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MVNO

WonderLink Fシリーズの700kbps回線、実効速度レビュー バースト転送機能付きで安定を維持

7月にパナソニックが運営するMVNO「WonderLink」のプランが新調されました。IIJmioをMVNE元にする「Iシリーズ」と富士通のMVNO回線をMVNE元にする「Fシリーズ」の両プランの内容を改良しました。

この内、富士通側のWonderLink Fシリーズのプラン内容がにわかに注目を集めています。

WonderLink Fシリーズの新料金プランは1GBの高速データ容量で1,400円、もしくは7GBで2,480円という料金プラン的には食指が動かないプランなのですが、料金ではない機能の部分でかなり魅力的な内容が備わっておりそれが注目されています。
その機能というのが高速データ容量を使いきった時の制限速度の上限です。

ほぼ全ての格安SIMは、データ容量を使いきった後の規制された速度は200kbps前後に設定されています。軽いサイトの閲覧にはなんとか苦労しないレベルですが、テザリングでPC利用やちょっと容量のあるアプリをダウンロードしようと思ったら相当な時間がかかり、ストレスの溜まりやすい速度へと規制されます。
大体のMVNOがこの200kbpsで規制速度を設定しているわけですが、今回のWonderLink Fシリーズはなんとこの制限速度を700kbpsを上限として設定しており話題を呼んでいます。

通信速度が700kbpsもあればある程度画像が多くて重いサイトでも比較的サクサクと読み込みを進められ、テザリングでのPCサイトの閲覧や動画視聴にも耐えられるギリギリの速度かと思われます。UQ mobileの500kbps回線が実測これぐらいですが、かなり使いやすさを感じる速度なのは体感済みです。

[blogcard url=”https://smaho-dictionary.net/2015/03/uqmobile-nolimit/”]
UQmobileの無制限プランレビュー 速度は余裕で500kbpsを超え、更にバースト転送機能もどきの挙動も

実際にこのプランが700kbpsの速度を規制時にも出すことが出来るようならば、制限後に速度低下となってもほぼスマホでのネット利用において高いストレスを感じることの少ない、余裕で許容できる範囲の制限速度となるでしょう。制限後でも普通にネットを出来るだけの速度があるプランを求めていた方には、ようやく現れた理想のSIMになります。

ただ実際にこの700kbpsという上限値に近い数字が出るかどうかは未知数ではあり、契約には不安を感じている方も多いはずです。今回はWonderLink Fシリーズの制限後の実効速度を測れる機会が出来たため、制限速度の理論値として出されている700kbpsの実際の実力がいかほどかを確認してみました。

高速通信側の速度

まずはWonderLink Fシリーズで高速データ容量を使った状態での速度を検証してみましょう。この検証結果、速度状況については8月分のMVNO格安SIMの速度比較の時に数値が出ているので、そこを参考にして見てみましょう。

いくつか比較となるMVNOを並べてみました。詳しい内容は8月版の計測の記事に乗せていますが、少なくともこの8月の時点では比較に使ったdocomo系MVNOの中では最も良い速度結果を出したMVNOがWonderLink Fシリーズです。

[blogcard url=”https://smaho-dictionary.net/2015/08/mvno-speed-review6/”]
格安SIM速度比較 8月編&5ヶ月分の速度結果から安定した回線品質のMVNOを考える

平均
ダウンロード速度
12時台 18時台 22時台
WonderLink 15.74Mbps 11.03Mbps 17.62Mbps
IIJmio 0.42Mbps 3.14Mbps 1.84Mbps
NifMo 4.78Mbps 12.12Mbps 11.69Mbps
FREETEL 7.12Mbps 9.32Mbps 9.85Mbps
UQ mobile 14.52Mbps 10.67Mbps 11.15Mbps

ただしこの結果をそのまま鵜呑みにしていいわけでもありません。
2015年1月から本格的にサービスインしたMVNOになるわけですが、これまで大して話題にならなかったこともあり契約者数はそれほど多くはないでしょう。それ故に用意した帯域に対してユーザーの詰め込みに余裕がまだまだ存在しているのが伺えます。それが理由で速度が出ているという側面も大いにあるでしょう。
今後何らかの拍子に人気が出てユーザー数が増えた場合に、速度維持のための帯域増強などの適切な対応ができるかどうか、実力や姿勢というものが不明なMVNOであるために不安な部分があるのは確かです。

