日本において未発売なのに何故か知名度の高かった台湾ASUSのZenfone5が、ようやく正式にSIMフリースマートフォンとして日本発売が決定しました。
これまでエクスパンシスから海外モデルの輸入しかZenfone5の購入ルートもなく、周波数帯も海外版ではdocomoの回線で使うには難のあるBand対応しかしていませんでしたが、今回国内販売に向けてLTEの周波数帯はdocomoで3つ、SoftBankで2つに対応することになりました。
価格は輸入版よりも高くなってしまいましたが、国内サポートを受けられる体制となり、LTEの周波数帯も国内向けへと調整され、MVNO各社のAPN設定もプリセットされているということで格安SIMを差してすぐに使える仕様になっているようです。
発売は11月8日からと間もなくといったところです。
今回はこのZenfone5発売のニュースについてお伝えしたいとおもいます。
16GBで2万8944円、32GBで3万2184円、RAM2GB
Zenfone5は格安スマホの位置づけに入ることになるでしょう。
16GBと32GBの2つのモデルが用意されています。それぞれ税込で2万8944円、3万2184円になります。
microSDカードで外部ストレージを付け足すことが出来るため、購入時には16GBで事足りる方が大半かとおもいます。
販売価格2万8944円ということで、同じ価格帯でAscend G6、STAR Q Q5002、G2 mini、Blade Vec 4G、IDOL 2 Sというものが比較対象として挙げられるとおもいます。
このZenfone5はこれらの同価格帯SIMフリースマートフォンの中では、恐らくトップに立てるスペックになっています。
スペック表ではS400、HDディスプレイ、LTE/テザリング対応とこの価格帯の必要条件を揃えていますが、RAMが今回挙げたその他の格安スマホよりも上になっています。
ASUS Zenfone 5 | |
Android OS | Android 4.4.2 |
CPU | Snapdragon 400 |
RAM/ROM | 2GB/16GB or 32GB |
ディスプレイ | 5インチ(1280×720)HD |
バッテリー | 2110mhA |
メインカメラ | 800万画素 |
税抜き販売価格 | 16GB:2万6800円 32GB:2万9800円 |
このサイトで何度かおすすめしているBlade Vec 4GよりもRAMの高さで性能を上回ってきています。Blade Vec 4Gは特殊な購入方法で価格が大きく下がる場合があるので、コスト面での優位性は無いですが、単純な公式販売価格の同価格帯スマホとして比較すると、Zenfone5は最もスペックが高いと言えるでしょう。
LTEはdocomoとそのMVNOに適した仕様に
今回国内販売されることによって、海外版輸入には無かった大きなメリットが生まれました。
技適の問題や故障などのサポートといった面は当然ですが、LTEの周波数帯が最も使われるであろうdocomoの回線網に対応したということです。
海外版では2600/1800/900/700 MHzの対応でした。
この中でdocomoの通信網がまともに対応しているのが東名阪エリアの1800MHzぐらいで、LTEが使えるのは限られたエリアのみになっていました。
それが国内販売モデルでは2100/1800/2600/900/800 MHzと、広いエリアでLTE通信が期待できる2100と800を含んだ3Bandにdocomo網が対応しています。またSoftBankの広いLTEBandにも2つ対応しており、APNが設定できればSoftBankでも快適に使えます。
LTEが海外版に比べると国内の電波状況にしっかり対応したものになり、特にdocomoとそのMVNOで使いやすいモデルになっています。価格のほうは海外版を輸入するほうが安いですが、快適に日本で使いたいならば国内販売モデルには敵いません。
MVNOではBIGLOBEを中心にデータ容量を増加させたことでLTEの高速通信のメリットをこれまで以上に享受できるようになったため、LTE対応Bandの増えた国内版Zenfoneは通信環境を最大限に活かせるでしょう。
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BIGLOBE 3G・LTE、5GB/1505円・8GB/2838円の大容量格安SIMを実現
MVNOとのセット販売に期待
スペックでは同じ価格帯で最高のものになっていますが、スペックの違いがRAM1GBという点だけのBlade Vec 4Gは、格安スマホセットとして発売されることで、本体代金が2万2000円や実質1万円4160円なんて価格で買えるようになっています。
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Blade Vec 4Gが更に安く!実質1万4160円と格安スマホ界トップクラスの安さでSo-netがセット販売
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NTTコムストア専売の「ZTE Blade Vec 4G」は、ミドルレンジ格安スマホを全て葬り去る価格破壊を招いたかもしれません
これと比較するとコストパフォーマンス比という点で、Zenfoneの優位性はBlade Vec 4Gより低くなってしまうのではないかと感じます。1万円近く販売価格が違いますが、その差がRAMの容量だけというのは「格安」スマホを求めるお客さんに訴えるには弱いとおもいます。
そのためZenfoneには格安SIMとセットで販売することで、実質的な本体代金を値下げするようなキャンペーンを期待したいとおもいます。
すでにIIJやhi-ho、U-mobileといったMVNOとパートナーシップ提携をしているようです。これらのMVNOではセット販売が同時期に開始されることでしょう。
Zenfone5を購入予定の場合は、こうしたMVNOとの格安スマホセットキャンペーンを見てから購入したほうがいいかとおもいます。内容次第では普通にMVNOと別々に購入するよりも安い総額で購入出来るかもしれません。
格安SIMと合わせるSIMフリースマートフォンとしては、今後定番の一つになる可能性の高い端末ですので、格安スマホが気になっている方はキャンペーンや販売展開など注目していきたいところです。