるというのは、とても魅力的な契約内容だとおもいます。
低価格なシンプルスマホ
らくらくスマホやシンプルスマホは需要が多い割には本体価格や毎月の維持費が高くなってしまいシニア層に中々浸透していかなかった気がします。
それを考えると今回のイオンスマホ第4弾はキャリア版らくらくスマホ/シンプルスマホと比較して従来よりも安い本体価格、安い維持費で利用できるため、契約のしやすさというものはこれまで以上にあるでしょう。
使いやすいらくらくスマホ/シンプルスマホの系譜を引き継ぎながら、格安スマホとしての路線も見失わずに低価格に抑え、安心の国産スマートフォンというシニア層の求めるものを揃えて来ています。
このイオンスマホ第4弾は、これまでのイオンスマホシリーズの中では最もターゲットが明確であり、その求めている仕様や機能といったものもちゃんと結集させて商品化出来ているスマートフォンだと感じました。
普通のAndroidスマートフォンとしても使うことが出来ますが、そちらだと後発にも関わらずスペック面での弱さが気になってしまいます。ですがらくらく/シンプルスマホとして使うことを前提とすれば、コストパフォーマンスの良さがキャリア契約のそれぞれよりも目立ちます。
今回のイオンスマホ第4弾は、年配の方や機械にあまり詳しくないという方には比較的おすすめできる内容だと感じます。高齢者・シニア層の方への初めてのスマートフォンとしては最適ではないでしょうか。最初はシンプルホームを使ったらくらく/シンプルスマホとして使い、操作に慣れてきたら通常のスマートフォンと同じホーム画面に戻して使うことも出来ます。イオンが近くにあれば小さめの問題ならば立ち寄って解決することができますし、国産ということでサポートもこれまで以上に安心できるでしょう。若い方はあまり惹かれないかもしれませんが、そうではないという方々には安くて魅力的な選択肢です。
店頭で購入する際は、事前にイオンカードに登録しておくと分割契約をすることが出来るので登録をしておいたほうがいいでしょう。
イオンカード(WAON一体型)
追記:ARROWS M01がNifMoや楽天モバイルでも取り扱いが開始されました
これまでイオンスマホとしてしか発売されていなかったARROWS M01がNifMoや楽天モバイルでも取り扱いが始まっています。
イオンスマホとしての契約ではBIGLOBE LTE・3Gという格安SIMとセットにされて契約するしかありませんでしたが、NifMoと楽天モバイルでの取り扱いによって別のMVNOの格安SIMを利用することが出来ます。
しかもこれら2社のMVNOは、イオンスマホで使われるBIGLOBEの格安SIMよりも速度が非常に出やすくて、使いやすさではイオンスマホとして契約するよりも上の評価を与えられます。実際、この2015年6月時点の追記時では、速度比較を行ったところNifMoと楽天モバイルがMVNOの中では最も速く、BIGLOBEは最下位に近い速度結果になってしまっています。
この結果から、もしも現時点でARROWS M01に興味があるようでしたらイオンスマホとしての契約を図るよりも、NifMoや楽天モバイル経由での契約をしたほうが通信速度も速くて快適に使える可能性は高いでしょう。料金的にはそれほど大きな変化はないため、イオンスマホと同じように契約できながら回線はより速度の出るものを使うことが出来ます。
NifMo ARROWS M01セット
ドコモらくらくスマホ2を改良してSIM FREEで出すのと、どっちが安いのでしょうね
個人的感想を言えば
F-12DをSIM FREEしてCPUデュアルコア化、LTE化
の方が安く出来た様に思える
シニア向けにクアッドコアが必要か疑問