とりあえず今は確実に速いという評価が下せますが、今後についてこの状態が維持できるかどうかは不明瞭であることは注意すべき点としてあるので、それを踏まえたうえでこの速度を捉えたほうがいいと思います。

700kbpsの実力確認

次はメインの話題であるWonderLink Fシリーズの制限速度とされる700kbps時の速度を実際に使ってみての各種内容を記録していこうと思います。

常時700kbpsと言っていい結果(今のところ)

今WonderLink Fシリーズを気になっている方というのは、割と高速データ容量内での通信速度よりもデータ容量を使い切った後の制限速度である理論値700kbpsという数字が、どこまで正確に出てくれるかという点が気になっていることでしょう。
速度制限がされたといっても700kbps前後をしっかり通信速度として維持してくれれば、下手な格安SIMの高速データ容量を使った通信速度よりも速く、さらに安定していることになります。

これを確かめるために大体1時間ごとにお昼頃からスピードテストをしてみました。以下がその結果です。若干被っている時間があるので全てが別の時間帯の結果ではありません。

wonder700

スピードテスト上はほぼ全ての時間帯で0.7Mbps/700kbpsの速度を安定して維持しています。混雑すると言われる時間帯も難なく700kbpsを出してるのが確認できます。これならば規制された速度といってもかなり快適に使うことが可能でしょう。

そもそも高速データ容量がある状態で混雑時の影響を受けていないため、その状態での700kbps通信の混雑時の速度もちょっと留意が必要な結果ではありますが、一応は700kbpsを維持するようなチューニングがされてどの時間帯でも今のところは大丈夫という期待できる結果となりました。

なお1日に1GB以上通信すると、700kbpsの通信速度が制限されるようになっています。常時制限がかかるわけではなく可能性としての制限ですがこちらの規制の存在も一応注意しておいてください。1日1GB使ったら規制されても納得のいくサービス内容なので文句をつける必要はないと思いますが。
この規制後の速度については確認し次第追記しておきます。

動画など各種検証通信の最適化

このスピードテストの結果がスピードテストに最適化されたものでないかを次は確認してみました。
「通信量・通信速度モニター」のリアルタイムダウンロード速度と、「TCP monitor」を使ってPCとテザリング接続という2つの方法を使って各種Webサイトを閲覧し、目視で実際に出ている通信速度を確認してみました。

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この方法で見てみたところ、通信速度は極端に上下することなく安定しており、低い数値で400kbpsほどで、大体は500kbps~800kbpsの間で安定した通信速度であることを確認できました。この700kbpsというスピードテストの記録として出た速度は、スピードテスト用に最適化された速度ではなく実効速度として捉えても問題はなさそうです。

この他にYouTubeと通信の最適化チェックサイトへと接続して実力を見てみました。

YouTubeではPC上で480pの画質の5分ほどの動画で、数回は読み込みのために止まりはするものの決してストレスの感じる頻度ではありません。480pなら視聴には十分耐えうる画質でもあるため、動画再生にもこの700kbpsとされる通信速度は快適さを与えてくれるでしょう。

通信の最適化があるのかについても確認してみました。こちらのサイト(通信の最適化を確認するやつ)で通信の最適化が異なるファイルサイズで確認出来ます。一応今のところWonderLink Fシリーズでは通信の最適化は確認されませんでした。

バースト転送機能を確認

このWonderLink Fシリーズの規制時の通信速度については、実際に使ってみているとその実効速度とされる700kbpsという数字以上に各種Webサイト閲覧がスムーズに行えて快適さを感じられます。

どうやらこの理由は、700kbps通信の前にIIJmioやDMM mobile、mineoといった回線の低速通信時に見られる「バースト転送機能」が働いているからのようです。

TCP monitorではリアルタイムで通信速度を監視出来ます。IIJmioもmineoも公式で以下のようにバースト転送機能が使えることを明言しているため(mineoの場合は公式ブログ内のコメントですが)、TCP monitorを使って低速回線の速度を見てみると、バースト転送機能の動きをビジュアルで確認することが出来ます。

IIJburst

IIJmioは低速状態(クーポンが「オフ」の状態)でもはじめの一定量だけ高速通信できる「バースト転送」で非常に快適に使うことができます。
・通信し始めの一定量は低速を解除して高速通信
・すぐに読み込みきれる程度のWebサイトや画像、Twitterのタイムラインなどであれば高速で読み込みが完了する

https://www.iijmio.jp/startguide/c2-1_tokucho.html

他社様の「バースト転送」機能と同じかどうかは分かりませんが、最初の数秒間だけ200kbpsの制限を受けないデータ通信ができるようになっております。TwitterやLINEの送受信であれば、ストレスなくご利用いただけます。

https://king.mineo.jp/magazines/special/67

このIIJmioとmineoのバースト転送機能と同じ波長が、WonderLink Fシリーズでも確認できます。初速で3Mbpsほどの通信速度が一瞬ではあるものの確認でき、最初の読み込み時にバースト通信が行われています。

wonderlink burst

しっかりと700kbpsの実効速度を出しながら、バースト転送機能付きで初速の速度を増やし読み込みの体感速度を上げるという、規制されている扱いのはずの通信回線としては非常に高い利便性を感じます。
この速度が今後も継続維持されることが前提ではあるものの、今のところは700kbps回線の速度や品質については心配しなくていいでしょう。というか実績さえあれば普通におすすめなMVNOに挙げることも出来る内容です。

プランの詳細

速度については以上のような検証結果になりました。速度だけを見れば高速側、低速側に位置する規制状態のそれぞれで非常に良い結果内容になっているため、今すぐにでもおすすめのMVNOの仲間入りをさせたいのですが、今一歩強くおすすめすることが出来ない状況にあるのがWonderLinkです。

その理由としては先ほどから何度か触れているように、今後ユーザーが増えた時にどれほどの対応力があるのかが分からないという点です。BIGLOBEやSo-netのPlay SIMのように低速状態のまま放置されては困ります。今だけを切り取れば非常に魅力的な格安SIMではあるものの、今後が不透明で不安を感じるのは正直なところです。
そしてもう一つの理由はプランの内容にあります。今後の不安と関係する契約内容がプランについてきてしまっているのです。以下がWonderLink Fシリーズで契約できるプランの内容と料金になります。

WonderLink F-使い放題700 F-7G
月額料金 1400円 2480円
データ容量/制限後の速度 1GB/700kbps 7GB/700kbps
縛り期間 12ヶ月 なし

1年縛りあり

普通のMVNO格安SIMであれば、今後が不安であってもデータプランならばすぐに乗り換えることが出来るため、大して注意はしないのですが、このWonderLink Fシリーズのプランでは現在、1GBのデータ容量を持った安いプランには1年縛りがついてしまっています。そのため速度が悪くなったから他に移る、という行動に契約解除料(7,680円)がデータプランですら必要になってしまいます。

MVNO格安SIMの良さは気軽に解約することの出来る点にあると思いますが、その自由度が失われている1GBプランには注意喚起せざるを得ません。

7GBプランだと縛りがないので、こちらなら魅力的な契約内容として見れると思います。7GBの相場としては若干高く、そもそものデータ量を考えれば700kbpsの規制速度の恩恵を受ける機会は少ないと思いますが、高速側の速度を考えれば十分選択肢に入れてもいい大容量プランでしょう。

ただ個人的な見解としてWonderLink Fシリーズに興味を持っている方は安く700kbpsの通信回線を欲している方が多いと思うので、やはり1GBプランの縛りの存在は簡単にはおすすめ出来ない要因として考えてしまいます。

またSMSがなく、iPhoneなどでLTE接続に時間がかかるなどの問題が起きるかもしれません。Androidでは問題ないのですが、こうした細かなオプションや機能の少なさもプランとしては物足りなさを感じます。

 

WonderLink Fシリーズの総合評価としては高速側も今はユーザーを順調に捌けていてスピードが良く、700kbpsも安定してこの速度を出しながらバースト転送付きと充実しており、回線の速度面に関する品質は今最も良いレベルのMVNOであるのは間違いありません。
一方でこれからユーザーが増えた時の対応が不安な点、そして1GBと始めやすいプランに1年縛りが付いているという点はデメリットとして考えたくなります。

こうした問題のある部分を把握したうえでそれでも、というのなら契約には値するMVNOですが、問題点に不安を感じるようでしたらもう少し様子見をしておくほうが良いかもしれません。

WonderLink公式

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